ネタバレ表題作『富士山』のみ読了。【感想】主題は、大切な人の様々な側面を我々は知っているのだろうか、ということになるだろう。女児を助けず反省の色も無いということから主人公は男性を結婚相手から外してしまう訳だが、その後、男性は子どもの身代わりになり死んだことで主人公は内省する。我々は新幹線の窓から見える富士山が、その正面だと決めつけてしまうように、人の1つの行動を切り取ってその人の人格を決めつけてしまってはいないだろうか。【要約】仕事一筋の主人公女性とラジオの放送作家が婚活アプリをきっかけに出会いデートで浜名湖へ。

ネタバレ恋愛対象の男性はラジオの放送作家で年収が多いわけではない、女児が出したサインはコロナ禍でのDVの増加を機に出来たSOSサイン、主人公は男性が女児を助けず自分に付いてきてくれることさえなかったことに失望している。抽象的な表現になってしまうが、この小説は現代の大きな女性的な流れに対する1つの別の視点を提供している。自分は作者の考えに同意している。しかし、余りにも作品に作者が言いたいことが出過ぎている。メッセージ性が強すぎて読者が作品と自分を有機的に共有しにくく作品自体のスリリングさが犠牲になっていると感じた。

ネタバレ表題作『富士山』のみ読了。【感想】主題は、大切な人の様々な側面を我々は知っているのだろうか、ということになるだろう。女児を助けず反省の色も無いということから主人公は男性を結婚相手から外してしまう訳だが、その後、男性は子どもの身代わりになり死んだことで主人公は内省する。我々は新幹線の窓から見える富士山が、その正面だと決めつけてしまうように、人の1つの行動を切り取ってその人の人格を決めつけてしまってはいないだろうか。【要約】仕事一筋の主人公女性とラジオの放送作家が婚活アプリをきっかけに出会いデートで浜名湖へ。

ネタバレ猫になった少年がメス猫のジェニィに猫の世界での生き方を教えてもらい成長していく恋物語。ボス猫と戦ったり船から投げ出されたり血湧き肉躍る冒険譚というだけでなく文章が平易で読みやすく登場人物もディケンズ作品に出ていそうな程愉快で個性的で面白い。そうそう、文学的手法とか純文学性とか細かいことそっちのけでこういう楽しい小説が読みたいんだよ…