美しく情緒的な表現とラフであっけらかんとした表現のバランスが凄く良いなと思いました。それは最初の1ページ目が顕著で一気に本の世界に惹き込まれました。お話のメインとなる2人の人物は学校で浮いているという共通点はあるものの感じ方や考え方は随分違っていて、そこの部分がお話のキーポイントなのかな？と感じました。主人公であるハツはにな川との違いにある種の劣等感だったりそれに近い感情を抱いていたのかな？読み終わった後に色んなことを考えてしまう。そんな小説でした。

自分にとっての特別な龍はどんなだろうかと考えると楽しい。お話は、龍の話は少なめで現代的な話が多かったです。実はハイファンタジー的なものを期待して買ったけれど、これはこれで面白かったです。

ミステリ短編集。一つ一つの構成がよく練られていてとても良かったです。誰の心の中にでもあるような闇や、日常のちょっとしたトラブルや選択ミス、そんな自分の周りにももしかしたら起こりうるかも知れないな…何て考えてしまう話が多い印象でした。怖い。個人的なお気に入りの話は｢ありがとう、ばあば｣でした。

めちゃくちゃ良かった。｢面白かった｣と言うよりは｢良かった｣と言う方が何故かしっくりくる。目が見えない少女とおとうさまの話。前半部分に描かれる世界と文章の美しさ、後半からの展開や物語の終わり方まで全てが良かったです。めちゃくちゃしっかりと構成が練られています。深くは語りませんがとてもオススメです。

美しく情緒的な表現とラフであっけらかんとした表現のバランスが凄く良いなと思いました。それは最初の1ページ目が顕著で一気に本の世界に惹き込まれました。お話のメインとなる2人の人物は学校で浮いているという共通点はあるものの感じ方や考え方は随分違っていて、そこの部分がお話のキーポイントなのかな？と感じました。主人公であるハツはにな川との違いにある種の劣等感だったりそれに近い感情を抱いていたのかな？読み終わった後に色んなことを考えてしまう。そんな小説でした。

ミステリとして読むと少し物足りなさを感じるけれど、キャラ物のライトな話として読むと面白い。キャラが立っているお話が好きなので個人的には満足です。

コンビニ人間と生命式は｢普通と生と死｣が根本のテーマだと思っていて、今作は｢普通との向き合い方と性と死｣がテーマにあるような気がして前に読んだ2作とは少し違う印象を受けました。自分とは違う価値観や普通を持っている人に対して相手からどう思われているか、自分はどう相手を思っているか、という部分がある種、大袈裟に大胆な設定で書かれている事で普段気づかないレベルで｢ここまでの規模ではないけれど自分も価値観が違う相手に対して偏見を持って接しているかもしれない、言葉を発しているかもしれない｣と少し考えさせられました。

もうシンプルに面白いです。ストーリーのハラハラドキドキ感、登場人物達の心理描写、戦闘場面の表現、作り込まれた設定などなど、この本面白い！と思える要素が高水準でまとまってるなと感じました。上橋菜穂子先生の本は読後感が圧倒的に良い…！と個人的に思っていて、今回の本も期待を裏切らない読後感で最高でした。オススメ。

イマイチお話にのめり込めないまま読了しました。自分には少し合わなかったです。大きな流れとしては告白の様にひとつの事件を多方面の角度から見ていくという話なのですが、告白は楽しめたのにこれはイマイチだったのは何故なのだろう？と少し考えてしまいます。