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2025年1月の読書メーターまとめ

水蛇
読んだ本
12
読んだページ
3034ページ
感想・レビュー
12
ナイス
106ナイス

2025年1月に読んだ本
12

2025年1月のお気に入られ登録
2

  • テル35
  • Masaya F

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

水蛇
ネタバレミステリーに疎いわたしでもものたりなく感じたのは、それだけこれ以降の作品の雛型になったということなんだろうね。あとこれもわたしがミステリーに不慣れなせいかもしれないけど、残虐な殺人が起きてるのに律儀に食事をとるみんなが異形すぎて物語に没頭できない。牛タンは見たくないって言うけどそもそもなんで食欲あるの…?さらにまあまあある「その計画そんなに盤石かな?」って思う部分(とくにヴェラの自殺)がすべて思惑通りに運んじゃうのも雑な印象が残る。でもミステリー教養課程の1年生として、記念碑の重みはしっかり感じた。
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
12

水蛇
むかし読んだ小田島さんや福田さんに比べて現代的にアップデートされつつ、王族の威厳や傲岸不遜も適度に残しててバランスがいい。個人的にはもっと重くてもいいなと思うけどそれも好みの範疇かな。時代を考慮すればしかたないからジャッジはしないけどミソジニーの煮こごりで今回も疲れた。聖女でなければ売女としてしか存在できず、それ以外の女性(リア王や家臣たちの妻)は元ネタから消されて影も見えない。今回はジェンダー論のおすすめ本を選ぶための読みなおしだったから、次はその点をむかしから指摘してた松岡和子さんの訳で読まなくちゃ。
が「ナイス!」と言っています。
水蛇
ネタバレミステリーに疎いわたしでもものたりなく感じたのは、それだけこれ以降の作品の雛型になったということなんだろうね。あとこれもわたしがミステリーに不慣れなせいかもしれないけど、残虐な殺人が起きてるのに律儀に食事をとるみんなが異形すぎて物語に没頭できない。牛タンは見たくないって言うけどそもそもなんで食欲あるの…?さらにまあまあある「その計画そんなに盤石かな?」って思う部分(とくにヴェラの自殺)がすべて思惑通りに運んじゃうのも雑な印象が残る。でもミステリー教養課程の1年生として、記念碑の重みはしっかり感じた。
が「ナイス!」と言っています。
水蛇
audibleに適した本を模索中。20代から10年ちかくを過ごしてるパートナーとは政治信条がわりと対照的で、その話題になると議論が尽きない。いままでのところそれも尊重しあって愛しあえてるもののいつかそうできなくなる日がこないとも限らないなあと思って読んでみたんだけど、目新しさはぜんぜんなかった。内容は薄いかも。でも、ちがってて当然の他者どうしが惹かれあって歩みよりながらいっしょに生きること自体はすごく美しくて有機的だとあらためてわかる。集団としても個人としても。
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水蛇
ネタバレふだんミステリーはほとんど読まないから挑戦のつもりで。殺人や刑事事件こそ起こらないけど、ビタースウィートな余韻を残す人間的なミステリーだった。ジョーンが禍々しいのはその所業もだけど、わたしもそうなってしまう(すでになってる)可能性があるから。それとロドニーをどう思うかでかなり印象が変わりそう。自分の人生の簒奪者である彼女を愛でも尊敬でもない憐憫という曖昧なぬるま湯で保護してお互いの人生をやりすごそうとするロドニーも手遅れになった人特有のものがなしい怖さがあって…。
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水蛇
基本的に自然詠の歌人である母へ。釈迦に説法かなとも思ったけど、最近の短歌ブームでとくに若い歌人が増えたことを喜んでる母にはそれなりに新鮮味もあって楽しんでくれたみたい。共通点は「月」のみなのでかなりムラがあるけど、わたしはこの裾野の広さが好き。名作だけが心を掴んでいくとは限らないことが人生の、アートの美しさであり優しさだと思う。個人的にはいっしょに買った同シリーズの「雪のうた」のほうが好きなものが多かった。そちらは読書メータに未登録みたいだけど。
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水蛇
クレーのひたむきな絵だけじゃなくて、市民としての日記、評伝、再現レシピまで楽しめる一冊。日本クレー協会の編著だけあってこういう本のなかではかなりしっかり読ませる内容。戦争のなかキャンバスに向かい、手紙を書き、音楽を愛し、自分の手で食事をととのえるクレー。わたしも手紙を書いたり絵を描いたりお料理やベイキングをしたりするのが好きなんだけど、たぶん生活を自分の手で構築してる実感が心地いいんだと思う。勝手な想像がゆるされるならクレーもきっとそうだったんじゃないかと思える暮らしぶりがせつなくて頼もしくてかわいい。
水蛇
2025/01/18 15:07

「冬の気配というものは、いつも何か精神的な感じがする。ひとは自分という建物の一番奥に籠もり、そこにあるわずかな炎のそばに身を置く。最後の埋み火、永遠の炎のひとひら。そのほんの麦粒ほどで、ひとは生きられる」

