とある双子の子供がひょんな事から不思議な本の中に迷い込んでしまうお話。本の中は赤ずきんやシンデレラ、白雪姫、ラプンツェル等の皆がよく知る童話の続きの世界だった。2人は元の世界に戻るために世界を旅する…みたいなお話でもうコンセプトが既に好きなんだけれどめちゃくちゃ楽しめた。赤ずきんの物語で猟師に殺されたオオカミにも仲間がいたはずでその後どうなったのか、ポっとでのシンデレラは舞踏会場にいた他の貴族達にそもそも受け入れて貰えたのか？他にももっと色々な話が楽しめます。映画化も決まってるそうな。オススメ。

文体が独特で少し読むのに時間がかかってしまいましたがオモチロかったです。知らない言葉がたくさん出てきてそれを調べながら読んでいたのでその部分でも楽しめました。

村田沙耶香先生の本はコンビニ人間に続いて2冊目。コンビニ人間を読んだ時にそんな気はしていたがめちゃくちゃ好きな作家さんだと思った。村田先生の本を読むと心臓を鷲掴みにされて振り回されてる様な気分になります。自分にとっての普通って何だろう？自分が考える世界に満ちている普通は本当に普通なのか？10年後の自分は今持っている普通を普通だと感じているのだろうか。色々考えさせられます。普通が何なのかわかんなくなったし自分という存在が本当に自分なのかもわからないしもう何も分からない…。わかるのはこの本が好きって事だけ。

殺し屋のお話。3人の語り部の視点が切り替わりながら話が進んでいきます。先の読めない息の詰まる展開や伏線回収など楽しめました。ただ、自分の読解力が低いせいなのもあると思いますが、心をグッと揺さぶられる様な要素は少なく、ライトな感じの物語だなと思いました。そんなに頁数の多い作品ではないのでサクッと小説を読みたいなって時に読むと非常に良いかと思います。

死体が語り部という点がまず面白かったです。主要の登場人物がみんな狂ってる所が少し個人的には苦手でしたが、物語のムダのなさや読みやすい文体、読んでいる時のハラハラ感などなかなかに楽しめました。

表紙と題名の通り豚肉の部位にまつわる話がいくつか入っている短編集。食べ物が題材という事でほんわかほっこり話が多いのかと思いきやところがどっこい、そんな話ばかりではなかったです。人が生きていく中、年齢の移り変わりで自分の事や他人の事、世界の事や未来過去。色々見え方というのは変わるよなと考えさせられる作品が多かったです。特に好きなお話は…といつもの流れで書こうかと思ったのですが全部のお話が好きだったので｢この小説が好き｣ってことでここは1つ…。オススメ。

元となったゲームが好きなので読んでみました。物語としてはとても面白くハラハラドキドキしました。しかし、舞台が基本的に城だから仕方がないのですが城内の描写が何度も何度も出てくるので、少しクドく感じてしまい、全く頭に入ってこなかったです。会話パートや過去の話、ニエの設定等々は好きでしたが読み進めるのにとても時間がかかってしまいました。

館ホラー。読解力が足りずに正直よくわかんなかったなぁっていうエピソードもありましたが概ね楽しめました。

ここまでのガリレオシリーズは面白いけど何かパッとしないんだよなーくらいの感想でしたが、こちらの作品はとっっっても面白かったです。最初に犯人が提示されることによって、長編という事もあり今回初登場のキャラクターにもしっかりと長い時間フォーカスが合っていて、最後のシーンを読んだ時の感情の動きが大きくなったのが原因かなと思います。

女の子と霊狐の物語。文句なしに面白かったです。春の日差しや風の香りまで感じながら小夜と野火の物語にどっぷり浸かることができました。読後感もとても良く、満足感が凄いです。オススメです。