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熊本理抄,藤岡美恵子,宮前千雅子,福岡ともみ,石地かおる,のぴこ,瀬戸徐映里奈,坂東希,川﨑那恵(1)佐々木 和子,廣川 淳平(1)安藤 美紀夫, 田中 岑(1)緒方正人,辻信一(1)青木真兵,青木海青子(1)近藤 宏一(1)渡辺ペコ(1)西川 勝(1)勝山 実(1)アストリッド・リンドグレーン(1)10%熊本理抄,藤岡美恵子…10%佐々木 和子,廣川 …10%安藤 美紀夫, 田中…10%緒方正人,辻信一10%青木真兵,青木海青子10%近藤 宏一10%渡辺ペコ10%西川 勝10%勝山 実10%アストリッド・リンド…著者グラフ上位10名
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slowpass
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落語家のような語り口。欧米のコメディアンが政治や社会の風刺をするイメージと重なる。一般に専門家でもなんでもない人がいうことは、世間からは「声」としてとらえられる。声というのは、意味や内容ではなく、身体的・動物的な五感のあらわれ。一方、専門家のいうことは声ではなく、理性的思考であり、信じるに足る現実として受け取られる。当事者や一般人の声は、専門家などの権威がそれを解釈して位置づけ、言い直してから、はじめて一般社会がまともに受けとるに値する意味内容になる。
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よって何を考え何を見つけても当事者が発しているのはいつまでたっても声にすぎず、意見としては世間にはまともに受けとられない。では、意味や内容としては世間に相手にされない当事者や素人がどう伝えるべきことを伝えるのか。いっそのこと一種の大道芸、パフォーマンスにしてしまえば、「不備」を見つけて悦にひたってやろうとわらわらやってくる先生方を、え?あなたマジレスですか?とぴしゃりとうちおとしながら本来の対象に届けるべきことが届けられよう。世も自分も突き放した道化のスタンス。親が死んだ直後の注意事項5項目も参考になる。

04/11 02:41
0255文字
slowpass
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戦争と政治は、個々人にとっては自分からは遠くはなれて扱えるものなどではない巨大な機構の運動とシステムのようなものと思う。自分は人間は等身大をこえたものを経験したり実感できないと考えるため、昔にただ戻っただけならろくでもないことがいっぱいあると思うが、等身大の人たちがかかわるものすべてに責任をもちあい一人一人に輪郭があるちいさな社会環境と現在を比較するなら、大きく間接化されてしまったこの社会環境の状況自体は一人一人より大きなシステムがまず先にある点で人間の主体が奪われた文化の後退状況でもあるだろうと思う。
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・その他 p9「大学生以降の方が、自分の興味ある事柄について学ぶことができることや、映像や情報を得ることができたため、記憶していることが多い」 →人間は情報投入のタイミングなど関係ない人工知能ではない。自分に動いているプロセスに準じてその求めにしたがうとき、自分自身を変化させながら学ぶ。 →「はだしのゲン」「火垂るの墓」への言及人数の多さ。映像と物語は身体性に連動し、身体性を変えている。

04/09 03:36
slowpass

p149「誰かと話して考える場面がない」 →展開を求めるプロセスとしての「種」には種に応じた経験がいる。変化するプロセスの微細な求めを適度に満たす、少しずつ経験濃度が違う環境の広がり、経験の汽水域を作り出す必要。

04/09 03:36
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0255文字
slowpass
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世間一般的に個人的な回復とは、現状の社会環境で心身が「不適応」にならなくなること。だが社会環境によって差別や抑圧を受けている存在にとって、それらを我慢したり意識を逸らして別の楽しみを見つけてやっていければそれでいいのか。それは明らかにその人から力をうばい、ゆがませている。ごまかしではなく、世界に対する新鮮な心もちをその人が取り戻すことが重要とおもう。
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名前をつけられ、確立されたものはやがて自分たちが主体化するため、フレイレ的にいうならば、あやまった人間化をするため、別の存在を客体化しようとするオトコたちが支配するものになっていきがちだが、水が決して支配されつくされないように確立されたものからはみだし、本来の運動性を回復していこうとする名前のない水脈、名前のない自律的な運動性そのものともいえる系譜がいつも未来をつくりだす可能性としてあるとおもう。

04/04 03:35
slowpass

人間を解放する営みは、いつも、もう発見されたものに対してあるよりも、まだ名づけられていないもの、まだ力を得ていないものを見つけだして奪われていた価値や意味を回復させていく終わりのない営みなのではとおもう。

04/04 03:36
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0255文字
slowpass
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より人に面倒をかけなくなることがいいから、自立が大事なのか。世界に自分なりに直接触れられないという、間接化され受動化される環境に閉じこめられることこそが、その人のなかで動いている生きた可能性を停滞させ、くぐもらせるのか。その人の可能性が生き生きと展開をはじめるとき、「自立」はその人に完結した出来事にとどまらず、周りごと意識を次のものへと移り変えていく。そのとき彼にかかわることで自立させてもらったのは、周りの側ではなかったか。
0255文字
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ひとが生まれる。著者は、若者たちに最初の記憶をたずねたとき、自分とは何か、自分というを存在を否応なく意識せざるを得ない状況がいつおきたかによって、その人の最初の記憶の時期は大きく異なっていたと指摘する。つまり、ここでの「ひと」とは、自分の根本的なあり方を状況に問われ、そのうえで立ち上がってきたものといえよう。逆からいえば、状況に違和感も疑問もなく「順応」あるいは埋没したままでいたのなら、筆者の意味での「ひと」としてのその人はまだ生まれていない。
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「・・・ふみ子は、気の合った仲間がいっしょに暮らすというだけではなく、その仲間がいっしょになにかの仕事をするということがたいせつだと考えた。」 「けれど私には一つ、初代さんとちがった考えが合った。それは、たとい私たちが社会に理想を持てないとしても、私たち自身には私たち自身の真の仕事というものがあり得ると考えたことだ。それが成就しようとしまいと私たちの関した(かかわりのある)ことではない。私たちはただこれが真の仕事だと思うことをすればよい。それが、そういう仕事をすることが、私たち自身の真の生活である。」