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水蛇
キラキラした不敵な目が我が家のねこに似てて素通りできなかった。かわいい。一見するとワイルドな線はちょっとさみしそうな繊細さもあって、いろんな動物たちのはしゃぐ動きを魅力的にとらえてる。その名まえにこの世の愛しいもの胸おどるものすべてをつめこんだゆきちゃん。うちのねこはゆきちゃんじゃないけど読み聞かせてみた。ひとにも贈りたくなる絵本。
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水蛇
三好達治の訳すアナトール・フランス、品のある愛らしい文章が冴えわたっててどこまでもすがすがしい。きゅんきゅんする。ちょこちょこお説教くさいのは鬱陶しいけど、それもあのころ作ったお花の冠やあのころこわかった夕闇に霞んでしまう。ドライブのあとは親にだっこして運んでほしくていつも寝たふりしてたのを思いだした。バレてたらしいけど。バレてるなんて夢にも思わなかった少女のころの世界の大きさ。 赤ずきんちゃんにしっかり注釈がついてて当時はまだ日本では知られてない童話だったらしいこととかわかるのも好き。
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水蛇
みぞおちに鉛をつめこまれるようなサーガというかファミリースケルトン。「統合失調症の一族」を読んでるときの感覚だった。ギルモア家でも幽霊を信じるかどうかでとらえかたが分かれてるけど、ベースは深刻な愛着障害(の連鎖)だと思う。そこに抑圧的なモルモン教の歴史が加わって嘘と暴力と欺瞞と渇望が蟻地獄のような世界を生みだしていく。そこまでいくともうそれに気づいた個人の力なんてかるく超えていて、たしかに呪いや亡霊としかいえなくなってる。被害者やギルモア家の全員に涙を流したけど、とくにフランクの運命には茫然となった…
水蛇
2025/01/14 09:31

ただ力作だけにできたらほかの訳で読みたかった。村上春樹の訳はどれも彼個人の色が出すぎててわたしは信頼できない。たまに原文のスタイルと合うケースもあるけどそれは彼から寄せた結果とはいいがたいし。語尾の「〜さ」、「いささか」、「または」「もしかして」の両方で「あるいは」を多用する(同ページ内で複数回出てくるのも珍しくない)のも完全に彼の個人的な語彙だった。「ハンドジョブ」とカタカナにして注をつけたり、「瞬間」でちゃんと意味の通る箇所で何度も「モーメント」にしてるのも自身の美意識の問題だとしたら不誠実だと思う。

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水蛇
日本史も世界史も好きなのに弱いから、大好きなアートにからめてのんびり学びなおし中。今回のアートはパティスリー。ジュニア文庫らしい優しく語りかける文体と、研究者としての強みをうちだした硬派な内容。お菓子に言及してる部分を除くと意外と遊びは少ないけどとってもおもしろい。覇権争いをくりかえしてきた血みどろの歴史のいろんな必然から生まれたちいさな宝石のようなお菓子たちはまるで時代の華。このシリーズの他のも読みたいな。ただナチュラルに周辺国を煽るのフランスすぎて笑っちゃった。わたしはザッハトルテも大好きだよ。
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水蛇
タイトルを見た瞬間に買うと決めて、レジに歩きながら帯を読んで短編集なんだとわかった。数ページの長さのものが多くてすぐ読めるけど、ひとつひとつが桃の産毛みたいにささやかでチリチリした実感を持ってる。思いがけない相手にすごく重要な慎重な心をうちあけられたような気持ち。少女時代、大人の生活、戦時中と3つの時代にわけられた物語のすべてが胸が痛くなるほど傷つきやすい顔をしてるのに、人間的なたくましさを忍ばせてて何度も重いため息が出た。どれだけのものを潜りぬけたらひとはこの境地になれるんだろう。
水蛇
2025/01/03 22:04

少女のころ見てた漠然とした世界と反抗心がしみわたる「雌牛事件」「さくらんぼ」、有機的な愛の交感って感じの「フォン・ガイエン氏の夜の出逢い」「とりわけ奇妙な愛の物語」がとくに好き。第3章は正直もうどれもすばらしいけど、「変身」から「もろびと声あげ」で締める構成まで完璧だった。

kero385
2025/01/11 14:40

水蛇様はじめまして、いつも感想にいいねいただきありがとうございます。この本とてもよかったです。また水蛇様の感想の文章素晴らしすぎです。私は、「国家の反逆者」と「間借り人たちのクリスマス」が特に心に残りました。素晴らしい作家、素晴らしい本をご紹介いただきありがとうございました。

が「ナイス!」と言っています。
水蛇
メリキャット(この響きだけで魅力ありすぎる)の淡々としながら破綻した語りに、ちゃんと精神を病んだ人特有のひたむきさがあってじっとりこわい。さすがシャーリィ・ジャクスン。それと同時に子どものころ夢みた生活のほのぐらいきらめきもある。子どもだけの気ままでちょっと不安な生活っていいよね。好き嫌いしまくって夜ふかししまくってこわい夢をみたら子ども同士で慰めあって暮らしてみたい、さみしいけどがんばろう、とかのいいとこどりな憧れがよみがえった。おかしな永遠がある。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2024/03/10(345日経過)
記録初日
2017/02/01(2939日経過)
読んだ本
133冊(1日平均0.05冊)
読んだページ
34877ページ(1日平均11ページ)
感想・レビュー
132件(投稿率99.2%)
本棚
1棚
自己紹介

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