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2024年3月の読書メーターまとめ

桜もち 太郎
読んだ本
13
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3880ページ
感想・レビュー
13
ナイス
415ナイス

2024年3月に読んだ本
13

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

桜もち 太郎
八王子の呉服屋の娘由実ちゃんが、荒井由実として日本のポップ界を牽引する以前の序章が描かれた作品。一瞬のイメージを掴む天才的な感覚は、幼い頃からの空想癖により育まれていたのだろう。環境や体験してきた全てのことがYumingの血となり芸術に昇華する感じが伝わった。『陰りゆく部屋』『ひこうき雲』、「本物の十代の少女が、リアルな心理を歌う時がきた」といわれたことにも納得。人と同じことはしたくない、唯一無二の存在がYumingなんだろうね。すべての事をありのままに伝えられるってやはり天才なんだろうな。
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2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

桜もち 太郎

2月のベストブックは乗代雄介著「それは誠」でした。年度末の忙しさに心をなくしてます。2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:3044ページ ナイス数:400ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/223491/summary/monthly/2024/2

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2024年3月の感想・レビュー一覧
13

桜もち 太郎
難解な文章に苦戦。実験中に液体空気が爆発し、顔中がケロイド状になってしまった主人公のぼく。蛭の巣のような顔にコンプレックスをもち、他人の顔の型取りをして、仮面の作製に成功した。妻の前では顔面包帯男、出張と嘘を付き仮面での生活を送るぼく。そして偽の顔で妻をナンパしベッドイン。奇妙な三角関係だ。長い手記という形で、物語は進行するが、実は妻は全て知っていた。思考の7割が性的妄想で占められる彼だが、妻の思考的にはどうなんだろうか。テーマは何?性と死、喪失、ルッキズム、夫婦、、、。作者の内的思考は複雑だ。難解。
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桜もち 太郎
苦労、心や身体に受けた傷、親や環境に愛され育ってきたこと。それらは人の表面に人間性として、滲み出てくるんだろうなと感じた。バリで精霊の存在を感じながら育ったさやかは、物の記憶を読み取ることができる能力がある。スピチュアルな感じがするが、物語に自然と馴染んでいるため違和感はない。癌で死んだ夫、飛行機事故で死んだ両親、幼くして死んだ元彼の双子の兄弟、そしてその母親、みんな死んでしまったが悲観的ではなく、遺された人は温かく護られている。「いきているかぎり、ちゃんと生きたいなあ」さやかの娘の言葉だ。→
桜もち 太郎
2024/03/24 09:41

→「ちゃんと生きたい」、難しい生き方だ。不義理が多い自分にとって、この言葉は結構重い。あとがきにあったが、「サーカスナイト」はミュージシャン七尾旅人の楽曲から借りたものらしい。youtubeで聞いたが、優しいメロディー、歌詞が物語にマッチしていた。

