図書館で泣いてしまった。くまの大切な大切なことり。喪うことの悲しみが切なく辛く刺さってくる。そこから再生する勇気と、光を示して支えるやまねこの無私の優しさ。

ひさしぶりの再読。百閒先生がやっぱり大好き。初めて「まあだかい」を読んだ若い頃、普通に声を立てて笑う自分に「こんな昔の人の書いたものに⁈」とおどろいたことがあった。笑　 森見登美彦もきっと好きなんだろうなぁ。「白猫」は森見登美彦の「きつねのはなし」味があった。

「〔……〕植物園に連れて行ってやると言うと大変に喜んだ」19歳の若い妻。まだ子どもなのだと思うと胸が締め付けられる。寂しく哀れな最期。なぜ親に逆らってでも妻を救ってやらなかったのだと思うけれど、そんなことはできるわけがない時代だったのか、家柄だったのか。平易な言葉で綴られたほんの12頁の掌編が、最近読んだどの小説よりも心に深く沁みて、揺さぶられた。中谷宇吉郎の一篇も良い。素敵な装丁。このシリーズを揃えたくなった。京都の古書善行堂にもいつか行ってみたい。

シモの描写が前半キツかったけれど、夢の国のリアルを叩きつけるにはこのくらいのインパクトは必要なのかも。キャストにはディズニー愛が無い人もいる…そりゃそうだよね、と当たり前のことに気づかされた。誰も彼もが脳内お花畑なわけではない、やっぱりここも社会の縮図。

図書館で泣いてしまった。くまの大切な大切なことり。喪うことの悲しみが切なく辛く刺さってくる。そこから再生する勇気と、光を示して支えるやまねこの無私の優しさ。

懐かしくて再読。わたしがかつて持っていたおもちゃやぬいぐるみたちのことを思って心が痛くなった。ホンモノになって仲間ができてよかったね、ウサギ。

すごく面白かった！池田先生の発言の中にしょっちゅう養老先生のなまえが出てきて、仲の良さがうかがわれて微笑ましい。笑　この周辺の人たちはほんとうに面白いなぁ。「人生に意味なんてない。自分が楽しいと思うことをすればいい」こういう言葉は戦争の残滓をどこか体感して育った世代のお二人が言うからこそ説得力があるのだと思う。

一昨年、17歳の猫を亡くした。悪性リンパ腫と闘い、最後は心臓発作を起こして亡くなった。とても穏やかな看取りと言える死に方ではなかった。「できる限りのことはした」と周りも医師も言ってくれたけど、それはやはりどこまでも飼い主の自己満足なんだと思う。苦しめて苦しめて死なせてしまった。後悔と罪悪感ばかりが残っている。「（犬猫には今しかないから）どういう医療行為も侵襲行為で（中略）拷問とか暴力行為でしかない」。あの子にとってなにが幸せなのかは誰よりもわかっていなければならなかったし、わかっていたはずだったのに。→

我が家の17歳になる猫のことを思って読み始めたけれど、自分が目を逸らしていることを突きつけられそうで怖かった。つい、楽をしたり、楽観的な見方をしたりしてしまう。猫の最期を決める責任も飼い主にある。そう覚悟するのは重いけれどすこし心が楽になる気もする。苦しむ猫を前にしての迷いを振り払える気がするから。

大好きな森見登美彦作品。でもなぜかこの話は自分の中で存在感が薄く、本棚に無いことに今さら気づいて購入して再読。おもしろかった。丹波先輩がちらりと出てきてうれしい。京都が舞台のわちゃわちゃ話のほうが好きだけど、こんなヘタレ学生も香ばしい。だれかに手紙を書きたくなった…！