「ここが良くない」「あそこが面白くない」みたいな減点主義の批評(家)は嫌いなんだよなぁ。他の人にとっては人生でかけがえのない作品になるかもしれないのにくだらない批評のせいで出逢いを無くしてしまうかもしれないから。批評がなんたるかはわからんけど、どうせ作品を評するなら面白さや楽しさ、好きなところを伝えて、紹介した作品を手に取ってくれる人が増えるようなセールスマンになったほうがいいよなと思う。
ピカソは1800点以上の絵画と12000ものデッサンを残している多作で有名な画家である。シェイクスピアは20年間で37の戯曲を書き、ボブ・ディランは500曲、ベートーヴェンは600曲以上を作曲している。量産は芸術的成功の鍵となりやすい。多作なアーティストほど売れる傾向があると示唆する論文もあるようだ(Simonton, D. K. (1999) Psychological Inquiry, 309-328.)。量と質はよく議論されているが社会的成功に関しては量が運を呼び寄せる可能性が高そうだ。
しまいには何の治療をしたかわけがわからんようになるというのは人情として避けられない。だから、病は診てやるが薬の処方はほかの医者に頼む。そのつもりでいろ」と言って、先生の友人、内藤数馬という医者に処方を託し、内藤の家から薬をもらって、先生はただ毎日来て容体を診て病中の摂生法を指図するだけであった。』(筑摩書房 現代語訳福翁自伝P61-62より)「死役所」という漫画でも介護士だった娘が親の介護を頑張りすぎて最後は疲弊して自死してしまうというのがあった。自分の親だからこそ冷静に他人任せにするのが大切なんだろう。
昨今では安易に「社会保障費を削って若者に金を使え!」という人が増えている。おそらく自民党や財務省の財政健全化(緊縮政策)により若者への支援が乏しいため社会保障のせいにしているのだろうと思う。しかし社会保障を削れば医療のみならず介護も支援が手薄になることは間違いない。公的支援が減れば介護離職やヤングケアラーも増えて現役世代もダメージを受けるということを想像できない視座が低い人が多いのだろう。必要なのは財政健全化という馬鹿げた目標を掲げる財務省を批判し、政府支出を増やして生活安全保障を高めること。
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