
当然のように出てくる言葉は「暑い」。この夏、気合いで乗り切るしかありませんが気合い不足です。お互い身体には気を付けたいですね。7月、印象に残った一冊は、金原ひとみ著「マザーアウトロウ」でした。2025年7月の読書メーター 読んだ本の数:14冊 読んだページ数:3632ページ ナイス数:514ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/223491/summary/monthly/2025/7
→考えてみると人間みな平等、僧侶も檀家も上下はない。自分たちで経を読んで供養する事って、一番死んだ人が喜ぶことではないか。最近では墓じまいとかいろいろな問題がある。そういうことを考えると、時代の変化とともに仏事も変わっていってもいいと思う。自分の時はどうしようかと考える時がきているのかな。
→『君の幸せだけが、君に起きたいろんなことに対する復讐なんだ』、心に留めておこう。幸せって何?って聞かれても答えられないけれど。あとは2008年12月号の「小説新潮」が残っている。当時物議を醸しだした豊島さんが作家をやめた本当の理由が書かれている。メルカリで購入。もうすぐ届く。
小説新潮を読む。「休業の理由」とのエッセイだ。直接的な言及は避けていた。「読まれるために書くのではなく、書きたくて書いたものが、結果的に読まれるようにならないかどうか」とあった。本当に書きたいことへのエネルギーがなくなったのかな。最後に「次に小説に戻る時には、ちゃんと読者の顔を見ていたい。そうして、できれば、小説を書くためにいる小説家でありたいと思う」で締めくくった。いつかはきっととファンとして思わずにはいられない。
→若いころから群れるのがイヤで一人で生きてきた重ちゃん。ソープランドのリコだけが自分をわかってくれている。しかし彼女には彼氏がいて玉砕。「ちょっと淋しくても、それまでは自由気ままにのらりくらり。猫だ。猫みたいにさ」って最後の言葉なんだけど、死ぬまで猫みたいに生きていたいって、悲しいけれど何となく男として気持ちがわかる気がした。全編満足の一冊。それにしても豊島ミホさんの復活を願っているのは自分だけだろうか。もう書かないのか、書けないのかどっちなんだろう。淋しいよなぁ・・・。
→もし自分が彼らのような立場だったらどうするか、そう考えるから怒りがわくし、感情移入するんだな。自分本位上等だね。初読みの作家のデビュー作。今後追っていく作家がまた一人増えた。おすすめの一冊だ。次は2作目「Nの逸脱」をさっそく読んでみよう。
→作者があとがきで書くように、善と悪の二元論では語れない感じがする。何が善で何が悪なのか、冴木が犯した罪はどんな罰でも補うことはできない。だから冴木は死を選んだ。物語の結末は読者にゆだねられることになる。真実は何なのか?少しモヤっとしたがそれでいいと思う。許されることができない性癖。もしかしたら人間誰もが奥底に持っていて、それが何かの縁で出るか出ないかの違いだけかもしれない。「最後の命」って題名も奥深く感じた。
→死は必ず誰にでも訪れる。生死の価値観を考えさせられる。祖父の名前は今村豊。作者はXのポストで発明家であった祖父は「太平洋戦争で使われた今村五連式銃の開発者、軍のために自動小銃を開発してました。しかし自分が発明した銃で命が奪われることに心を痛め、浄土真宗に帰依、人間の平等、命の意味を探求するようになります」と言っている。物語に深みを与えるポストだった。
→国家総動員法発令、大手新聞社の扇動。満州国で掲げられた五族協和。土地を奪われた中国人の日本に対する憎しみ。考えさせられることが多すぎる。敗戦に向かって進む日本については次巻となる。それにしても参考文献の量の多さは凄すぎる。作者の意気込みを感じた。第2巻は9月18日発売予定
「人を好きになるのは本当にタイミングだね。思い通りに行くよりも、いかない方が多い。きっと本当に求めているならば絶対に結ばれると信じている」とはアンリの言葉。自分自身いろいろ考えさせられる言葉だ。だったら失恋なんてないしなぁ~、とも思うし。人間の心の機微は難しい。中江有里の解説が良かった。
→俊之のなかに雅之を感じる繭子。そして俊之の正体。ざわつく終盤、本当のことは何なのか、確かに感じた俊之との逢瀬。22歳っと46歳の繭子、同じ快楽を味わったことも確かなことなのだろう。野良猫のくまの温かみを感じる繭子が印象的だった。46歳の繭子。これからの人生、どのようにして生きていくのだろうか。思いの深さが異次元の世界を呼び込んだ物語。
読書が好きです。でも読んだ内容はすぐに忘れてしまいます。致命的です。だから附箋をはりながら読んでいます。いろんな作家を幅広く読もうと思うのですが、結構、偏ってしまいます・・・・。一応司書教諭の資格は持っていますが、全くいかせてません。
人生最高の書籍は、夏目漱石の「こころ」、遠藤周作の「沈黙」です。べたですね。
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