ネタバレ主人公の渡部には最後まで感情移入することができませんでした。不倫相手の仲西秋葉の考え方も全く理解できませんでした。東野先生の作品なので期待値が高すぎたのかなぁ～？　ミステリー要素も低いと感じました。私の認識としては、自殺によるナイフの刺し傷（刺し方）と他殺によるものとの違いを警察が見誤るとは思えないのだけれど…　総じて私にはハマらなかった。

ネタバレ同級生のオートバイに轢かれ大好きな姉が死んだ。事故ではなく、殺人ではないか？疑いを抱き、姉と同じ高校へ入学する妹。真実に近づくにつれ、見えてくる痛ましく残酷で理不尽な事実。真実を知ることが必ずしも正しいとは限らない。しかし、知らずにいることも正解ではない。真実を知ったが為、苦しむこともある。それでも、知らなくてはならないこともある。本作品には、救いがない。どうにもやりきれない読後感。そして、私の心にくすぶっているもの「赦し」とは？

ネタバレ脳腫瘍という頭に爆弾が埋まっている女性と心に傷を持つ研修医。お互いがかかえている「縛り」を解放しあうことにより、惹かれあう。しかし、研修期間は終了し別れがやって来る。そして、彼女の死亡という悲しい知らせが届く。主人公の父が家族を捨てた本当の理由。ユカリの遺産を狙う親族。葉山のホスピスの不可解な仕組み。二転三転し迎える真相は？　終盤の怒濤の展開は、読み応えがあった。ただ、私の職業柄かもしれないが、弓狩（ユガリ）という姓を本人から『ユカリ』と呼ばせる事に違和感を感じていたが…　なるほど、そういうことか！

ネタバレ女子大生が殺害され、田岡勇太が容疑者として逮捕・起訴された。しかし、裁判で無罪判決が出る。勇太は、釈放されるが周囲からは疑いの目を向けられたまま、嫌がらせも続く。安原課長の命を受け、岩倉警部補が勇太を見守る。遅々として進まぬ捜査のなか、今度は被害者の恋人光山が殺される。光山は、執拗に勇太を犯人と言い続けていた。勇太は、光山を殺したのか？結末は、意外なものだった。無罪であっても一度犯人として逮捕されると家族を含め、人生を壊してしまう。冤罪は、怖いなぁ～

ネタバレ「魔導具師ダリヤはうつむかない」シリーズの登場人物達のサイドストーリーを描いた短編33編　ダリヤの世界観をより詳しく深く彩る前日譚やオルディネ王国高等学院騎士科時代の魔物討伐部隊員の話、魔導具科時代のダリヤの話等、本編のストーリーを更に楽しめるように集められた番外編でした。とても面白かったです。益々、7月から始まるTVアニメが楽しみです。

ネタバレ私は、あまり牛丼店には入らないのだけれど…　巻末の解説にあるように、牛丼とは特別な日のスペシャルメニューではないけれど、粗食で残念なメニューでもない。そんな牛丼チェーン店が舞台の本作品。アルバイトと店長、そしてお客の人生が交錯する。第2話は、視点がコロコロと変わり、これはいったい誰の視点？と戸惑う事もあったけれど、その環が閉じたときハッとしました。タイトル通り「普通」＝「並盛」なのだけれど、そこには人生の喜怒哀楽がしっかりと刻み込まれていて、感慨深いものがありました。

ネタバレ1988年の作品なので、古さは否めないが岡嶋先生の誘拐を扱った作品は、面白い。若手売り出し中の歌手「ちひろ」ちゃんがTV局のスタジオから予告通り誘拐された。誘拐事件のネックである身代金の受け渡しはどうなる？　芸能プロダクション、スポンサー会社、CMに起用していた広告会社それぞれの思惑が重なりあう。誘拐事件を利用しようとする人間模様が興味深かった。

ネタバレ主人公の渡部には最後まで感情移入することができませんでした。不倫相手の仲西秋葉の考え方も全く理解できませんでした。東野先生の作品なので期待値が高すぎたのかなぁ～？　ミステリー要素も低いと感じました。私の認識としては、自殺によるナイフの刺し傷（刺し方）と他殺によるものとの違いを警察が見誤るとは思えないのだけれど…　総じて私にはハマらなかった。

