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2024年2月の読書メーターまとめ

うえ
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2024年2月に読んだ本
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2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

うえ
信仰としての一般意志と民主主義。「ルソーは、「一般意志はつねに正しい」とまでいっています。「一般意志は、つねに公共の利益のみを志向する」のですから…つねに全員にとって正しいものである、ということになるわけです。もちろん…一般意志などというものが、ほんとうに存在するのか、問いたくなるかもしれません。…しかし、そういう問題ではないのです。…それが存在すると仮定しなければ、共和国、つまり社会契約に基づく民主主義の国家は成り立たないのです…どうしても必要不可欠な、一種の信仰ともいえるような、共通の信念なのです」
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2024年2月にナイスが最も多かったつぶやき

うえ

2024年1月の読書メーター 読んだ本の数:19冊 読んだページ数:4512ページ ナイス数:108ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/183599/summary/monthly/2024/1

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2024年2月の感想・レビュー一覧
15

うえ
信仰としての一般意志と民主主義。「ルソーは、「一般意志はつねに正しい」とまでいっています。「一般意志は、つねに公共の利益のみを志向する」のですから…つねに全員にとって正しいものである、ということになるわけです。もちろん…一般意志などというものが、ほんとうに存在するのか、問いたくなるかもしれません。…しかし、そういう問題ではないのです。…それが存在すると仮定しなければ、共和国、つまり社会契約に基づく民主主義の国家は成り立たないのです…どうしても必要不可欠な、一種の信仰ともいえるような、共通の信念なのです」
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うえ
「種々なる形態に於ける全体主義的国家の蠢食に対し、これを防止する唯一可能なる方法は、少くとも人間的に語れば、それは真理の世界性に関する中世的感情を復活することである。わたくしは感情という、何故なればわれわれあらゆる人間に取って、自分自身の真理を、ー自分の顔なり姿なりに似せて作られた真理を、それを仰ぎ見るとき、同時にわれわれに自己観照の自己的悦びを与えるようにと自分でそれを作り上げるということは、まことに当然な誘惑であるからである。真理の発見ということはそれは個人的な事件であるということを…教えもしてきた」
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うえ
「新宮の御燈祭は熊野速玉大社の摂津神倉神社の祭であるから「新宮御燈祭」という。…ここは「古事記」にある「神武天皇東遷」の時高倉下命が神劔を奉られたところである。熊野権現垂迹縁起の紀伊牟婁切目より神倉山に降臨されたとあるのもこのところである。昔は正月六日、現在は二月六日に行う神事が「御燈祭」である。…当日はきびしく不浄をいましめ、女人の参入はかたく禁じられ、「のぼり子」たちは1週間前から精進禊斎にはいり、多くの「のぼり子」たちが精進食のため、市内の豆腐屋の豆腐が無くなるという話もある。」
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うえ
「ジャズ狂の意見、これらすべてが、おなじ命令であやつられ動かされているのだ。」というジャズ否定から楽師教育まで6つの論考を収める。「共同体のために共同体を志向するというのは理想にならない。単に人びとが集団を作ることそのものを目標だと声明したことは、この世にあって人間にふさわしい制度の一つである共同体の本当の意味を忘れていたことを明らかにする。共同体の礼賛が自己目的と化していたのは、ナチスや、ロシア風の人民民主主義のところだった。本質として全体主義的である共同体礼賛には個人を抑圧する傾向がつねに伴っていた」
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うえ
貧困は存在しないといわれていたサウディアラビアは,2002年初めての貧困対策に乗り出す。「11月20日、アブドッラー皇太子が突然、貧民街を訪問することから始まった。…皇太子はそこで困窮者の声に耳をかたむけ、貧困対策に早急に着手することを約束した。国家指導者が国民の生活状況を直視し民衆の声を国政に取り入れるのは民主国家では当然とされても、サウディアラビアでは異例に近い。皇太子の貧民街訪問はテレビ放映されたことによって、政府制度の近代化や経済の自由化を断固として推し進める覚悟を国民の前に表明したとみられる」
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うえ
「本質主義は、妊娠中絶や安楽死のような倫理論争を混乱させる。脳死事故の被害者はどの時点で「死んだ」と定義されるのか?発達のどの瞬間で胎芽は「人」になるのか?本質主義に感染した心だけが、そのような質問をする。胎芽は単細胞の接合体からだんだんに新生児に発達するのであって、「人であること」が到達されたと見なすべき一瞬があるわけではない。世間は、この事実を理解する人と、「でも胎児が人間になる瞬間が<ある>はずだ」と訴える人に二分される。…実際にはそんな瞬間はない。中年男が老人になる日があるわけではないのと同じだ」
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うえ
「心理学はこれまで…アカデミックな装いを凝らした裏部屋でひっそりと暮らしてきたが、ニーチェの予言そのままに…一般の興味を惹き始め、大学によってはめられた枠などとっくにぶち破ってしまった。精神技術としては企業や会社に働きかけ、精神療法のかたちでは医療の広い範囲に及び、哲学としてはショーペンハウアーやハルトマンの遺産を受け継いでいる。バハオーフェンやカールスを再発見したのも心理学なら、神話や未開民族の心理に対するまったく新たな興味が生じたのも心理学のおかげである。近くは比較宗教学にも革命をもたらすだろう」
うえ
2024/02/16 21:10

「しかし…心理学者はつねに、自説がまず何よりも自分自身の主観に含まれるものの表出であり、したがってそのまま一般に妥当するかのように言い立ててはならないことを銘記しなければならない。心の可能性という広大な領野にあっては、個々の研究者が解明に寄与できるのは差し当たりほんの一つの視点にすぎない。」

