文庫書き下ろし。宮沢賢治が好きなら読んで欲しい本（と言っても、詳しくなくても主人公・壮多も同じなので大丈夫）。幼馴染で同じ高校に通う壮多と七夏と二人の前に現れた深澤、当初は「又三郎」的に思われた深澤の隠された想いが、自らの行く末に悩む壮多を巻き込むように展開していく。そして一年先輩の三井寺、彼の夢でもあった地学部のメンバーとして賢治を巡る旅が始まる。なぜ七夏は姿を消したのか。わからないまま壮多とともに辿る賢治の足跡、最後まで目が離せない青春譚。読後は爽やか。

電子版（Reader）、再読。アニメ一期をたまたま観ていて気にいっての購読。アニメと比べるとどうしても音響・美術とか寂しいのは仕方なく、続きを読んでいなかったのだけれど、日を置いて読み返すとそこそこ巧い。コミックス既刊14巻、原作4巻、どうしたものか。原作は試し読みしている気がするんだけど、今は対象外。なろう系転生FTならではの 文章の読み辛さがあったような。本当はアニメの円盤が欲しい。

2016年に新潟市で開催された展覧会図録の書籍化したものを新版として復刊したもの。図録が早々に売り切れたということでおそらく呪術ブームの時だろうか。内容はそれとは別に民間での「まじない」を多数の写真で紹介したもので、コンパクトでありながら多くの事例を載せている、わかりやすい解説、小中高生にもとっつきやすい書き様ではあるが、民俗学入門書としても楽しく読める。フルカラーで図版が大きくて見やすく美しい。お買い得の一冊。

シリーズ４冊目、過去編。偉大なる魔法使いシロガネと現・西の魔法使いアンナの若き日の交流が描かれる。オーバーテクノロジーの遺物を巡って、もっと根の深いドロドロした陰謀が浮かび上がってくる。それにしても、本作に限らず中近世ヨーロッパ的な物語が舞台だと、どうしても男性優位というか封建社会的価値観に男女とも縛られていて、所謂「クズ男」が多いのは女性作家の怨みがこもっているからなんでしょうか。

「博物学者」を標榜する変人・箕作と「生き物・実験」がてんで駄目なリケジョ・環、相容れなさそうな二人が勤務先の博物館や周辺で起こる様々な事件を解決していくサイエンス・ミステリ。今時は「博物学」なんてむしろ文系しか使わないが、まさしく「博物学者」の面目躍如なファントム蓑作の炸裂する蘊蓄を、数理に偏った環が聞き手となることで読者を置いていかない上手いストーリーテリングとなっている。最近の研究成果も取り入れての６つの謎解き、最後は環の推理が箕作を助ける熱い展開に。物語を美味しく堪能しました。

文庫書き下ろし。宮沢賢治が好きなら読んで欲しい本（と言っても、詳しくなくても主人公・壮多も同じなので大丈夫）。幼馴染で同じ高校に通う壮多と七夏と二人の前に現れた深澤、当初は「又三郎」的に思われた深澤の隠された想いが、自らの行く末に悩む壮多を巻き込むように展開していく。そして一年先輩の三井寺、彼の夢でもあった地学部のメンバーとして賢治を巡る旅が始まる。なぜ七夏は姿を消したのか。わからないまま壮多とともに辿る賢治の足跡、最後まで目が離せない青春譚。読後は爽やか。

ポータルサイトでの紹介からの電子無料（Reader、期間限定）。いい女といい男の話。キャラ設定が良いです。１巻は出逢い編的なところまで。世の中都合よく回るお話はいい息抜きになりますね。このあと荒波があるのでしょうか。