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2024年5月の読書メーターまとめ

ぱせり
読んだ本
11
読んだページ
2740ページ
感想・レビュー
11
ナイス
170ナイス

2024年5月に読んだ本
11

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ぱせり
次々に揺さぶられ、奪われ、そうなればなるほどに、からだの外に溶けだしていくものがある一方、内側に残り、硬く澄んでいくものがある。残るものは、表紙の写真、人造湖のまんなかに突き出るようにして残った鐘楼のようだ。言葉にならない言葉が沈黙の中で結晶していくようだ。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
11

ぱせり
トーヴェは、刹那的な欲求を満足させることに縋り付いているように感じる。消えた「抑圧」の場所をただ埋めていたように感じる。底なし沼に嵌って、徐々に深く沈んでいくようだ。サスペンスのよう、鬼気迫るようでもあり、そのくせ、不思議な長閑さ(時に喜びさえ)も感じる文章なのだ。
が「ナイス!」と言っています。
ぱせり
期待と挫折、よりそいと孤独、寂しさ、懐かしさ。美しい、という言葉が不似合いな山にやってきて、思いがけない美しさをみつけて息を呑むような感じ。「ブローティガンはこの作品集でも、「アメリカとは何だろうか」と問い続けているようである」訳者あとがきの言葉。こんな言葉で、作品で、語られる彼のアメリカは幸せ者だ。
が「ナイス!」と言っています。
ぱせり
学園都市ならではの環境、事情が絡み、事件には独特の雰囲気(良くも悪くも)と、それに伴う歴史がある。ケンブリッジには、女性を学生として受け入れながら、学位授与だけは長く拒み続けた歴史があること、女性たちがあたりまえのように、婚しても名前を変えない選択をし始めていることなど、興味深い。
が「ナイス!」と言っています。
ぱせり
九つの物語の主人公たちは、心に刺さったままのトゲを抜くこともできずに(あまりに小さいので見過ごしたまま)過ごしてきたのかもしれない。本でも、想像の友だちでも、ラジオでも聞くように周りの人の声を聞くことでも……些細な何かを仲介にして、気がつくこと、何かのきっかけになることもある。それは少し元気になる話なのだ。
が「ナイス!」と言っています。
ぱせり
私は山のことは何も知らない。それでも、山に挑む著者の深い喜びに共鳴している(したい)。より深い喜びを、何度でもまるで初めて出会うように確かめつつ歩を進めていく姿を読むことで、私も満たされていく。あいだ、あいだに見せられる光景の美しさが、どんなに楽しませてくれただろう。
が「ナイス!」と言っています。
ぱせり
(再)『この村にとどまる』(マルコ・バルツァーノ)を読みながら、この絵本のことを思い出していた。少女のサリー・ジェーンが夏の夜に、友だちと一緒に蛍をガラス瓶の中に捕らえて遊んだように、彼女の村も、湖という瓶の中に囚われ、ずっと解放を待っていたのだろうか。無数の光になって。
が「ナイス!」と言っています。
ぱせり
次々に揺さぶられ、奪われ、そうなればなるほどに、からだの外に溶けだしていくものがある一方、内側に残り、硬く澄んでいくものがある。残るものは、表紙の写真、人造湖のまんなかに突き出るようにして残った鐘楼のようだ。言葉にならない言葉が沈黙の中で結晶していくようだ。
が「ナイス!」と言っています。
ぱせり
心に残るのは、待つという言葉と、聞くという言葉。聞くことも待つことも、生半可ではない。だから店も人も変わっていけたのだろう。いつのまにかそれぞれの壁をこえていく、幾人もの幾つもののエピソードに幸せな気持ちになる。著者は店の声を聞いている。店自身がなりたいものについて語り出すのを待っているようだ。
が「ナイス!」と言っています。
ぱせり
ソフィーは成長している。「人生でなにが手に入るか」ちゃんとみつけたのだから。それは、彼女の凱歌のよう。小さな子どもが楽しめる童話であるが、そのわりに厳しいお話に驚く。思いがけないことも起こるが、受け止められる場所へ導かれている。作者から若い読者に寄せる、深い信頼と励ましでもあると思う。旅は終わらない。
が「ナイス!」と言っています。
ぱせり
戦争の敵地で、故郷へ向けて子連れで旅することを最初は躊躇した老人ハワードが、後になればなるほど、積極的に子の責任を受け入れるようになる。当初より若々しく見えてくる。旅する老人を支えたのが、遥か遠いところにいるわが子たちに対する信頼だったと思う。希望という言葉に代えて。
が「ナイス!」と言っています。
ぱせり
艶かしくて、不気味だと感じるところもある。罠にかかったようで「しまった」と思うところもある。樹木の影の話ではなくて、人の話だった。人と、人の影の話。いつのまにか私自身も影になって、大きな流れに引き込まれている気持ち。物語が開かれているのは、罠を仕掛けて、のこのこと覗き込む人を待っているからかもしれない。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/03/01(5704日経過)
記録初日
2008/01/05(6125日経過)
読んだ本
2812冊(1日平均0.46冊)
読んだページ
703414ページ(1日平均114ページ)
感想・レビュー
2785件(投稿率99.0%)
本棚
92棚
性別
外部サイト
URL/ブログ
http://d.hatena.ne.jp/kohitujipatapon/
自己紹介

読みたい本・読んだ本の記録として、読書メーターを使っています。いまは、いただいたナイス(ありがとうございます)のチェック・お返し等、一切しておりません。申し訳ありませんが、どうぞご了承ください。



積読本は、ほんとは積読本ではありません。
大好きな本の表紙が見えるところにあると嬉しいな、と思って並べています。



-わたしの宝本- 
「にぐるまひいて」 ホール/クーニー
「リトル・シューベルト」 ゴフスタイン
「ジョー アンド ミー」 プロセック
「こうちゃん」 須賀敦子/酒井駒子
「少女ソフィアの夏」 トーベ・ヤンソン
「たんぽぽのお酒」 レイ・ブラッドベリ
「プラテーロとわたし」 J・R・ヒメネス
「夜と薔薇」 森雅之

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