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2025年1月の読書メーターまとめ

むすび
読んだ本
6
読んだページ
1797ページ
感想・レビュー
6
ナイス
7ナイス

2025年1月に読んだ本
6

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

むすび
単行本で読んだ。電子書籍は手軽に頁を行ったり来たりできないのが惜しい。こういう本には特に向いてない気がする。 訳者の言う「畸人以外の人」として読んでとても楽しめた。ギリシア詩はまったくわからず、ギリシア神話という大枠への興味で手をつけたところ、神々への讃歌という形式ゆえか神話の語り手が意識される点が新鮮で面白かった。『イーリアス』『オデュッセイア』も語り手ありきではあるのだけど、とても長いし、現在進行形であるかのような臨場感がある(挿話は近い過去)。こちらで語るのは常に過去(挿話は大過去)のような。
むすび
2025/01/02 11:09

「われら伶人は御身を歌うことから始め……そも御身を忘れては聖なる歌を想い起こすことは叶わぬ」がディオニュソスに捧げられていると、素面では歌えないと言っているみたいでちょっと可笑しい。定型句のようなものなんだろうけど。

が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
6

むすび
近世以降の流れが速くて大陸の世界史を思い出すのに必死。特にナポレオン戦争のあたり、ダイジェストだとどうしてそうなった感がますます強い。そしてロシア帝国が南下にこだわった理由が腑に落ちた。海軍は整備され、有能な指揮官もいる(陸軍にも)。それでも進出しきれないあたり、地中海を取り巻く各国間の睨みあいがあまりにも複雑。こうやって地中海に入り込む国は増えて拡大する一方で、ナショナリズムの発生や戦争の大規模化、別の経済圏の発展で地中海自体は細分化され縮小していく。もう最も豊かだった頃には戻らないんだろうな。
むすび
ギリシャ神話を読んでいて、あのあたりの地理がわかってないことに思い至って手を出してみた。島嶼部の位置や、地中海一帯の大陸への食い込みぶりにびっくり。キプロスもエジプトも思ってたより東だな? 人間にとっては広大でありながら、漕ぎ出せば向こう岸があると大昔から知られていた海の往来、人と物の移動が生み出す影響が面白い。より儲けられるものをより多く生産する方向に流れていって飢饉の被害が大きくなるという現象が印象的。なるほど経済圏。 注や索引は全部下巻行き。分冊しなくてもよかったんじゃ?
むすび
トロイア戦争はギリシア文学にしか登場しないという事実に居住まいを正す。文学として楽しんでいるけど、それはそれで歴史・考古学のアプローチが興味深く楽しめた。動かぬ物的証拠が無い限り決着はつかない仮説に焦らされつつ、謎が謎を呼ぶ展開自体が浪漫でもあるなと思う。研究者はしんどそうだけど。オックスフォード大学出版局による学術入門叢書の一冊ということで、素人の私にもとっつきやすい。著者の『B.C.1177』も気になる。 シュリーマンの所業に引いた。目的の物ではないと見なした発掘品を破棄したというのが何よりもダメ。
むすび
2025/01/11 10:55

エペイオスは『イーリアス』でパトロクロスの葬送競技に参加しているから、木馬の考案によってしか名前を知られていないというのは誤りかも? 同名の別人とする根拠はなさそう。

むすび
全編を貫く主題たる怒りを収めてなお「鉄のような」心を貫くアキレウスの英雄たる格好良さ。これが『オデュッセイア』ではもやもやとした影のような姿で、死者の間で王となるよりは……なんて言うことになるのか。 面白いがやはり読みにくさはある。「プリアモスの子」に振られた補足のルビで人違いが起きていたり、あろうことかパトロクロスとヘクトールを取り違えていたりする。編集がんばれ。 論文「ホメーロスの視覚性」も楽しめた。英雄の独立的個性、無背景は口承文学あるあるかと思うけど、時代の過渡期という考察が興味深い。
むすび
2025/01/11 10:04

とはいえ引用文からすると著者の述べる「無背景」は行き過ぎのような気もする。

むすび
フォントが小さく、色の濃さがところによって違っていて読みにくい。これがスキャンか……。誤植がそこそこあるけど、このスタイルだと手軽に訂正できないんだろうな。(サルペードーンを助けたくて悩むゼウスにヘーレーが言い放つ「なせいませ」が面白かった) 散文訳でもかなり原形を意識しているようで、それゆえか日本語として整っているとは言いづらい。複文の従属的な要素が倒置の形で続けられるのが特に。時々本文の一行分に収まりきらず下部ではみ出しているし、だいぶ無理をしている。 註の読解は楽しめた。登場人物評的なところも。
むすび
単行本で読んだ。電子書籍は手軽に頁を行ったり来たりできないのが惜しい。こういう本には特に向いてない気がする。 訳者の言う「畸人以外の人」として読んでとても楽しめた。ギリシア詩はまったくわからず、ギリシア神話という大枠への興味で手をつけたところ、神々への讃歌という形式ゆえか神話の語り手が意識される点が新鮮で面白かった。『イーリアス』『オデュッセイア』も語り手ありきではあるのだけど、とても長いし、現在進行形であるかのような臨場感がある(挿話は近い過去)。こちらで語るのは常に過去(挿話は大過去)のような。
むすび
2025/01/02 11:09

「われら伶人は御身を歌うことから始め……そも御身を忘れては聖なる歌を想い起こすことは叶わぬ」がディオニュソスに捧げられていると、素面では歌えないと言っているみたいでちょっと可笑しい。定型句のようなものなんだろうけど。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2024/05/03(290日経過)
記録初日
2024/05/03(290日経過)
読んだ本
52冊(1日平均0.18冊)
読んだページ
15957ページ(1日平均55ページ)
感想・レビュー
52件(投稿率100.0%)
本棚
14棚
自己紹介

読んだ本の思い出に。
中身と同じくらい、本という「もの」が好き。素敵な装丁であればなお好き。

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