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桜もち 太郎
永遠と孤独な男の心の内を聞かされている感じがした。別れた元妻に対する思い。職場で恋してしまった後輩への思い。そして飲み屋で知り合った女を泊めてしまったこと。中でも後輩千笑のことどんだけ好きやねんって感じ。「自分の毎日を生きるのは自分しかいない。自分たちの毎日は自分たちだけのものなのだ」大好きだった千笑の生き方だ。物語は大きな変化は全くなく、淡々と進んでいく。ただそれだけの話だった。結局人生ってそんなものかもしれないな。
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桜もち 太郎
京都を舞台にした短篇6作品は、神社の果たす役割が大きい。花房作品は言わずと知れた官能の世界。神社と官能、全くの対極にあるような感じがするが、絶妙にマッチするんだなこれが。神社での出会い、神社をきっかけにして新たな人生が開けたり。「ただ、したい、その気持ちだけでするのが、まぐわいというものだ」、セックスに目的を持ったら快楽は失われる。気持ちのままに、本能のままに、理性を取っ払い、気持ちだけでする行為、登場人物たちはそんな最高なセックスをしていた。何かまぐわいが厳粛な行為に感じた。ヤッパリ花房観音サイコー。
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桜もち 太郎
久しぶりのミステリーはスピード感があって面白かった。題名に惹かれ手にしたこの作品。大学時代の友人、三十路の主婦女3人が出くわす事件。夫の失踪、モラハラ、報われない仕事への不満、結婚後に訪れた孤独、亀裂が入る友情、すべてがままならない。「元気なまま死んでくれないかしら」「いっそのこと死んで!」彼女たちにそう思わせる夫の存在って何?逆に妻の存在って?ぐわんと振り幅が大きい物語だけれど、夫婦の本質が描かれている気がした。それにしても人間の深層心理は奥が深い。最後のくだりを読みゾッとしたのは自分だけだろうか。
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桜もち 太郎
20代の西加奈子のエッセイは、若さが溢れ本から元気が飛び出して来るような感じがした。以前読んだ40代のエッセイ「くもをさがす」では乳癌に罹患し、治療する過程を書かれたものであったが、どちらの作品もありのままの西加奈子。「この話、続けてもいいですか。」との題名のように、「この話もあの話も、聞いて、読んで」と言っているような素直な文章に好感が持てた。こんな人が身近にいたらずーっと見ていても飽きがこないんだろうね。
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桜もち 太郎
変態物をこよなく愛する自分だが、この物語は琴線に触れることはなかった。主人公の加奈は、男の経済力に目がくらみ一見爽やかな一郎と結婚相談所の紹介により結ばれた。バツ4の一郎の欠点は「妻を愛しすぎる」こと。異常性欲、束縛、どれを取っても吐き気がする描写。もうここまできたらサイコパス。こういうのではないんだけどなぁ、と思いつつ不思議とサクサク最後まで読み切ることができた。それもストーリーに引きの強さがあるからであろう。違った意味で忘れられない一冊になりそう。初読みの作家、機会があれば違う作品も読んでみたい。
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桜もち 太郎
八王子の呉服屋の娘由実ちゃんが、荒井由実として日本のポップ界を牽引する以前の序章が描かれた作品。一瞬のイメージを掴む天才的な感覚は、幼い頃からの空想癖により育まれていたのだろう。環境や体験してきた全てのことがYumingの血となり芸術に昇華する感じが伝わった。『陰りゆく部屋』『ひこうき雲』、「本物の十代の少女が、リアルな心理を歌う時がきた」といわれたことにも納得。人と同じことはしたくない、唯一無二の存在がYumingなんだろうね。すべての事をありのままに伝えられるってやはり天才なんだろうな。
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桜もち 太郎
作者没後ワープロのフロッピーディスクから発掘された作品。安部作品を手にするとトキメイてしまう。どんな作品、何が書かれてる?って。「飛ぶ男」と「さまざまな父」の二作品は一体だ。「飛ぶ男」の導入が「さまざまな父」ということであろう。途中文章が飛んでしまい不明瞭な箇所があるがこれもまたよい。透明人間になれる薬か宙を飛べる薬の選択、透明人間が緑色のコンドームを付けている光景の滑稽さには笑ってしまった。「内部の内部から外部への経路を開くための画期的な実験」との解説。一筋縄ではいかない作家だけどやめられないな。未完。
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桜もち 太郎
乗代雄介4冊目。叔父と姪っ子であるサッカー少女、亜美(あび)が、我孫子を起点に鹿島アントラーズの本拠地まで歩く物語。う〜ん、サッカーに、柳田國男、真言宗、塚原卜伝、小島信夫に茨城県の自然や風土に全く興味がない自分にとって、つらい読書となった。コロナ禍、学校が休校になり、6日間、小説家である叔父は文章を書く練習を、姪っ子はリフティングの練習をしながら歩き通す。途中で大学を卒業したみどりさんとの出会いがあって、、、、。泣ける物語とのうたい文句だったが残念な一冊だった。辛口ですみません。
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桜もち 太郎
「はげばかり、はげばかりいる」、感染症と言われているが、原因ははっきりしない。はげの人に近づいた人からはげていく。男も女もはげの連鎖だ。18歳位までは地毛が生えているが、それを境にはげていく。それだけはげが多いと恥ずかしさもなくなる。しかし主人公の真智加ははげてない。幼い頃から薄毛をコンプレックスにしていた彼女は、怪しい薬のせいか髪が増えていく。何か変な物語。終わりが見えない。はげが社会に蔓延した時、地毛の人がコンプレックスに感じるなんて。おぞましく何ともシュールな物語だった。こんな世界がきませんように。
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桜もち 太郎
道ならぬ恋ではない。互いには結婚をしていないパートナーがいるが、10年前に恋人だった真奈と竜介は南国タヒチで偶然の再会をする。焼けぼっくい的な恋ではなく、遠く離れても奥底では求めあっていた。「ひと夜限りの情事」が「ひと夜限りの真実」に、それが永遠の愛に繋がっていく流れは素晴らしい。南国の情熱、バーテンダーのジョジョのマツコデラックスのような人柄も恋の成就に果たした役割は大きい。縛られた恋なんかより情熱的な恋の方が断然魅力的だ。自分の若い頃を思い出した。あの時の分岐点、違った人生、いろいろと考えてしまった。
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桜もち 太郎
都会から西伊豆の田舎に戻り、かき氷屋を始める私。ある夏、母親の親友の娘・はじめちゃんを預かることになった。亡くなった祖母の遺産相続に巻き込まれ、心に傷を追った彼女の顔には大きな火傷の痕がある。二人でかき氷屋を営んだ一夏の経験は、関係を深め、心を豊かにしていく。何てピュアな物語なんだろう。はじめちゃんの両親も誇り高く生きている。「人を傷つけて得たものって、きっと小さなしみみたいに人生につきまとうよ」人を傷つけた人は、それなりの人生を歩んで死んいく。その対極に生きる純真無垢な二人の物語だった。癒やされた。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/05/22(4357日経過)
記録初日
2003/05/22(7645日経過)
読んだ本
2929冊(1日平均0.38冊)
読んだページ
806089ページ(1日平均105ページ)
感想・レビュー
2640件(投稿率90.1%)
本棚
12棚
性別
職業
専門職
自己紹介

読書が好きです。でも読んだ内容はすぐに忘れてしまいます。致命的です。だから附箋をはりながら読んでいます。いろんな作家を幅広く読もうと思うのですが、結構、偏ってしまいます・・・・。一応司書教諭の資格は持っていますが、全くいかせてません。
人生最高の書籍は、夏目漱石の「こころ」、遠藤周作の「沈黙」です。べたですね。

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