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2024年4月の読書メーターまとめ

たこらった
読んだ本
13
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3803ページ
感想・レビュー
13
ナイス
66ナイス

2024年4月に読んだ本
13

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

たこらった
たとえば「フォニー“の”衣装をさらっと纏った」を「slacksをベルボトムのように頭から被った」と言い換えたとして「別に世界がどうなるわけでもない」。趣味嗜好の世界で“どうなるわけでもない”などと言ってしまえば野暮だわな。それでも、なのだが、記憶のコンタクトが弱いんだなあ。記録しとこ、みたいな助平根性があり過ぎて鈍いんだよ、文が、とツッコミたいのさ。文学にナニMax期待してんのよって話になりかねないが、AI文(翻訳含む)以外の文が(純)文学文で綴られたんでは模範解答読まされているみたいでねむたくなるのよ。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
13

たこらった
蓼食う虫というやつで好きな人は好きなのだろう。ヘーッと思ったところだけメモ:小規模な病院でもラジウムを使った治療が行われており、そのラジウムが非常に高価で人を殺してでも手に入れたいブツであったこと。悪女の属性としてハイチの血がスキャンダラスに盛り込まれており、遡れば食人種だなどと言われている。イケメンな探偵刑事の出現。6月にやたら雨が降る(一週間降りっぱなし)。呪われた18号室じゃ嫌だと患者が頑張ったので“看護婦としての私の人生で初めて”患者の言いなりになって部屋を替えたと言うほど病院側に力があったこと。
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たこらった
「…どうせ殺される命なら、どうして戦争をやめさせることにそれをかけられなかったかという反省が頭をかすめた、〔中略〕この軍隊を自分が許容しているんだから、その前提に立っていうのでのでなければならない」。加藤陽子は大岡の文(初出は1970年)の一部を引いて軍や国家の過誤を止められなかった反省の心を読んでいる。確かに『レイテ戦記』は被害者ヅラとは無縁の書物だろう。しかし「許容」について、果たしてどれほどの具体的な逡巡があったのかは不明。Tim O’BrrienのOn the Rainy Riverをふと思った。
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たこらった
大西巨人と対談しているというのになぜ砲兵の獰猛さに話が及ばなかったのか。脊梁山脈で戦線離脱して遊兵となり、背負袋に米をつめて山を越えてくる若い輜重兵を襲う。抵抗しようものなら裸にして帯革で立木に縛りつけ、絞め殺す。「それより生きる道がなかったのだから仕方がなかった」と平然と言い放つ。強盗と化した遊兵の中で一番始末に悪かったのは身体頑強な砲兵だったと大岡は書いているが、転進敗走する日本軍にあって最も“力強く”生きる兵士として『神聖喜劇』対馬要塞重砲兵連隊教育掛の大前田文七軍曹の“雄姿”を思い浮かべていた私。
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たこらった
三田文学のインタヴュー(聞き手・古屋健三)。安岡章太郎(1944年歩兵第一聯隊配属、フィリピン出発直前発熱、翌年除隊。大岡より11歳年少)が酔って絡んだという。「運の悪い兵隊というものはどこの国にもあるもので…」(実際には「運の悪い部隊というものは、どこの国の軍隊にもあるもので…」中巻p.177、p.465でも「兵隊」ではなく「部隊」)などとクリフォード隊へも同情を寄せるのはけしからん、運が悪いのではなく日本の兵隊が叩いたからなんで…。気持ちは分かる。が、日米とも兵隊は可哀想だったと大岡が言うのも分かる。
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たこらった
いま書店に出回っているのは四巻本で、各巻末には美味しそうなオマケが付いている。吝嗇なわたしはしかし、買い直さずにお尻の方だけチラ読みする(青鷺書店さん、スミマセン<(_ _)>)。この巻には中央公論の連載を終えて間なしの頃、戦後四半世紀という時期に山梨英和短大主催の講演会で大岡自身がした話が収められている。甲府四十九聯隊のリモン峠での奮闘、その勇敢さ、そしてその運の無さを同情をもって語っている。思えばこの本は「死んだ兵士たちに」と献辞されていたのだった。解説は大江健三郎。当時の中曽根政権への批判が色濃い。
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たこらった
「財界の鞍馬天狗」と言われても鞍馬天狗がもう分らない。「戦後」だって一体どこの国と戦った後のことなのか思い出せなくなっている。昭和はすでに遠い。平成さえも忘れ始めている令和の今、中山素平は偉い人だったと言われてもピンとこない。「海外派遣・南方占領地区出張」などと来た日にはSFかと勘違いしかねない。「無私ではなく、欲もある。しかし、自分中心ではない」と自己分析する人が一生懸命働き、自ら求めずして興銀頭取となり業界再編等に大活躍、勲章などは断って元気に99歳まで生きて死んだ。明るい戦後のお伽噺もたまにはいい。
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たこらった
必要があって「デンマルク」を読んだら面白くて(講演録なので読みやすくもある)「最大遺物」も読んでみた。良かった。困難に打ち克つことの貴さ、外の世界に開かれてあること=人の役に立ちたいという思いの大切さが説かれていた。戦に負けても心が破れてはいけないのだ。いや、そりゃ破れもするだろう。けれども再び立ち上がるには心の力、人間精神が必要不可欠。試されてこそ輝く。金も事業も著作も人生も、そこに善なる魂があるかないかだ。下女に「何でもよろしいから」と言わせている先生。つむじ曲りを大目に見てくれているのも嬉しかった。
ユビヲクワエルナマケモノ
2024/04/19 20:28

