怪異との不思議な邂逅を、清らかな筆致で描く良書。何にでも説明を求め、理屈ばかりに凝り固まった頭と心が解れていきます。

何十年も前のアメリカの話として気楽に読み始めたのに、気づいたらひたひたと忍び寄るおぞましさに背筋が凍りました…。女性を男性が（社会が！）望む雛形に押し込むことで男性優位社会が末永く続く。しかもそれを、いつの間にか女性自身が選んでいるなんて。 驚くなかれ、形は変われど、今もまだ世界は男性優位のまま。アメリカ大統領選挙の鍵は性別、ではないと信じたいが果たして。

女優の奮闘記、いや、人間・中谷美紀の生き様を赤裸々かつ鮮やかに描き出す（しかも自分で！）快作でした。一人三役を海外の舞台で日本語で演じきる。アクシデントは星の数。体調は不安定。軋轢もある日々！聞いただけで寒気がするレベルの試練を、正直に綴る胆力に恐れ入りました。はんなり麗しい印象ですが、しなやかかつ鋼の強さを秘めております。演技者としてより生活者としての自分を大切にしたいと書かれていますが、演劇界からのラブ・コールは止みそうにないと思う。

美麗な写真と、沢山のインタビュー。吉沢亮さん、先が楽しみな俳優です。

類まれな美男子で、コミュニケーション力も高いとは何事だ！？大河ドラマのイメージでしたが、他の作品も観てみたい。面白かった。

　レシートを巡る旅、いとおかし。 買った物がその人を作る、は言いすぎかもしれませんが、リアルを感じました。サラメシならぬ、レシート旅、侮れない企画かも。

人間がいかに簡単に怒りに飲まれていくか。理知的な弁護士も建国の父も善良な市民も。怒り、邪推、恐れ。難しいですが、冷静に話し合うことの大切さを痛感します。

桁違いの金持ち（ざっくばらんに）のサクセスストーリーは、波乱万丈。立身出世系の話、割と好きなんです。

　柔軟に鮮やかに変化を続ける星野源さん。内面の葛藤を正直に綴る文章が心地よいです。マイペースに活動してほしい。

　凍てつく寒波を溶かす陽だまりのように、時間が癒やす何かがある。昔の自分に手渡したくなる良書。

　ちょっと勇気がいるお値段ですが、愛蔵版を買えるのが大人の良いところ。凝った装丁に愛を感じます。

　子供時代にovaで存在を知り、中学で徳間書店版、その後デュアル文庫へ。色褪せない魅力があります。ヤンが大好き。

　読みやすい！瀬戸内寂聴版であっさり挫折した私ですが、角田光代さん版はもしかしたら最後まで読破できるかも？ 学生時代にタイトルだけ習いましたが、こりゃ中身は深堀りできませんわ😁

気候変動を真剣に熱く語る良書。「自宅が燃えている」という表現は秀逸ですが、超富裕層は自宅が広すぎてそれに気付かないのかしら。人間の欲は果てしないが、地球のキャパシティには限りがある。「大洪水よ我が死の後に来い」な態度ですが、デットラインはもう過ぎてる気がするな…。

日時に潜む様々な不公平、不正義についてライトに論じる本。（手首が痛くなる厚さで、後半辛い）中庸と論理的思考を重視する所は賛成ですが、だからこそ薄味感は否めないかな。

手帳特集を買うのは何回目だろうか？文具関連大好きな私は、毎回楽しく読了。

毎年恒例、ムーミン特集。安定のホッコリをありがとうございます。

　美容行為全てが媚びへつらう為と言うのは暴論だと思う…。でも、日本で言う「女子力」って要するに、男性ウケに特化してないかい？

　家父長制と女性蔑視。被害は拡大する一方。文章が堅くて読みにくいんですが、著者の熱量が凄くていつの間にか夢中に。科学は進歩しても、肝心の人間が100年前から抜け出せないのが悲しい限り。

　資本主義至上主義が公共の利益を後退させ、民営化のツケは庶民が支払う。企業や資本家による社会貢献は、そうすることで生まれる莫大な利益への些細な投資。社会を統治するのは民主主義で選ばれた者ではなく、桁外れの金持ち…。なんだこのディストピア(^_^;)最近流行りの「ウォーク」とは、社会正義に目覚めたのではなく、新たな金脈を見つけたという意味なのか。

　道徳とか倫理の授業は、半分昼寝(^_^;) でも、じっくり考えると凄く面白かった。自然と身につくのではなく、押し付けられたかもしれない論にギクリ。

　いちごのショートケーキ。しかもホール。これを祝祭と取るか、絶望に打ちひしがれるか、それが問題だ。細く繋がった連作短編集。坂木司らしく、甘いだけじゃないのが尚良し。

　感想と批評の差に慄く私。楽しいとか、なんか好きとかではなく、何故そう思うか論理を組み立てるわけか。参考になります。

　好きな作家＋好きな世界観。なのに何故か乗り切れなかった(^_^;) 白川紺子さん、好きなんだけどな。

　タイトルが既に議論を呼びそう😁共有とか共生というと、ちょっとビビりますが、生き方の形は人それぞれという話。拡大家族は無理ですが、閉じた核家族のリスクや行き過ぎた自己責任論に疲れた人は沢山いるんじゃないかな。人類がリスクを分散し、生き残る為に如何に創意工夫してきたのか。奇抜な話ですが、なかなか面白かった。

「私たちは」である。あなたも私も、おしなべて他者に影響され暴徒や傍観者になる。 ヒーローにはなれなくとも、異常な熱狂に飲まれて思考停止することは避けたい。自己とは何か、定義が難しく、簡単に揺らぐことを忘れてはいけない。

大手新聞社を早期退職したミニマリスト、身一つで海外に飛び立つ。旅のテーマが「生活する」だけあって、派手さはない、けれど愛おしい日々が綴られていて読んでいてホッコリしました。 笑顔と親切は国境を越えてパワーを持つ。アフロ稲垣さん、愛すべきキャラクターです。

　電車で読みにくいタイトルと表紙ですが、示唆に富んで面白い。資本主義が進むに連れ女性の権利が狭まれたというスリリングな論理。専業主婦の危うさ等、日本でも分かりやすい話を分かりやすく解説。グラデーションはあると思いますが、男女格差は世界共通なのか…😢

　デジタルの大波にコロナ禍が襲来し、分断は進み孤独は深まる。人は直接のコミュニケーションを嫌い対面に恐怖する。子供がAIアシスタントからマナーを学び、デジタルを相手に恋をする。大袈裟だと思うなかれ、最後に他人と直に会話したのは何時ですか？

誰だって苦しみがある。誰だって悲しみがある。けれど他者の痛みに無関心で…。あり得ないくらい優しい世界観。瀬尾さん大好きだ。

　怪異との不思議な邂逅を、清らかな筆致で描く良書。何にでも説明を求め、理屈ばかりに凝り固まった頭と心が解れていきます。

　もはやインフラ級の世界企業の闇が深い…。大げさに言えば、現代の奴隷制。即日配達とか、利便性の影に何があるか。サービス過剰を禁止し、労働者を守る法整備が急務！

　大人になると、友達というフレーズに痛痒くなるのは私だけだろうか。 日々に追われ、関係維持を怠り疎遠になる。難しいですが、頑張らねば。