03/03 21:31
slowpass

「私はそれをしたい。それをすることによって、私たちの生活が今ただちに私たちと一緒にある。遠いかなたに理想の目標をおくようなものではない。」p222

03/03 21:31
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0255文字
slowpass
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友人から貸してもらった。主人公たちは安全に固まってしまった日々のなかに閉じこめられていた。そこに変化をもたらすのは向き合わざるを得ない否定的な事故や侵害であり加害だった。日常はガラスでおおわれたトロッコのようで清算されていない過去は窓のないトロッコにゆっくりとガスを溜めていく。
slowpass

弱いものがガスに耐えきれず内側からガラスを割ると、トロッコにこごえる外気が流れこむ。 寒さに耐えきれない乗員たちはガラスを割ったものを罪人としながらも、ようやく今までの秩序を守るだけではこの穴を埋めることもガスを抜くこともできないことを認め、トロッコの修繕に向き合わされる。

02/16 02:45
0255文字
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筆者が四国遍路の際に遭遇した無縁仏の墓場。自分が歩いた20年前との落差が衝撃的。かつて歩いた人たちはどんなリアリティを感じていただろうか。『人々は、土まんじゅうの上に、子供遍路が残した菅笠をかぶせ、墓標がわりに金剛杖を立て、コスモスの花々をお供えすると、揃って静かに手を合わせた。そして、「あんた方も気をつけていきなされや」と、口々に言い残して峠を下りて行った。人々が去った後、気が付くと、辺りは一面、湧き立つような虫の声であった。見ると、草むらのあちこちに、墓標がわりの金剛杖が影のように立ち並んでいた。』
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手紙には、娘に連れられて初めて音楽会に行き感動したこと、自分は父や母の歌声さえ耳にした覚えはないが、お兄さんはどうかとあった。佐代子の記憶では、父は謹厳実直、無口であり唄をうたうような性格ではない。「こうやのねずみ かいくうて〜」とはじまるその唄は、父が子どもをあやすときだけ歌っていたものか、全く佐代子の記憶には残っていない。筆者は、単純素朴なその子どもの遊び唄は今も私の心の中で歌い続けている、生涯忘れることはないだろう、父の遺したたった一つの唄、この佐代子への手紙の返事を思いっきり優しく書こうと思う。

11/29 22:19
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亡くなる3ヶ月前、筆者は悪性リンパ腫の疑いがあるとのことで、岡山の医療センターに検査入院をすすめられる。筆者は「私はこの部屋を出たくないんだ」「この時を大切にするんだ」「自分を表すんだ」と言う。長時間かけて説得され、いったんは入院したものの、また愛生園の自分の部屋に帰ってくる。そして愛生園に帰っても病棟に入ろうとしない。「僕はここで死ぬ。松雄君、僕は弱いよ。これが僕の総てだ」2009年10月5日、筆者は息をひきとる。

11/29 22:28
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0255文字
slowpass
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子供のころに読んだ本。大学生になってまた探して古本で見つけた。回復とは何かをこの物語ほどとらえた絵本があるだろうかと思う。火山の爆発により汚染された沼。長いときを経て作りあげられた氷の槍。回復は一世代で完結できるようなものではない。そして、今更、ようやく、捉えられるようになったことは、当然ながらアイヌの人たちの物語だということ。いまだに差別され通りすぎる人に「気持ち悪!」と言い捨てられる時代。汚染され奪われた大地とは和人の侵略と支配そのものだ。そしてこの世界では、氷の槍はまだ作られている途中だ。
slowpass

自らの奥深くの悲しみを悲しむことができなかった火山は、氷の槍に凝縮された悲しみを与えられ、自身の悲しみを悲しむことができた。火山が流す涙はこれまで凍っていた彼の時間。凍っていた時間が溶け、世界と一体となることで、世界はその全体性を回復し、噴火前よりも広がりある躍動性を得た。しかしこの回復がおこるまでどれだけ生きものたちが世代交代を繰り返さなければならなかったか。個々のちいさな生きものの時間と世界の回復に必要な時間はまるで釣り合わない。ちいさな個にとっては回復もまた遥かな他者なのだ。

11/26 02:22
slowpass

絵を変えて復刊されているが、田中さんの絵で読んでほしい。

11/26 02:22
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0255文字

読んだ本
89

読んでる本
3

読みたい本
94

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2023/01/13(836日経過)
記録初日
2014/10/02(3861日経過)
読んだ本
89冊(1日平均0.02冊)
読んだページ
18905ページ(1日平均4ページ)
感想・レビュー
89件(投稿率100.0%)
本棚
6棚
自己紹介

メモ、あるいは読んだ本でいいと思ったものの感想を書いています。
情報が多いのでアップアップし、一旦タイムラインから離脱します。

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