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崎本 智(6)
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現実の下北沢を舞台にして、視点人物の「私」が卒論の題材に選んだIという作家の描いた街-‹S区S街›-が作品の中で、重なり合っていく。それだけの偶然にとどまらず、多くの場面でブッキッシュな符合が見られ、視点人物の「私」がじょじょに‹S区S街›に浸食されていくところが面白かった。清水博子という小説家が昨年死んだことは、先日知ったばかりだが書き手の死を知るたびに妙な虚しさにかられるがこの小説のラストはその虚しさに近いものを読者に与えるのではないかと思う。
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崎本 智(6)
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ネタバレ「銀の匙」というタイトルはこの物語において特別な意味をなさない。 追憶の手がかりとして出てきて、それだけで終わる。このタイトルの役割が示すように様々な登場人物や小道具たちも全体を通して大きな意味を持つものは殆どないように読める。ある人物や小道具はそれにまつわる自然や季節感の詩的な描写をするためのきっかけに過ぎないのではないか。解説によれば作者は屈辱的に散文というスタイルを選びつつも、みずからの理想とする長編詩を意識して書いたという。 息の長い文章で換喩的に言葉を巧みに隣接させていく手法は、記憶をたよりに文
崎本 智(6)

章を紡ぐという点においても「abさんご」を想起させるものがあった。そこには先行者の影響や流行に惑わされないという類似点もみつけられるだろう。 このメッセージ性を持たない風景のための風景を描いたこの小説を読んだ記憶を「銀の匙」のように大切に残しておきたい。

01/20 01:10
0255文字
崎本 智(6)
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短編の名手として絲山秋子は作品を発表し続けている。『忘れられたワルツ』もさまざまな境遇の登場人物の気持ちや戸惑い、不安、喜びが巧い筆致で描かれているが正直もう少し「厚み」が欲しかった!『新潮5月号』「始発まで」という短編が素晴らしすぎて、このレベルの短編を期待して読んでみたものからするとあっという間に終わってしまったという印象…。もちろん良かったのだが。
0255文字
崎本 智(6)
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原題をそのまま直訳すれば「建築投機」らしいが訳者が「遠ざかる家」として発表らしい。しかしその選択はまちがっていなかったと思う。いつまでたっても建てられない家をめぐっての人間関係のトラブルはユーモアにあふれていて何かを風刺しているようでもあるし、もしかして神話や民話などとも通じ合っているのではないだろうかというような匂いまでしてくる。まどろっこしい展開はまさに小説だけに可能だったものかもしれない、その意味でまたカルヴィーノに舌をまいた!
0255文字
崎本 智(6)
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堀辰雄の注目するべきところは心理描写だと思う。自然や光の明暗などを描くのは確かに上手いがそれは登場人物の心理やそのときの人物関係を描くために使われているものが大半。『菜緒子』は確かに小説として素晴らしいところもあるが、これで満足していてはいけない気がする。もっと小説としての飛躍が何か欲しかったのかもしれない。
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崎本 智(6)
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「ライオンと無限ホチキス」実験的な短編小説で、ピタゴラスイッチのように視点が自動的に切り替わり、多元的にちいさな世界を描いている。海外の街の描写と自転車のオブジェの描写がすばらしい。こんな型破りな小説をどんどん書いてほしい。磯崎憲一郎の影響も少し見られる。
0255文字
崎本 智(6)
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菖蒲あおばの女性的な語りを何百頁にもわたって続け、幾つもの伏線と人間関係を蜘蛛の巣のようにめぐらせ、「神町」に新たな光をあてた本作は阿部和重の作品のなかでも高く評価されてきた。もちろん類まれなる力量をもって書かれた小説ではあろうと思うけれど、いかんせん何故か好きになれない。この小説を持って阿部和重がやっぱり苦手なのかもしれないということを再認識した。もっと言葉にフェティッシュでありたい。
0255文字
崎本 智(6)
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一目すれ違っただけで永遠の恋に落ちたかのように「玉脇みを」を好きになてしまう男は冥土めぐりをしているのだろうか。散策子とはあまりにも受け身な行き先さえ杖頼りと言う不可思議な登場人物に見える。春のうつらうつらとした幻想的時間に突如として起こる投身自殺。 ○△□と風景描写との共犯関係に着目した渡部直己さんの鏡花論と合わせて読むことををお勧めする。また『FUTON』のようにこの春の陰鬱とした幻想的空間を現代で語りなおしてみたいとも思った。初鏡花体験!
0255文字

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81

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読書データ

プロフィール

登録日
2012/03/26(4772日経過)
記録初日
2003/05/06(8019日経過)
読んだ本
81冊(1日平均0.01冊)
読んだページ
18780ページ(1日平均2ページ)
感想・レビュー
36件(投稿率44.4%)
本棚
0棚
外部サイト
自己紹介

風景描写が好きな小説ファンです。


好きな本の羅列

『後宮小説』(酒見賢一)

『私のいない高校』(青木淳吾)

『眼と太陽』(磯崎憲一郎)

『はじまりのレーニン』(中沢新一)

『恐怖の兜』(ヴィクトル・ペレーヴィン)

『トランス・アトランティック』(ゴンブローヴィッチ)

『ヤサシイワタシ』(ひぐちアサ)

『海を見たことがなかった少年』(ル・クレジオ)

『黄色い本』(高野文子)

『トーマの心臓』(萩尾望都)

『存在論的、郵便的』(東浩紀)

『本気で作家になりたければ漱石に学べ』(渡部直己)

『暇と退屈の倫理学』(國分功一郎)

など、あと東浩紀の動画みるの好きです。

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