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2024年4月の読書メーターまとめ

TS10
読んだ本
10
読んだページ
2974ページ
感想・レビュー
10
ナイス
191ナイス

2024年4月に読んだ本
10

2024年4月のお気に入り登録
3

  • さとうしん
  • 蟹
  • Toska

2024年4月のお気に入られ登録
1

  • Toska

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

TS10
ネタバレ完全に騙された。叙述トリックが何重にも組み合わさることで、気付かれにくくなっているように感じる。主人公と「医師」との掛け合いが愉快で面白い。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
10

TS10
下巻では、ベトナム戦争から冷戦終焉までを辿る。1970年代以降のアジア諸国の経済成長が冷戦の帰結を決定していったとの指摘が興味深い。それは、第三世界諸国を政治的に分断するに留まらず、イデオロギー対立としての冷戦を西側の勝利という形で終焉させたのだ。一方で、成長から取り残されたアフリカや中南米諸国では、社会主義を標榜する勢力との間で内戦が多発し、米ソから大量の武器を援助され、それらが残された結果、今日に至るまで不安定な政治情勢の素地が形成されてしまったのである。最新の研究成果を丹念に取り込んだ力作だと思う。
が「ナイス!」と言っています。
TS10
冷戦史の概説書。上巻では、冷戦の起源からキューバ危機までを辿る。同盟内政治に重点を置いているのが特徴的だ。欧州とアジアにおいて、分断体制は殆ど同時に形成され、スターリンの死後は双方に緊張緩和の機運が高まったと、俯瞰的な叙述は新鮮である。こうした視点から、ベルリン危機とキューバ危機は、米ソがリンケージによって懸案を解決しようとした複合危機であったと位置づけられる。しかし、米ソに欧州を管理されることを恐れた各国は他国間交渉による事態の打開を模索していく。かくして、ヨーロッパ・デタントへの道が開かれるのである。
が「ナイス!」と言っています。
TS10
ロシアは東方への人口移譲を目的に、シベリア鉄道を建設し、その途上に東清鉄道を敷設するも、義和団事件により騒擾の発生していた満州において、軍事力を行使する必要が生じる。この行動は、日本との間にセキュリティ・ジレンマを惹起し、日本は朝鮮半島において軍事的な独占権を求めるようになる。しかし、ロシアは満州からの撤退も、日本による朝鮮半島の独占も認めず、交渉は決裂し、日本はロシアに戦争を仕掛けるに至る。ロシアは植民地国家として日本を見做し、扱っていたが、実際には大国であったことが戦争により判明することとなる。
TS10
2024/04/21 05:05

日露交渉に際して、既に手に入れた権益を維持し続けることに固執したロシアの帝国主義的論理は、満州事変へ向かう日本の行動原理にも重なって見える。

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TS10
冷戦終焉後、アメリカは東欧やアフリカ、中東にまでその支配領域を拡大することを目論み、一極覇権戦略を実行しようとしたものの、ゲリラ戦や国内問題のために、それを諦めざるをえない。結果として、国際体制は多極化しつつあるのであり、日本はそのことに備えて核兵器を所有せよ、と説く。主な論旨には大方賛成だが、繰り返しが多く、他人の著作の引用が余りに多いのには閉口した。
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TS10
古代オリエント世界を制覇した三帝国の継承国として描かれる地中海帝国ローマの通史。流麗な筆運びもあって、とりわけ帝政までの政治史は楽しく読めた。ローマが興隆し、その広大な領土を長く維持し続けることのできた理由は、単なる「中庸」にとどまらずに、相反する原理を必要に応じて表出できたことにあったのではないだろうか。それらを一身に体現していたカエサルやディオクレティアヌスが偉大とされた所以である。そう考えたとき、帝国末期のキリスト教拡大の影響は、違った文脈で読むこともできるのではないかとも思った。
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TS10
アメリカの観察者であると同時に、社会類型としての「デモクラシー」の構想者でもあったトクヴィルのエッセンスを紹介する一冊。母国フランスを意識して理想的社会としてアメリカを称揚する一方、その中にアメリカ的なるものとは異なる、「諸条件の平等」の力学が働くデモクラシー社会をも見出した複雑な思想が語られる。伝統的権威を否定し、自分自身の中にのみ知的権威を認める民主的人間が、逆説的にも彼らと同質な人々が数多承認する意見に権威を求めること等、トクヴィルの分析したデモクラシー社会の欠点は現代にも大きな示唆を与えている。
が「ナイス!」と言っています。
TS10
ネタバレ完全に騙された。叙述トリックが何重にも組み合わさることで、気付かれにくくなっているように感じる。主人公と「医師」との掛け合いが愉快で面白い。
が「ナイス!」と言っています。
TS10
西洋政治思想の入門書。思想家たちが、先人の著作を読解することを通じて、彼ら自身の政治、社会に対して紡いできた思索が語られる。一般的にはプラトンとアリストテレスが政治思想の祖として有名だが、本書からは、ポリュビオスとリウィウスによる古代ローマ政治史の分析が後世の思想家に巨大な影響を与えてきたことが読み取れる。そうした中で、フランス革命後の政治情勢に大きな影響を与えたとするルソーの思想の異質性は印象的だった。
が「ナイス!」と言っています。
TS10
外交思想に重点を置いたタレーラン、ビスマルク、ド・ゴールの列伝。明治の元勲たちは、ドイツ統一直後のビスマルクと会い、感銘を受けたために、それまでの攻撃的な権力政治のみを偏って見習ってしまったと説き、防御的な勢力均衡外交の重要性を力説する。ドイツ連邦が作られた目的は、ドイツ・ナショナリズムを封じ込め、フランスとロシアに対し均衡を図ることの他に、当時領土を急速に拡大しつつあったプロイセンを封じ込めることにあったとの指摘が興味深い。ビスマルクは、その内二つを打破した上で中欧における勢力均衡の維持に心を砕いた。
が「ナイス!」と言っています。
TS10
封じ込め政策を提唱した外交官にして、歴史家でもあったジョージ・ケナンの足跡を辿る。ソ連への警戒を説いた長文電報とX論文から、しばしば反共主義者と誤解されがちなケナンの生涯を通じた政治観を知ることができる。封じ込め政策はソ連との交渉の拒絶というよりむしろ、交渉を可能とする環境を構築することを意図しており、そうした構想の延長に、中欧や日本における相互兵力引き離しが提唱された。また、理想主義の対義語は物質主義であり、ケナンにおいては理想主義と現実主義とは同居していた。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2023/01/26(470日経過)
記録初日
2018/11/08(2010日経過)
読んだ本
154冊(1日平均0.08冊)
読んだページ
47400ページ(1日平均23ページ)
感想・レビュー
45件(投稿率29.2%)
本棚
0棚
自己紹介

主に歴史と国際政治に関心があります

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