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2024年6月の読書メーターまとめ

むすび
読んだ本
5
読んだページ
1224ページ
感想・レビュー
5
ナイス
12ナイス

2024年6月に読んだ本
5

2024年6月のお気に入られ登録
1

  • kyorakudo

2024年6月にナイスが最も多かった感想・レビュー

むすび
ネタバレ直前に読んだ本からの羽繋がり。はじめ「羽あるもの」を字面の通りにとらえて鳥や虫が存在しない世界観かと思ったけど、どうやらそうではない。ならば魂の喩え、と思えば「羽ある者」の意味でもあった。肩胛骨は翼のなごり。「昇天」という、仏教よりキリスト教のイメージが強い言葉には少々戸惑ったけど、これでなければならないわけだ。 ヒトの成長を遡る川、野狐の来し方とどこかSF的な仕掛けも忍ばせた、作中の「わたくし」またはその母の夜伽そのもののような奇譚がしみじみと面白い。「虹喰い」が特に美しかった。「二巻」が楽しみ。
が「ナイス!」と言っています。

2024年6月の感想・レビュー一覧
5

むすび
ネタバレ福之助を追って旅芝居の一座に加わったゆうのその後。時代の波と世間の罠に苦しみつつも、ゆうの態度が『恋紅』の頃よりもなよやかさを増したようで、読んでいて不安が募った。どこか苛烈な少女性が薄れたような。福之助の死がなければ物語として先の展開はなかったのかもしれない。それでも人のいいのは相変わらずで、娘を預けたところで目を覆いたくなってしまった。その始末に父親を頼れるあたり、『小公女』に覚えるのに似たしょっぱさを感じないでもない。時代を考えれば「良い父親」ではあるのだと思う。 金太郎との再会の場面がとても粋。
むすび
最初の小題でいきなり廓が燃えていて驚いた。江戸の時代に火事はおおごとと思いきや、慣れっことばかりに仮の住まいで営業を続ける逞しさ。でもそうして守る暮らしの陰惨さ。汚いものを真っ向から、小綺麗にすることなく活写する著者の筆力が整えた舞台で、廓の主の娘として生まれたことに苦悩し、芝居という「嘘」に慰めを得るゆうが自らの人生を選び取っていく姿がとても劇的。平家の琵琶に始まり、海の上の三味線で終わるのがとても示唆的でもある。 澤村田之助の存在感もまたよかった。『花闇』も読まねば。
が「ナイス!」と言っています。
むすび
ネタバレ直前に読んだ本からの羽繋がり。はじめ「羽あるもの」を字面の通りにとらえて鳥や虫が存在しない世界観かと思ったけど、どうやらそうではない。ならば魂の喩え、と思えば「羽ある者」の意味でもあった。肩胛骨は翼のなごり。「昇天」という、仏教よりキリスト教のイメージが強い言葉には少々戸惑ったけど、これでなければならないわけだ。 ヒトの成長を遡る川、野狐の来し方とどこかSF的な仕掛けも忍ばせた、作中の「わたくし」またはその母の夜伽そのもののような奇譚がしみじみと面白い。「虹喰い」が特に美しかった。「二巻」が楽しみ。
が「ナイス!」と言っています。
むすび
薔薇の花弁の縁か薄い肉の向こうに透ける骨のような佇まい。少し縦長の版型で、歌のための短冊みたい。そして人形の肖像。惚れ惚れ。 鳥になぞらえた魂と、その籠の肉と骨のイメージが冴える。柔らかく固い質量を伴う体が、夢や想像力、眠りの淵で限りなく薄く軽くなり、ついには消滅する。そこで叶う飛翔の自由が快い。逆にそうしないと飛べないのかというと、「わたしのからだは」の変奏の最後に希望を見たと思った。いずれ体を纏ったままで飛べるようになる。そうあるべきなのだ。 帯にある文がとても気になる。2024年冬、騒乱想起、とは?
が「ナイス!」と言っています。
むすび
たくさんのフリル、レース、リボン、お花の中に埋もれて一枚の絵画、物語、世界にならんという本気の美意識に感服。幼い頃は手が届かず、大人になって自らそれを選んだ経緯の中に、狂おしいほどの愛と覚悟が語られている。たしかに非日常性というか、別世界感が強い。そう感じられるのは何もアジアの端っこだからでもないようなのがまた幸運らしい。Tolkien 2019の別世界感、ちょっと見てみたいかも。 ロリィタを愛する人自身の描写でロリィタを垣間見できて楽しかった。装丁もロマンティックで愛くるしい。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2024/05/03(60日経過)
記録初日
2024/05/03(60日経過)
読んだ本
16冊(1日平均0.27冊)
読んだページ
5208ページ(1日平均86ページ)
感想・レビュー
16件(投稿率100.0%)
本棚
10棚
自己紹介

読んだ本の思い出に。
中身と同じくらい、本という「もの」が好き。素敵な装丁であればなお好き。

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