私のように、科学的な素養がないとしても十分楽しめます。脳のことを脳で考える科学、人工知能との向き合い方、そして「人」とは何か、「生きること」とは何かを巡る深遠な物語。わかることを警戒させながら、それでいてしっかり知的好奇心を刺激してきます。それと同時に、様々なことを考えさせてくれます。間違いなく力作です。

私のように、科学的な素養がないとしても十分楽しめます。脳のことを脳で考える科学、人工知能との向き合い方、そして「人」とは何か、「生きること」とは何かを巡る深遠な物語。わかることを警戒させながら、それでいてしっかり知的好奇心を刺激してきます。それと同時に、様々なことを考えさせてくれます。間違いなく力作です。

【再読】「認知バイアス」を練習問題形式で学ぶ本。有名なもの、説明されればなるほどというもの、え？というものまで様々です。人間の脳はいい加減（特に「言葉」との関連）だし、真面目だし、怖い（仕方ないとは言え、特に自分を守ろうとする偏見。さらには「モラル正当化効果」など）ですがやはり憎めないですね。

悪文とは無縁…と思いたいですが、読んでいると痛いところを突かれます。「ムード（フィーリング）に押し流され」て書くとか、まさに自分。一つの文単位、またはまとまった文章を作るときは、冷静になって後から読み直さないと…。この本からは、見直す際の正しい着眼点を得ることができました。大変有益。言葉の基準は時代によってかわることを肯定的に捉えている点にも好感が持てました（この本を読んでいると実際にそれが体感できるという…）。

相手のことを想って、そのことが伝わる文章を書く方法を知りたくないですか？人とのコミュニケーションを諦めず、あくまでも前向きに捉えて、どうせだったらしっかり効果の出る「書き方（その戦略と戦術）」を学べます。あとは日々の実践で意識していくだけですね。

「ぜひ結婚しなさい」といったのはソクラテスですが、今回は内田先生による結婚の話。Q＆A形式のエッセイです。Questionは定型的、かつどちらかというと結婚をする前のネガティブな質問や、結婚後の困難に対するもの。それに対して、結婚を社会上の契約と捉えて、そこそこ現実的な回答が目立ちます。内田先生ならではの視点が提供され（ここがこの本を読む意義かと）、読み手に教え諭す（場合によっては突き放す）という印象です。結婚もしてみないとわからない！(笑)

とても面白かったです。他人との関係の中に自分がいる、ということを改めて考えさせられました。善い行為（実践）のための観想的活動が重要であることが強調されています。独りよがりにならず、他人ばかり見ず、日々の行動の中でバランス（「中間性」）を取りながらいい習慣を身につけていくことが幸福を考えるスタートラインといったところでしょうか。抑制の話、愛（人との関係）の話は身近に感じられます。また、「美しい」「まじめ」という言葉の多用も印象的でした。