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2025年1月の読書メーターまとめ

Kemumu
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感想・レビュー
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172ナイス

2025年1月に読んだ本
13

2025年1月のお気に入り登録
3

  • 白井
  • ぶぶ
  • kinkin

2025年1月のお気に入られ登録
2

  • 白井
  • kinkin

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Kemumu
癒しを通り越して話の中に籠りたくなる。統治者がいなくて不思議な水脈であらゆるもの繋がっているような世界観に惹きつけられるのは何故だろう。降雨量とアニミズムの親和性に意識がいった。再読するなら、日のあたる縁側に座って握り飯、里芋の味噌汁、秋茄子の田楽味噌でも食べながら読みたい。つまみにサワガニ揚げも良さそう。そんなの提供してくれる旅館ないだろうか。
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
13

Kemumu
ネタバレモノの背後にある物語が一つ一つ消えてゆく「病」にかかった街で、秘密警察は病にかからない異常者を次々と捕まえていく。正常者の私は、いずれ「私」も消えるのではないかという不吉な予感を感じながら、異常者のR氏を隠れ家に匿う。殺伐とした話にも関わらず、筆者の柔らかい筆致が印象深い。特に秘密警察から逃げる家族4人が互いに体のどこかを触れ合いながらただずむ姿が、どうにも忘れ難かった。イシグロの「私を離さないで」と合わせて読んでも面白そう。肌の触れ合いの描き方やR氏の必死な問いかけには筆者らしさを感じた。
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Kemumu
一歳半。ナンセンス絵本という紹介文の通り、現実とも残酷とも言える展開。全然ウケないかと思ったら、娘はライオンが暗転して再び現れるところで大ウケし、もう一回リクエスト。絵本というか紙芝居をしてる気分になった。レビューを見ると子供が怖がることはなさそうなので、話の内容が理解できるようになったらまた図書館で借りてみたい。
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Kemumu
小うるさい火星人が大量に現れて失業するSF作家の話。彼の国は失業ネタ好きだし、SF作家の鉄板ジョーク?から着想したのではと思ってしまう。ヒューゴ賞などのスピーチで受賞者はどんなジョークを言ってるのだろう。ともかく本作はブラックユーモアと言葉遊びが面白い。アイロニーよりブラックユーモアという感じがするのは軽快なディスり感だろうか。火星人を追い返すのは、イカれたSF作家か、人間性の進歩か、それともテクノロジーか、はたまた。作者の個性が光るあとがきまで楽しめる仕上がり。作者の他の小説を読んでみたくなった。
Kemumu
2025/01/28 12:15

ヒューゴ賞の指折りのスピーチとして2018年のNKジェミシンの動画があった。SF作家のスピーチを見る機会がないので新鮮。風刺の効いた社会派スピーチで、スマホ見ながらスピーチする演出も面白い。受賞作は差別もテーマとしているSF作品のようだ。また読んでみたい本が増えた。https://m.youtube.com/watch?v=8lFybhRxoVM

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Kemumu
ネタバレ主人公モグラは、ドンキホーテのように不恰好で生真面目、来たる核戦争を船員を集めて方舟/シェルターで生き延びようとする。仲間や彼女が欲しいわけではなく単に善意。モグラはこの善意がファシスト集団のグロテスクなモラルの介在しない選民思想と同じ帰結、誰を処刑し誰を生かすべきかを決めていることに気付く。自己完結した孤独な殻から旅に出て、理想の崩壊を経験したモグラ。歪んで見えていた世界が透明になり、「生き生きと死んだ」世界が広がる。
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Kemumu
筒井康隆、安倍公房と比較した「世界の終わり」の評論が興味深かった。「世界」では影と僕との分裂が描かれる。正しさ-支配を志向する影に対して、僕は分裂状態のまま生きることを選択する。それが時代の空気だから。筆者はこの時代に立つ選択は、筒井が人間性の生真面目な硬直を指摘した反核表明批判の立場に近いとする。絶対的に正しい立場から降りてきてから会話しませんかと言うスタンスだ。安倍の「方船さくら丸」との対比は難解で良くわからず。国家との関わりの中で、この現代の分裂病-自立する人間性が行く着く先を描いているようだ。
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Kemumu
癒しを通り越して話の中に籠りたくなる。統治者がいなくて不思議な水脈であらゆるもの繋がっているような世界観に惹きつけられるのは何故だろう。降雨量とアニミズムの親和性に意識がいった。再読するなら、日のあたる縁側に座って握り飯、里芋の味噌汁、秋茄子の田楽味噌でも食べながら読みたい。つまみにサワガニ揚げも良さそう。そんなの提供してくれる旅館ないだろうか。
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Kemumu
6年-14年にFRB議長を務め量的緩和を主導したバーナンキ氏の学生向け講義。同氏は経済全体に影響を及ぼす金融政策を鈍器と表現し、住宅バブルなどはレーザー的な個別施策で解決すべき。金融政策と住宅バブルの相関性は低いとする。訳者はこの点をFRB議長としての責任逃れ、相関性があると批判する。少なくとも低インフレでも、上昇期待が過信に変わるリスクは消えないようだ。とはいえ暴落に怯えるのも経済に悪影響。金融緩和の出口戦略は難解だ。中央銀行が経済を制御可能であると皆信じるまでに市場と会話することが重要と理解した。
Kemumu
2025/01/15 23:35

