
まず、あまりにも理不尽な状況からくる失敗や家族の不安が全部コントっぽくなっていて面白い。読んでいてところどころ笑ってしまう。それに不幸に襲い掛かられた人を見るときは、ひたすら悲しみ苦しむ様子を見るよりも、そうした負の感情からは距離のある状態の描写を見るほうが、かえってその状況のつらさが身に迫って感じられるものであると思う。→
冒頭に収録されている短編「判決」もものすごい傑作だが(個人的には「変身」よりこちらのほうが好きなくらいだった)、その中で主人公の父親が次のようなセリフを発する。カフカの創作に対するスタンスがよく現れた一文だと思う。 「そうとも、もちろんコメディーをやってたんだ。コメディーをな。いい言葉じゃないか(p.25/判決)」
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