人は無意識のうちに勧善懲悪や因果応報などを求めていないか？でもそれは甘えではないか？コツコツと目立つことなく努力を重ねる人たちがそれを幸せだと感じて一生を終える。マッカーシーの厳しさは、そういった人々が有無を言わせぬ暴力で踏み躙られることがあることだ。そこには勧善懲悪も因果応報も微塵もない。こんなことがあってはならないと思うのに、でもそれが何故こうも魅力的なのか。涙など誘わない、徹底してドライな感動だけれど、彼の小説は僕の胸を強く掴み、激しく抉ってくる。全人未到の作家のひとり。8/10

人は無意識のうちに勧善懲悪や因果応報などを求めていないか？でもそれは甘えではないか？コツコツと目立つことなく努力を重ねる人たちがそれを幸せだと感じて一生を終える。マッカーシーの厳しさは、そういった人々が有無を言わせぬ暴力で踏み躙られることがあることだ。そこには勧善懲悪も因果応報も微塵もない。こんなことがあってはならないと思うのに、でもそれが何故こうも魅力的なのか。涙など誘わない、徹底してドライな感動だけれど、彼の小説は僕の胸を強く掴み、激しく抉ってくる。全人未到の作家のひとり。8/10

人肉食が合法化された近未来ディストピアホラーSF。食用の人は<頭>と呼ばれ、家畜のそれと同じように流れ作業で淡々と処理され、食材として提供される。この辺りの描写が相当にエグいので一部の人は覚悟の上で読んだほうがいいかも。なるほどどうせそんなるんでしょ？と舐めた展開を予想をしていたら、最後の最後で脳天に一発喰らってしまって痺れた。翻訳とは思えないほどの読みやすさで、その辺りは訳者解説にもあったけれど、翻訳の宮崎氏の訳業にも賛辞を送りたい。7/10