今さらながら一気に読んで言葉を失う。芥川賞受賞式で川上弘美が絶賛していたのはこういうことかと納得。好き嫌いは分かれるとしても、この作品を世に知らしめた受賞の功績の大きさは計り知れないと思う。著者本人のスピーチも一読の価値あり。＞ https://books.bunshun.jp/articles/-/8244

実は相撲には1ミリも関心がない。というか興味を抱いたことすらない。なのに昭和の子どもにはなぜか身近なものだったのは確かで、雑司が谷の祖父が大鵬の大ファンで、取組中にTVの前を横切って怒鳴られたこととか、一度だけもらった桟敷席のお土産の巨大な力士型チョコレートが不味くてがっかりしたこととか、今となってはほぼ前世の記憶がどんどん湧いてくるのだった。ラジオ番組の書き起こしなので、良くも悪くもザ・昭和な香りがぷんぷんの1冊。（DAISY変換/編集本）

今さらながら一気に読んで言葉を失う。芥川賞受賞式で川上弘美が絶賛していたのはこういうことかと納得。好き嫌いは分かれるとしても、この作品を世に知らしめた受賞の功績の大きさは計り知れないと思う。著者本人のスピーチも一読の価値あり。＞ https://books.bunshun.jp/articles/-/8244

山とは無縁の素人なりにNHKの紀行番組などで中島健郎→平出和也→谷口けいの順に存在を認識したのに、いまやその３人ともが帰らぬ人となってしまった。故人との距離が近すぎ＆思い入れが強すぎるせいか、文章はところどころかなりウェットかつ主観的だし、いや小中学校時代のエピソード要る？とか、享年43歳の冒険家に「青春の輝き」？とか、いろいろ思わんでもないが、彼女の短くも多彩で濃厚な経歴をきゅっとまとめてくれたことに感謝。その後、文庫版では「谷口けいの軌跡」に改題されてて、ちょっと救われた気分。