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2025年11月の読書メーターまとめ

桜もち 太郎
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2025年11月に読んだ本
14

2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

桜もち 太郎
成瀬シリーズも第三弾で完結だ。京都大学に入学した成瀬があかりという名のごとく周りの人たちを照らしていく。我が道を堂々と歩む成瀬は爽快感があって心地よい。京都大学では森見登美彦前と後があるという説があるらしいことを知り、さもありなんと思ってしまった。物語は失恋した同級生、達磨同好会との不思議な面々、新たな出会いに前向きに進む成瀬の活躍が眩しく映る。成瀬がびわこ大津観光大使として最後の仕事を成し遂げるところでは感慨深く感じてしまう。本当にこれで終わりなのか、200歳まで生きるという成瀬、続編を熱望する!!
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2025年11月にナイスが最も多かったつぶやき

桜もち 太郎

10月に印象に残ったのは、佐藤 正午著、「熟柿」でした。早いもので今年もあと2カ月、仕事頑張れるかな。2025年10月の読書メーター 読んだ本の数:14冊 読んだページ数:4491ページ ナイス数:480ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/223491/summary/monthly/2025/10

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2025年11月の感想・レビュー一覧
14

桜もち 太郎
成瀬シリーズも第三弾で完結だ。京都大学に入学した成瀬があかりという名のごとく周りの人たちを照らしていく。我が道を堂々と歩む成瀬は爽快感があって心地よい。京都大学では森見登美彦前と後があるという説があるらしいことを知り、さもありなんと思ってしまった。物語は失恋した同級生、達磨同好会との不思議な面々、新たな出会いに前向きに進む成瀬の活躍が眩しく映る。成瀬がびわこ大津観光大使として最後の仕事を成し遂げるところでは感慨深く感じてしまう。本当にこれで終わりなのか、200歳まで生きるという成瀬、続編を熱望する!!
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桜もち 太郎
絲山さんの9つの短編新作は、生と死の間を魂がふわりふわりと行ったり来たり、という感じで捉えどころのない物語だった。全く現実味がなく人の体から魂が遊離するのか、夢か真実なのか全くわからない。誰もかれもいつかはいなくなり、誰もが忘れ、忘れられる。「命を借りて生まれ、命を返した、それだけのことだ。何かのために生きた、などということはない。因果もなければ続きもない」、だったらなぜ人は生きるのか。過去は夢なのか。何となく滅入ってしまう。と同時に絲山さんの状態が少し心配になってしまった。
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桜もち 太郎
著者6年ぶりの長編大作は読みやすく面白かった。昭和21年、戦後日本を民主化しようとするGHQの政策「民主化の授業」。生徒に選ばれた4人の女性たちと、日系2世の教師役サクラギとの物語。民主主義とは何だと聞かれても、何となく雲をつかむような自分だが、当時の日本人にとっては想像もつかない話だろう。アメリカン・デモクラシーでさえ矛盾を含んでいるのに、それを日本に植え付ける。逞しい女性たちの物語だが、それだけでは終わらない。勧善懲悪的な終盤は読みごたえがあった。自由恋愛も民主主義の一つだしね。みんな幸せが一番。
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桜もち 太郎
10年前の作品ということは作者が29歳。少女たちの心情がよくつかんでいるという印象。主人公の私は魔法少女で転校生の安楽さんはアンドロイド。この辺を読みながら、あ~、苦手なファンタジー?SF?と思い、軽く読み流していたら後半は案外と重い展開になっていった。人間には成長がある。ロボットには成長がないのか、友情は成立しないのか?女子高生である彼女たちは「青春を戦っている」。周りにいる誰かが「その人をその人だと見つめ続けること」それが真の人間関係なのかもしれないな。最後は瑞々しく終わってよかった。
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桜もち 太郎
メルカリのヘビーユーザーの自分にとって、興味を引く題名だった(買い専門)。せどり、ドンキで安く買ったものをフリマアプリで高く売る。せどりグループにスカウトされた主婦の話し。夫は適応障害で療養休暇中で無駄な買い物が多い。せどりグループの人間関係、夫との関係が物語の柱となっているのかな。あまり深みはなかったが、何となくするすると読めてしまった。そういえば過去にブックオフで110円の本がメルカリで4000円で売れたことがあってビックリした経験がある。物の価値は人によるんだなと思った。この本ももちろんメルカリ。
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桜もち 太郎
芥川賞か・・・。転勤族の父親の最後の勤務先は田舎町。中学三年の歩が転校したのは、廃校が決まっている学校。中三男子は6人しかいない。閉塞感満載の物語。はじめは何となく緩く、しかしその中に不穏な雰囲気が漂っていた。少年たちの陰湿ないじめ、そして暴力。いじめられていた少年の最後の反撃は相当なグロさ。読んでいて吐き気がするくらい。「暴力の果てに何を見たか?」って帯にあるけれど、そもそもなぜ暴力をテーマにしているのか意味が分からない。もうこの作家は読まないと誓った。
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桜もち 太郎
「レム」と呼ばれる日曜に集う人たち。様々な理由により生き辛さを感じている彼らは、この会で過去を告白し、ノートに記すことにより、救われる者もいれば死を選ぶ者もいる。「人間が個人で抱え込める感情には限界がある」厭世的になるに至っては、性的虐待、いじめ、などあげられているが、はっきりとして原因はあまりない。電車への飛び込み、リストカット、首吊り、練炭様々な方法で死んでいく。「自殺」の書といってもいいこの作品であるが、各人本当は「安らかに死にたい」と思っているのではないだろうか。死に吸い込まれそうになった。
