美しい。物語自体はもちろんのこと、作品の構成、ミステリーさながらの伏せんの散りばめ方、見事な回収。タイトルの赤、青、エスキースの展開と集約。そして読者に流れる静かでありながら力強い涙。これまでの氏の文庫化された作品全て読んできたが、私はこれからも全て読むと決意されられた本作。まるでジャックにとってのエスキースのように。そんなふうに思える作家に出会えることは読書好きでもそう多くはない、宝物である。

分析班第3弾。先が気になりページが進む魅力的なチームで安定している。徳重さん、さすがのもうダッシュ。何気に徳重さん推し（笑）シリーズ、読み進めます。

タイトルとこのカバー装画よ、本屋さんで平積みされていて気にならないわけない。だが第1話、2話とその違和感に気づき真相が分かってしまった。期待し過ぎてしまったか、と思い始めた第3話。それなのに第4話で全く目が離せなくなり、ダメ出しのような追撃の第5話。そう、私は完全に氏の思い描いた戦略の上を歩かされただけ。この起伏が本作品をさらに傑作と印象づけている。他の作品も読んでみたい。

美しい。物語自体はもちろんのこと、作品の構成、ミステリーさながらの伏せんの散りばめ方、見事な回収。タイトルの赤、青、エスキースの展開と集約。そして読者に流れる静かでありながら力強い涙。これまでの氏の文庫化された作品全て読んできたが、私はこれからも全て読むと決意されられた本作。まるでジャックにとってのエスキースのように。そんなふうに思える作家に出会えることは読書好きでもそう多くはない、宝物である。

昔、ホールケーキの1/4を全て食べられず、翌朝の朝食に残りを食べていたのを思い出す。今も甘いものは得意じゃないけど、疲れている時、無性にケーキが食べたい時は、安牌なショートケーキを選ぶ。そんな時に売り切れていたらまさに絶望。「追いイチゴ」の神様、誰かの尊い瞬間に立ち会わせてくれてありがとうございます。これはこの作品全体に私からは伝えたい言葉。

京都の撮影所が舞台。メイク係の由紀子とカメラマンの竹内が撮影中に起こった連続殺人を推理していく。愛する人のために。切ないラストでした。

キャサリンシリーズ短編集。こんなにトリックを思いつくものだなぁと感心してしまう。そしてとても読みやすい文ですらすら読めてしまう。浜口さんもたまにはキャサリンに反抗するのだなぁ。

推理小説家でニュースキャスターの沢木麻紗子。彼女の大学時代の仲間のグループが出雲旅行に出かけ、一人が殺される。ニュースキャスターとして仲間を疑わなくてはならないのは嫌だろうなぁ。ましてや取材なんて。

「赤い博物館」で気になった大山誠一郎氏。本作は密室殺害事件のみの短編集。どの短編も本当に読めてよかったと思える完成度。解説にもあったが小説のような豊かさがない分、氏の技量がより際立っていた。しかしその中でほんのりと短編が繋がっていて、あの時の親戚の方かな？などと想像が膨らみ楽しめました。氏の他の作品もぜひ読みたい！