悩みを抱える高校生を最強キャラ、人生先生が解決する少女小説。だと思った。「努力、またはがむしゃらに頑張るというのが含まれてないなぁ」と思ってしまったのは僕の頭が昭和だからだろうか。

町田康先生の奥の細道。この世に生を受けたことが間違いであるとすら思えるほど人生に向いてない男のムチャクチャ旅。気が付いたら沖縄で、いつもの魂でロックバンドでぼわぼわになって叫ぶ。そしていつものように生きる意味を失うさまは物凄く行き当たりばったりで何にも考えてないように思えるけど、とても本質をついているように思う。そんで、死ぬほど拗らせに拗らせた人間の脳内の文言がここまで詳細に書かれた資料はこれぐらいしかないと思う。途中の絶息シーンでは死ぬほど爆笑した。とても読みやすくて面白い。

この巻しか読んでないけど、いい感じの日常系だなぁと思った。本物の厨二病はもっと仮想世界に没頭するんだろうけど、そこから一歩下げて現実世界も楽しもうとする人らの日常を描いているシリーズなんだろう。ひーろ部員たちは同じ日常を過ごそうとしているが、それぞれの厨病が全く別の方向を向いているのが妙にリアルですこし悲しい。お互いの趣味は全く理解できないけど、人としては理解しあえる。そんな希望を描いた作品ではないのでしょうか。少女系特有の"ノリ"を目当てに読んだんですけど、その点は最高でした。