私も実はたこらったさんと同じく『デンマルク国の話』の方を読みたくて(デンマーク史関係の本を読んでいた)本書を手にして、せっかくだからと講演の方も読んだのですが、読んでみて良かったです(^_^)v

たこらった
2024/04/20 09:47

ものを教えるのに向き不向きがあると講演の中でも言っていましたが、内村鑑三は聞く者を鼓舞する実に良い先生だと思いました。わたしも大いに励まされました!(^^)!

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たこらった
戦争とか命令とか、自分の意志プラスαとなった場合の心の在り様というのが、冒険とか旅とかといったロマンな響きをもつ言葉を許容できるのかどうか。昂揚は分かる。けれどもラサで“アトムボムボ”で日本が敗けたと聞き、もっと正確な情報を得ようとインドに向かうのはヒマラヤ越えであろうとなかろうと冒険などではない。任務だ。敗戦後の4年も旅ではなく韜晦だろう。同じ密偵でも英米の手先になるような木村とは違い、中学時代に松陰全集を読むような西川なのだ。至誠とはクソ真面目。沢木の筆は甘く、インド領の蛍はすっかり文学になっている。
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たこらった
戦争もまた日常だった。境界線はいくらでも引き直せる。戦場の言葉は吉凶両様に毀れる。断章はナイフ、時に詩。ヴェトナムで担った数々の数字は数字以上の質量を持ち、たっぷり食事を摂り眠り、小隊長と未来で酒を飲んだりもする。写真をトレースしもしたろう。が、事実だけでは再現出来ないのだ、本当に起ったことは。嘘は無だから想像するしかないのである。正確を期して経験の脈動を読み換え、その対象よりも大きな器に入れて浸す。戦争は人生よりも短く、人は本より短命だ。”A book?” I said. / “An old one.”
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たこらった
Maybe a delightful finish. It’s good to see an expression on the face of London bobby, even though Dr Abbershaw’s indecision, or decision to let the murderer go, in the last chapter left a weak impression in terms of solution to the crime. Drunk? Righto!
たこらった
幻覚hallucinationは汎化と関わっている。有限の訓練モデルに基づいて無限の未知データを処理しようとするから。破滅的忘却という機械学習ゆえの問題もある。言語獲得に普遍文法が必要かどうかの論争にはまだ決着がついていないとのこと。シャノンの情報理論(情報エントロピー:乱雑=トンデモナイものほど情報量大)、ポランニーのパラドクス(語れる以上のことを知っている=形式知の限界)、無意識下での言語獲得と運用、アレックスネット開発がソ連崩壊に絡んでいたこと(移民を積極的に受け入れたカナダ)等々、盛り沢山で満腹。
が「ナイス!」と言っています。
たこらった
最初に書いてある通り、本書はあくまでも寓話。つまりアナロジーを拡張したもの。ワンダーランドも日常経験とかけ離れてはいるが、クオンタムランドのかけ離れ方はその上をいっちゃってるので、こりゃどうにも歯が立たない。アナロジーが機能しているとは思えないのである。もちろん読者の力量次第ではあろうが、観測問題(コペンハーゲン・スクール)あたりから、もういけない。本当に難しい話というのは譬えられないんじゃなかろうかと、数式もまともに理解できないアホがひとり悔しがるのであった。最後のEPRパラドクスは完全白旗(T_T)。
が「ナイス!」と言っています。
たこらった
たとえば「フォニー“の”衣装をさらっと纏った」を「slacksをベルボトムのように頭から被った」と言い換えたとして「別に世界がどうなるわけでもない」。趣味嗜好の世界で“どうなるわけでもない”などと言ってしまえば野暮だわな。それでも、なのだが、記憶のコンタクトが弱いんだなあ。記録しとこ、みたいな助平根性があり過ぎて鈍いんだよ、文が、とツッコミたいのさ。文学にナニMax期待してんのよって話になりかねないが、AI文(翻訳含む)以外の文が(純)文学文で綴られたんでは模範解答読まされているみたいでねむたくなるのよ。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2023/07/18(300日経過)
記録初日
2023/08/16(271日経過)
読んだ本
140冊(1日平均0.52冊)
読んだページ
46945ページ(1日平均173ページ)
感想・レビュー
140件(投稿率100.0%)
本棚
4棚
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