このテイストは決して好みではない。でも，内容的には時々人に同じようなことを言っていつ自分に気づいて複雑な気分になる。

タイトルから受ける印象よりも硬派。

半世紀近くぶりに再読。中学生には無理だよなあ。人生のたそがれどきに読むと味わいがある。でもこれ書いたとき作者は30代か。深みを感じる。

「意識」に迫る緊迫感が，かつて「サブリミナル・マインド」を読んだ時の感覚を髣髴とさせる。物質的基盤への接地がずっと進んでいるので，自分としては読んでいて細部は消化不良の感が否めない。

上下巻に渡って70万年の全世界における「仕事」を俯瞰して，「明らかになったこと」として終章の最後にまとめられたのが仕事の三要素，「意義」「協力」「公正」。とても印象的。特に「協力」は「人間の基本的欲求」としている。700ページ以上の旅路を経ての言葉だけに胸に染みた。

単行本(2018)版にて。

この本の基本はビオンだと，著者が『雨の日の心理学』で書いていたので。

このテイストは決して好みではない。でも，内容的には時々人に同じようなことを言っていつ自分に気づいて複雑な気分になる。

夢・言葉とともに人は「生理」から絶対逃れられない。人間の本質の一つなのだと思った。

専門書とクックブック心理学の中間？絶妙な立ち位置！

数多くの翻訳があるが，柴田訳を選んだ。比較的「児童向き」の訳文でないところが自分には合っていた。4人の仲間が，それぞれ異なる望みをもちながら協働して旅を続けるのがアメリカらしい。桃太郎とくらべると興味深い。