金本位制の終焉があっさりしたものだったに驚いた。1931年にポンドの信用不安で取り付け騒ぎが起き、銀行からお金が消えた結果、イギリスは金本位制から離脱した。風呂に入っていた大蔵省の役人がこの話を聞いて、金本位制を廃止できるとは知らなかった、と言ったという話があるようだ。

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Kemumu
伊藤忠商事出身の経済研究家。バブル発生の遠因はレーガノミクス、財政拡大と金融引き締めのポリシーミックスによる失敗。米国は高金利とドル高に苦しみ、プラザ合意に至る。日本は押し付けられた内需拡大/輸入拡大の錦の旗が降ろせず、利上げが遅れたとする。印象に残ったのは、日本のバブル潰しの失敗をFRBやECBがよく研究していること。この経験からリーマン危機を量的緩和で乗り切った。何だか真珠湾とミッドウェーみたいな話だ。筆者の提言は経済を担うのは所詮ヒト。教育人材強化への重点配分。
Kemumu
2025/01/14 20:34

米国は危機時の金融機関救済が安定に不可欠と理解していたのに、何故リーマンだけ救済せずに潰したのか。筆者曰く競合ゴールドマン出身の財務長官のリーマンへの個人的な恨み、選挙前で銀行救済は国民ウケしないから。日本も米国も同じで、本当にヒトだなと。

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Kemumu
筆者の本を読むのは2冊目。語っていることが変わっていないのは好印象。バブル期90年頃のインフレ率がわずか1-3%だったのは知らなかった。筆者によれば、過剰な不動産投資を是正する総量規制だけでよく、利上げは余計だった。今のようにインフレ目標2%があれば金融政策の間違いを避けられた、という。バブル崩壊のトラウマもあり20年以上もデフレが続いたことを考えれば説得力がある。この辺りの財務省、日銀の公式見解は何なのだろう。
Kemumu
2025/01/11 21:32

インフレ目標2%の根拠は失業率とのバランス。2%以上になっても失業率の改善効果は低いようだ。適温インフレのメリットは理解できたが、現状の最善の選択肢と言えまでに確かなのだろうか。

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Kemumu
12年初版。金融危機を起こしたギリシアは政府債務、対外資産、経済収支ともにマイナス。ユーロ内での実質為替差から、特に対ドイツで競争力を失ったことが主要因。米国もギリシア同様に3点マイナスであるが、金融危機は起きていない。何故か。突き詰めれば、投資家が安全な投資先と考えるから。最悪ドル紙幣を刷ればいい、対外債務(国債)の支払利息を上回る高利率の直接投資で稼ぐ力がある等が、米国への投資心理を支える。筆者は資源のない/外貨を稼がないといけない日本経済の目指す姿は、直接投資で海外で雇用を作り稼ぐこととしている。
Kemumu
2025/01/10 17:54

2011年の対外直接投資残高は約70兆円で対外資産の約10%。最近の統計では、22年で200兆円で約50%。悪くなさそうだ。本書で印象に残ったのは、マクロ経済の経済最適化の視点では、収支プラスなら良いわけではないこと。日本がプラスなら誰かがマイナス、ババ抜き状態である。

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Kemumu
17年初版と少し古いが、リフレ派の財政の見方が極力難しい言葉を避けて説明されている。国債発行額でなく国のバランスシートから見れば、財政危機からは程遠く国債発行は足りないくらいだという。根拠は金利が低くても国債の買い手がいること、金融のコメである国債の流通性や魅力があることなど。確からしさの判断は置いといて、財務省が財政危機を煽っているというストーリーが分かりやすくSNSと相性が良さそうな印象。
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Kemumu
緊縮派の見方になるのだろう。日本国全体の投資貯蓄バランスから家計企業の蓄えがあり財政破綻は起きないとしている。一方、借金が多くて異常な状態として、国債乱発する政治家を野放しにする国民の意識低いという論調に見えてしまう。お説教感も国民ウケしない理由だろうか。歳出削減に振り切って行政サービスなどの効率化に先行投資するみたいな話の方が乗りやすい。
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Kemumu
積読本整理。メルヘンなキャラクターに筆者の体験をもとにした等身大の想いが詰まっていたのに驚く。目の前に飢えてる人がいたら飯を食わせる正義。そんな正義でも成せば、顔を無くしてヘロヘロで空を飛ぶみたいに自分が傷つく。何か忘れらないメッセージだった。コテンラジオでやなせたかしの話を聞いて本書を購入したのだが、本で読んだら新渡戸稲造の武士道を思い出した。赤十字がすぐに日本に定着したのは武士道があったからだ。アンパンマンから武士道を感じるとは思わなかった。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2024/06/07(255日経過)
記録初日
2024/06/07(255日経過)
読んだ本
97冊(1日平均0.38冊)
読んだページ
30443ページ(1日平均119ページ)
感想・レビュー
97件(投稿率100.0%)
本棚
16棚
自己紹介

歴史小説、推理小説、SF、生物学、考古学、人類学など、たまにビジネス書。
趣味は、旅行、ドライブ、観葉植物、囲碁。
一猫一女の4人家族。娘を本好きにさせる方法を思案中。

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