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うえ
清水幾太郎の回想や随筆。清水が社会学という名前に飛び付いて入学した昭和三年の東大は想像とは違うものだったという。主任教授曰く「社会学科へは飛んでもない馬鹿な学生が入つて来る…現代社会を改革しようとか、社会問題を解決しようとか考へてゐるらしい…社会学は社会問題や社会改革と何の関係もありはしない」その馬鹿な学生だったと自負する清水はジンメルを今でも読み返すという。「ジンメルは、社会学上の一流派などと関係なく、それ自身として、偉大な天才的な哲学者であつた。社会とは諸個人の心的な相互作用にほかならぬ。」
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うえ
「社会学者ロバートソンは、宗教的文化とは「経験的存在と経験を超えた超越的存在との区別にかかわる信仰と象徴の体系であり、そこでは経験的存在は経験を超えた存在に従属している」のであると定義している。さらに「宗教的行為」とは「経験できるものと経験を超えたものとの区別を認識することによって形成される行為」であると定義している。…この定義の長所は、正確性と限定性にある。そこでは、物理的自然領域を超える領域へと向けられる或る種の人間の行為と象徴化が明確に記述され、それらが他の文化的行為および象徴と明確に区別される。」
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うえ
「空海は、「男であることの意味」をたえず無化しようとしていたのかもしれない。光源氏が、男であることこ無意味を生きることで女たちにとって理想的な男に変貌したように…ただ、空海における色好みは「男であることの無意味」を生きることだけでは完結しなかったであろう…そのような私の予感に応えてくれそうなのが…折口信夫の「思い隈なし」の議論である。…色好みというのは、折口によれば「執著心の深いこと」を意味し、それが「思い隈なきこと」であった…おそらく空海は、このような意識の多層化の現象に特別の関心を寄せているのである」
iwasabi47
2024/02/09 17:27

折口自身も「執着心の深いこと」の人ですものね。

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うえ
ギリシャからカントまでを扱った科学思想史。「ロックは物体と空間とを同一視したデカルトに反対する。物体と空間を同一とするデカルトは、空間の無限性を考へるのに困難を感ぜさるを得なかったが、物体と空間とを区別すれば空間に限界をおくことはできない。…ロックは数学を科学的知識の理想とした近世初期の考を受け容器れ、数学を論証的な学の範型とした…バークリーでは、数学の抽象性、その論証の単なる記号的言語的な性格が強く考へられてくると共に、現実的な存在についての知識が数学とは性格方法を異にすることが強調されるようになった」
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うえ
「神社本庁が確立した経営モデルは、伊勢神宮を存続させ、式年遷宮をつつがなく執り行うためには大きく貢献している…しかし、この経営モデルに組み込まれた個々の神社からしてみれば、持ち出しばかりが大きく、見返りは必ずしも多くはない。神宮大麻などの頒布を熱心に行えば褒賞金を得られるかもしれないが、最近では、頒布自体が難しくなっている。都市化が進んだ結果、神棚がない家も増えた…不満の声が上がる可能性も出てくるわけだが、神社本庁は、神社の宮司以下の人事を左右する権限を得ており、そのことが不満を抑える役割を果たしている」
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うえ
「アメリカや国連の場合は、死亡率低下が著しい直線的モデルを使用しているのに対して、日本の場合はすでに平均寿命が非常に高く(死亡率が非常に低い)…代わりに低下率そのものが漸減する係数を考案して用いている。日本のこれまでの公式統計では、当初は平均寿命が低く年齢死亡率が高かったので、欧米諸国の生命表数値を目標とする統計方法が取られていた。しかし、日本の平均寿命が世界最高になるにしたがい、死因別死亡率の過去の趨勢を統計的に延長する外挿法によって将来の死亡率を推計する方法に切り替えられる。」
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うえ
政治によるコントロールを完全に失った宗教。。「1979年、ホメイニが指導したイラン・イスラーム革命は、シャーリアにもとづく国家建設と、政治と社会の全体を上から、なかば強制的にイスラーム的にすることをめざした…が、90年代にその失敗が決定的になり、イスラームと政治の関係の再構築が必然の課題となった。…ポスト・イスラーム主義とは…政治から自立した宗教表現の空間を志向し、宗教表現が多様化した。スーフィズム(神秘主義)であったり、道徳や倫理の改革思想であったり、一部には過激なグローバル・テロリズムであったりした」
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うえ
プーチンのチェチェン虐殺は日本ではほぼ報道されず、海外ニュースでのみ欧州各国の批判が見られる程度であった、当時の事情と背景。「チェチェンへの攻撃が拡大し戦闘は泥沼化…攻撃は一般市民を巻き込むものとなり…10万人以上が死亡したといわれており(第一次チェチェン紛争と合わせれば20万人以上)、一方のロシア連邦軍の死者は千人を超えた」「9・11以後、プーチンが、チェチェン人はテロリストであるというレトリックを用いるようになり、世界的なテロとの戦いという大義名分を得たことで、表立った反論はなされなくなっていく。」
うえ
2024/02/02 10:09

「チェチェンに親ロシアの政府を置いてチェチェン人の手で過激派を壊滅させることにより、親ロシアのチェチェンをつくり上げる…ロシアの傀儡政権のトップとしてプーチンから任命されたのが、元マフティー(イスラーム教の高位聖職者)のカディロフだった。カディロフは第一次チェチェン紛争の際には…ロシアに反対する立場でチェチェン独立派と共闘していた。」しかし次第に「プーチン首相に接近し、第二次チェチェン紛争ではロシア側に立ったのである。」

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/02/08(4487日経過)
記録初日
2012/02/07(4488日経過)
読んだ本
3619冊(1日平均0.81冊)
読んだページ
866751ページ(1日平均193ページ)
感想・レビュー
3417件(投稿率94.4%)
本棚
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