ネタバレ久しぶりにハードボイルド小説を読みたくなり、選んだのが新宿鮫。台湾の凄腕の殺し屋「毒猿」が、裏切り者の台湾マフィアの葉に復讐する為、新宿にやって来る。その「毒猿」を逮捕する為来日してきた台湾警察の郭。「毒猿」を守ろうとする奈美。『国の為でなく、自分の為に警察官になり、そして、これからもあり続ける』という鮫島の考えを理解した郭。「毒猿」とヤクザの新宿御苑台湾閣での衝突。期待通り大満足のハードボイルドでした。

ネタバレ歌野先生の短編11編　流石！歌野先生　どれも一捻り二捻りあり、ストーリーに引き込まれました。結末を読者に想像させる作品もあり、我が身に置き換え私ならどうする？と私自身に問いかけながら読みました。あぁ、人って何気ないちょっとしたことで、人生を壊してしまうのだなぁ～とつくづく思いました。11編の各主人公達もあの時、違う選択をしていたらハッピーエンドにさよならをしなくてよかったのに…

ネタバレ中山先生の作品は、どんでん返しもさることながら、登場人物の人間性を突き詰めるストーリーがあり、読み応えがある。 そして、いつも考えさせられる。特に、御子柴シリーズでは、裁くとは？法とは？正義とは？贖罪とは？　本作品では、御子柴が関東医療少年院入院時の担当教官が起こした殺人容疑の弁護をする。緊急避難の条項で無罪を勝ち取ろうとするが…　稲見教官の人としての生きざまに感動した。

ネタバレ亡き父が残した「喫茶PRIERE」を継いだ兄とパティシエの弟が持ち込まれる難事件を解決するミステリー。フィクションだから何でもアリなのは当然ですが、一般人を刑事や検事と偽らせる点。県警本部秘書室の巡査が殺人事件に介入する点。辞表を提出した警察官を休職扱いにする点等々。設定自体に無理があると感じました。好き嫌いが分かれる作品かなぁ～？トリック自体も何だかスッキリと受け入れることができませんでした。似鳥先生及びファンの方々ゴメンナサイ。私には、合いませんでした。ただ、スイーツの描写はとても美味しそうでした。

ネタバレ父の死去により学費を工面できなくなり、大学を休学中の芳光は、叔父が経営する古書店にアルバイトとして居候をしていた。亡き父の遺作を探して欲しいという可南子からの依頼を高額報酬目当てで請け負う。5篇のリドルストーリーを探す過程で故人の足跡を辿るうちにある事件に行き着き、故人の人生を明らかにすることになる。可南子から示されるリドルストーリーの結末が誤っていることに気づき、故人と可南子の秘められた過去を解き明かす。全ては、序章の「わたしの夢」にあった。米澤先生の独特のどんよりとした雰囲気が悲しい真実を物語る。

ネタバレシリーズ3作目。冒頭の主要登場人物の筆頭に連続殺人事件の犯人が明記されている倒叙ミステリーでした。もう一人の「彼」のミスリードは、なかなか面白かったです。ただ、殺人現場に残されたカードに書かれていた数字の意味には、ガッカリしました。なるほど、タイトル通りの『メビウス』でした。30年前の作品なので、当時とすれば驚愕の真相だったのだろうと思います。とても楽しめた読書でした。速水兄弟妹の新作出ないかなぁ～

ネタバレ巻頭に「作者からの注意」があり、容疑者が4名に絞られ、しかも、ストーリーが進むにつれ一人また一人と容疑者が死んでいく。こんな縛りのあるミステリー小説は、初めてでした。私は、我孫子先生の願い通り、百人に一人の終幕前に真相を見破ることができない読者になってしまいました。完敗でした。とても面白かったです。あらためて、タイトルが秀逸だと感心しました。

ネタバレ我孫子先生のデビュー作。8の字の形をした屋敷で発生したちょっと変わった密室殺人事件。主人公の速水警部補が部下の木下を引き連れ捜査する。しかし、速水が現場に居るにもかかわらず、第2の密室殺人事件が発生してしまう。謎解きには、海外ミステリーの注釈や「密室講義」の蘊蓄が冴え渡る。作中の「図1死体発見時」のカーテンの隙間から第1の殺人事件のトリックは想像できてしまったが、第2の殺人事件のトリックは、全く分からなかった。また、災難続きの木下とのやり取りや速水兄弟（妹）の軽妙な会話は、ユーモアに溢れていて良かった。