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2024年10月の読書メーターまとめ

Regard-des-Vents
読んだ本
4
読んだページ
1051ページ
感想・レビュー
4
ナイス
7ナイス

2024年10月に読んだ本
4

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Regard-des-Vents
 日本中世史は面白いという実感を味わえる一冊。近年の研究動向も踏まえながら専門家でなくても楽しめる工夫が随所に凝らされているように思う。その一方、中世史を全く知らない人よりは、ある程度この辺りの領域に元々興味を持っている人の方が面白く読めるだろう。承久の乱をテーマに扱っているので、本題に直接影響のない人物やエピソードに触れられていはいないものの、なぜ乱に至ったのか臨場感のある構成や筆致が冴えている。本書の主題ではないものの、和歌の扱いが少々疎略な印象を受けた。後鳥羽院の本質的な人物像にもっと迫ってほしい。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
4

Regard-des-Vents
 世紀末が迫るフランスで書かれた小説。おおよそ『ヴィーナス氏』のタイトルからして内容は予想がつくものの、なかなか退廃的な小説だった。さほど複雑ではない筋なのに話が錯綜している印象を受ける。やや拙さや荒削りな文体ではあるものの、読んでみて記憶には残る本だと思う。トーマス・マンのヴェネツィアや、ラクロ『危険な関係』を彷彿とさせる。終盤に繰り広げられる決闘のシーンから考えても、どうやら後者の影響はありそうだ。ラシルド作品を読んだのは初めてだが、20歳くらいの頃に書かれたらしい本作の他に面白いものはあるだろうか。
が「ナイス!」と言っています。
Regard-des-Vents
 日本中世史は面白いという実感を味わえる一冊。近年の研究動向も踏まえながら専門家でなくても楽しめる工夫が随所に凝らされているように思う。その一方、中世史を全く知らない人よりは、ある程度この辺りの領域に元々興味を持っている人の方が面白く読めるだろう。承久の乱をテーマに扱っているので、本題に直接影響のない人物やエピソードに触れられていはいないものの、なぜ乱に至ったのか臨場感のある構成や筆致が冴えている。本書の主題ではないものの、和歌の扱いが少々疎略な印象を受けた。後鳥羽院の本質的な人物像にもっと迫ってほしい。
が「ナイス!」と言っています。
Regard-des-Vents
 月岡芳年の浮世絵に描かれた平維茂と鬼女紅葉に心惹かれて取り寄せた一冊。戸隠に行ってみたいと思わせる。能楽「紅葉狩」も観てみたいが、調べてみたら今年はチケット売り切れ。やはり人気の演目だそうな。私も歴史や伝説の謎を秘めた土地を歩いて自分なりの真実を見いだす愉しみを知っている。例えば鎌倉もずいぶん通って様々な奥深さに迫ったものだ。最近は行けてなくて寂しい。本書は筆者の日常と異界を結ぶような書きぶり、その趣向は面白いが、ちょっと通俗的な下りが多いようにも感じた。もう少し物語世界に浸れるような試みが欲しかった。
が「ナイス!」と言っています。
Regard-des-Vents
 モンテ・クリスト伯や三銃士で知られるデュマの若き頃に書かれたゴシック小説。アン・ラドクリフ『ユードルフォの秘密』などと併せて読みたくなる。読み手の興味を昂らせるイントロ、可憐な幸薄いヒロイン、古城の窓から差す月の光に照らされる儚げな幽霊、いかにもロマンチックな趣向、台詞回しは大袈裟で、ありきたりといえばそれまでだが、それが実にぐいぐい引き込まれる。結末を描く場面の迫力も凄いが、あっけない感じもして、ちょっと物足りない。だからまた他の作品も読みたくなるが、地理的な奥行きや物語の広がり具合が惜しいところか。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2024/05/06(192日経過)
記録初日
2024/05/06(192日経過)
読んだ本
30冊(1日平均0.16冊)
読んだページ
8020ページ(1日平均41ページ)
感想・レビュー
30件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
自己紹介

和書と洋書を併読しています。象徴や中世に関する本が好きです。

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