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桜もち 太郎
1999年6月22日、夫が日本製モンスターバイク・ホンダCBR900に乗り事故に遭い死んだ。「もし」と仮定の話が前半に続く。運命という言葉は好きではない。誰もが不幸の原因を見つけ、責任を押し付けようとする。因果、結果の中に原因がある。生きるということはその連鎖だと考えると圧し潰されそうになる。作者は自身に責任はなかったのか何に責任があるのか、答えの見つからない課題を背負い続けている。そして「なぜ」と疑問につながる。夫の死から20年を経てようやく一冊の本になったらしい。今後はどう生きるかが問われるのだろう。
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桜もち 太郎
心臓の病気で死にかけた作者が行く、人が自ら命を絶つ場所へ。「自分の死に場所を探したい」という気持ちから、この本の執筆を引き受けたらしい。ありのままの自分は醜く矮小で、とても脆い。だから消えたいと。今回のルポは世間でいう「出るところ」をレポートしている。読んでみると実際はファンシーな場所に変わってしまっていたりして、怖いという感覚は全くない。この本は作者が死と向き合うために書かれたものだ。希死念慮の気持ちが少しずつ芽生えているという作者。読み手としても死に引きずられてしまいそうになる。そういう怖さがあった。
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桜もち 太郎
「小説すばる新人賞」受賞作。なんて落ち着いた硬い文章を書く作家なんだろうと読み終えて思う。定時制高校に通いながら失業した父親を助ける耕一郎。飲んだくれで将来のために貯めた金を父親に盗まれる。そして衝撃的な話を父親から聞く。耕一郎の逃亡生活は路上生活、寄せ場、屋台、町工場と仕事を変えていく。終盤すべての憂慮すべきことが霧が晴れるように取り除かれる。父親の存在意義を善意という名のもとに奪ってしまった耕一郎の後悔。「耕一郎は絶対、幸せになる資格があるからね」と元カノの言葉。試練が人を成長させると感じた物語。
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桜もち 太郎
「僕の小さな希望は、とざされた暗闇の中でのみの存在でした」、作中の作家・柊朱鳥の一文。連作短編集だが、短編というより全てが繋がっている長編のようだった。「女の子は十二歳で、すでに女でした。男の子は七歳で、人生に疲れていました」そんな男の子を女の子が監禁する独占欲。たった三日間の出来事だけれど、男の子の人生に大きな影響を与えた。自分の玩具のように扱い、捨ててしまった女の子。物語の終盤は、よく似た子供が出てくるが、結果何を言いたいのかわからなかった。どの作品も何となく隠微な感じがした。
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桜もち 太郎
癌で死にゆく、ゆき江叔母さんが親族を払い除け、唯一側に寄せて遺言を聞かせたのが、この物語の主人公である高校生の姪景子だ。叔母が何を語ったのか、作者は読み手に聞かせるつもりはない。コミカルなのは体育教師とのやり取りだ。女性性器を自慢気に板書するくだりの少女の冷めた目線。そして古文の50絡みの教師と肉体関係を匂わすくだり。「私、もう処女じゃないの」と叔母への報告は衝撃的だ。相手は古文かと思うが、これも明らかにされていない。大学病院の待合室での老婦人の醜態は臨場感があった。後に出る「二十四五」より荒削りだった。
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桜もち 太郎
正直競技かるたには全く興味はなく、百人一首も「天の原 ふりさけ見れば・・」くらいしか知らない。40歳夫子持ちの希海は家族との狭間の中で競技かるたに心を奪われていく。題名の「今を春べと」とは、競技を始める前の「序歌」の一部だ。「私が今を春にする」なんだっていい、一つのことに集中しやりきることの美しさを感じる。彼女は家族と折り合いをつけながら競技に打ち込む。エピローグでは、突き抜けた希海の片鱗が語られるし、また息子の成長も見られて良かった。自分にとって「今を春べと」って何だろうと思ってしまった。
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桜もち 太郎
読み終えて何とも言えない余韻に浸る。けして心地よいものではない。でも先を読まずにはいられない。1982年に発刊された著者のデビュー作「きもの鳥はうたえる」は、僕と佐知子と静雄の三人の物語。印象的だった風景は佐知子の傘の両脇に二人が入る姿。僕の彼女である佐知子を静雄に譲ることにモヤっとした感情がわく。そこに後悔はないのか、男としての嫉妬はないのか。「草の響き」も良かった。自律神経失調症になる「彼」が医師の勧めでランニングを始める。何のために走るのか、何のために生きるのか。なぜ暴走族のノッポは自死したのか。→
桜もち 太郎
2025/11/01 19:19

→作者が41歳で自死した理由がそこにあるのかもしれないと感じた。表題作の登場人物は21歳。学生ではなく書店でのやる気のないアルバイトであったり、無職であったり。厭世的な感じの中にも、現実の中で生き抜かなければならない様が見える。最後の静雄のくだりは悲しいが、静雄の心のうちは「彼」にも佐知子にもきっとわからないだろうけど、三人の関係性は崩れることはないのだろうと思った。純文学、いい読書だった。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/05/22(4953日経過)
記録初日
2003/05/22(8241日経過)
読んだ本
3254冊(1日平均0.39冊)
読んだページ
892311ページ(1日平均108ページ)
感想・レビュー
2965件(投稿率91.1%)
本棚
14棚
性別
職業
専門職
自己紹介

読書が好きです。でも読んだ内容はすぐに忘れてしまいます。致命的です。だから附箋をはりながら読んでいます。いろんな作家を幅広く読もうと思うのですが、結構、偏ってしまいます・・・・。一応司書教諭の資格は持っていますが、全くいかせてません。
人生最高の書籍は、夏目漱石の「こころ」、遠藤周作の「沈黙」です。べたですね。

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