その人がどういう人なのかは、見る人によって違う。成瀬も、ある人が見ればぶっきらぼうで取っ付きにくいけど、見る人が見れば全然そんなことない。他人の評価なんて、当てにならないよね。成瀬の良いところを見てくれる人達の話の集まりだから、成瀬はめっちゃ魅力的。そうじゃない人達が見た短編集も見たいと思うけど、それはつまんないかな。続編も読むの決定。本とか読むの、大変だしなーという人に、かなりおすすめ。長そうに見えて、思ったよりすぐ読めちゃう。

タイトル買いした通りの本で、良かった！おバカな(褒め言葉)冗談が随所にはさまるのに好き嫌いはあるんだろうけど、これが嫌いな人は論文を読めば良いのだ。笑って読み進めているうちに、知らずに学びが増えている。個人的には「カタツムリスティックワンダーランド」の話がいちばん好き。

原田マハさんの絵画ミステリーにはハズレがない。ルソーの絵って、プリミティブなところがあって、それで長らく評価されなかったんだろうけど、エチオピア絵画のティンガティンガみたいで好き。 ただ、物語のところどころ挟まってくる、別の物語がまたプリミティブで、これが挟まることで話に入り込みづらくなるので、こっちのプリミティブは不要なんじゃないかと思ったりもして…。リボルバーなどの近作を読むと、原田さんはどんどん進化して洗練されていってるんだなと再確認させられます。

この世界には「そうするしかなかった」人がいて、そういう人たちの物語。それぞれ、違う生い立ちや境遇だけど、それぞれ生きづらい中を生きている。長いんだけど、無駄な部分は1ページもなくて、それでいて読みづらいわけでもないのは、リアルな感じがすごいからかもしれない。「最初からずっと死んでる」っていうのは、なんか分かる。でもそれも、割と心地いいんだと思う。

その人がどういう人なのかは、見る人によって違う。成瀬も、ある人が見ればぶっきらぼうで取っ付きにくいけど、見る人が見れば全然そんなことない。他人の評価なんて、当てにならないよね。成瀬の良いところを見てくれる人達の話の集まりだから、成瀬はめっちゃ魅力的。そうじゃない人達が見た短編集も見たいと思うけど、それはつまんないかな。続編も読むの決定。本とか読むの、大変だしなーという人に、かなりおすすめ。長そうに見えて、思ったよりすぐ読めちゃう。

静かなテンポの中に「ずっと読んでいたい」と思わせてくれる本。「数字、意外と好きかも」と勘違いさせてくれる。これまで「数学なんて何の役に立つの？｣と思って生きてきたけれど、「役に立つことだけが人生で大事なんですか？」と問いかけられた感じ。いやほんと、その通りです。少なくとも、この本を読むために役立ちました。ほんの一時期だけまともに数学を勉強した自分に感謝。