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2025年9月の読書メーターまとめ

桜もち 太郎
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12
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感想・レビュー
12
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2025年9月に読んだ本
12

2025年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

桜もち 太郎
読み始めは霞んでぼやけていた内容が、物語が進みにつれて解像度が上がっていく。「ファンダム」とは押し活する人たちを中心とするコミュニティだ。それを動かす搾取する側の話でもある。搾取する側、される側、もとされていた側の3人の物語だが、それにしてもその界隈のすごいこと。実際に起こっていることなんだろうな。押しのためなら全てをなげうち、すっからかんになるまで戦うなんて、自分には到底できない。その奥底にあるのは、孤独であったり淋しさであったりするのかな。人それぞれだと思うが、それは3人の共通するところだった。→
桜もち 太郎
2025/09/15 08:43

→主題のメガチャーチとは、無主教の人が増えたアメリカで、神の力が弱まり、その代わりとなるストーリーが必要となり、そのストーリーとコミュニティを一緒に提供する場のことらしい。物語での中で一人の学生が語る。今の日本はメガチャーチマーケティングが一番機能していて、それが押し活界隈だと。ランダム商法、CDの大量買い、などなど負の側面を浮かび上がらせる作者の手腕はさすが。日本社会のありようについて陰謀論まで展開するなんて、どうなのと思うところもあったけれどね。何に付けても程々にということかな。押し活界隈を抉る作品。

が「ナイス!」と言っています。

2025年9月にナイスが最も多かったつぶやき

桜もち 太郎

さあ、9月がはじまりました。仕事頑張らなければ!8月に印象に残った一冊は、奥田英朗著「普天を我が手に 第一部」でした。9月もよろしくお願いします!2025年8月の読書メーター 読んだ本の数:30冊 読んだページ数:8215ページ ナイス数:877ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/223491/summary/monthly/2025/8

レモングラス
2025/09/23 09:28

『ニュートンの林檎』『イン・ザ・メガチャーチ』など読みたい本が次々出てきて、レビュー、いつも楽しみに拝読しています。ありがとうございます😊

桜もち 太郎
2025/09/23 20:32

こちらこそ参考にさせてもらってます。これからも良い読書をしていきましょうね。

が「ナイス!」と言っています。

2025年9月の感想・レビュー一覧
12

桜もち 太郎
「オープンハウス」と「グッバイ ジェントルランド」は連作。そしてもう一作品「バーチダ ジェフェレンチ(奇妙な鼓動)」もほんの少し繋がっている。三作品とも完璧な純文学だった。20代にしてカード破産した「僕」は売れないモデルのミツワのもとに転がり込んで居候となる。そしてベランダには鳴き声防止訓練首輪を着けた犬がいる。僕とミツワと犬のざらざらした関係、「孤独」が物語をリードする。「運命は次から次へ面倒くさいことを突然持ってくる」たまったもんじゃない、とは三篇目の主人公の思い。人生を吹っ切った彼女が清々しかった。
桜もち 太郎
2025/09/30 19:18

しばらく辻仁成作品が続く・・・。

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桜もち 太郎
安珠という写真家が撮った写真に、辻仁成が詩をつけた作品。すべての詩は「ここにいないあなたへ」から始まる。おそらく写真のすべては北海道だろうか、広大な自然とそこに生きる人たちの姿が映し出されている。そして「あなた」とはいったい誰なのか。「忘れられないあなた」、失恋した相手なのか、「強く生きてみるよ。あなたの分まで」、死んでしまった誰かなのか。きれいな写真と文章にほんの少し癒された。
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桜もち 太郎
向上心が半端ではない昭和元年生まれの4人の若者たち。戦中戦後の渦の中に巻き込まれながらも逞しく生きていく。志郎、四郎、ノラ、満、それぞれの立場での奮闘が清々しい。回転特攻隊の命を受けるが、終戦になり生き残る四郎、戦争に翻弄された若者たちの真っすぐさが、かえって痛々しかった。戦時下における満州での関東軍の卑劣さ、どさくさに紛れて参戦したソ連軍の横暴。「国民を守らない国は戦争をする資格がない」、関東軍、日本が行った棄民政策には反吐が出る。第二部の終わりに、生き残った4人が再び巡り合う。最終巻が楽しみだ。
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桜もち 太郎
「どうしても忘れられない異性がいる。現在がどんな境遇にいようと、決して切り捨てられずに、密かに心の中に抱えつづけているひとがいる」(巻末:後ろ姿)より。10代から40代まで語り手の僕は、エネルギッシュで我が道を行く元子の人生に振り回されていた。そして二人はどのような状況に陥ろうとも、引力のように引き合っていた。3度人妻になった元子なのに、互いの心が引き合う。元子のせいで生死をさまよっていても、なお引き合う。そんな女性が元子だった。僕の長い元子へラブレターだ。死人同然の僕が最後は活力を取り戻し安堵した。良書
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桜もち 太郎
とても25年前に書かれたものとは思えない程の臨場感。1978年、大学生だった僕と元子の物語。大学で出会った二人は親友でもあり同志でもあり、心のどこかで愛し合っていた。元子は生ぬるい大学の生活に嫌気をさし退学する。その元子の人生の渦にのまれていく僕。二十歳前後の若さは人生の中において特別だ。その特別なときに二人を襲う不幸。元子は姿を消し、僕は映画監督として成功をすることになる。10年後二人は再会する。二人の不幸の原因となったものに対する復讐心に接する僕。スピード感がありのめり込む。さっそく下巻に突入しょう。
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桜もち 太郎
忍耐のいる読書だった。日系アメリカ人作家が描く独特な世界観。「スイマーズ」とあるように、公営地下プールでの人間模様に始まり、プールにひびが入り、集う人々の心に不穏な雰囲気が漂う。話は一転、プールに通っていた一人の女性が認知症になる。「覚えている、覚えていない」との文章の羅列が強烈にきつい。そして施設に入ることになり、その施設のルールが皮肉たっぷりに語られる。そして最後はその施設で終焉を迎える彼女の脳みそを検体実験し、スライスする衝撃多岐な結末。ここで問いかけられる「あなた」とは作者のことだろう。辛かった。
が「ナイス!」と言っています。
桜もち 太郎
読み始めは霞んでぼやけていた内容が、物語が進みにつれて解像度が上がっていく。「ファンダム」とは押し活する人たちを中心とするコミュニティだ。それを動かす搾取する側の話でもある。搾取する側、される側、もとされていた側の3人の物語だが、それにしてもその界隈のすごいこと。実際に起こっていることなんだろうな。押しのためなら全てをなげうち、すっからかんになるまで戦うなんて、自分には到底できない。その奥底にあるのは、孤独であったり淋しさであったりするのかな。人それぞれだと思うが、それは3人の共通するところだった。→
桜もち 太郎
2025/09/15 08:43

→主題のメガチャーチとは、無主教の人が増えたアメリカで、神の力が弱まり、その代わりとなるストーリーが必要となり、そのストーリーとコミュニティを一緒に提供する場のことらしい。物語での中で一人の学生が語る。今の日本はメガチャーチマーケティングが一番機能していて、それが押し活界隈だと。ランダム商法、CDの大量買い、などなど負の側面を浮かび上がらせる作者の手腕はさすが。日本社会のありようについて陰謀論まで展開するなんて、どうなのと思うところもあったけれどね。何に付けても程々にということかな。押し活界隈を抉る作品。

が「ナイス!」と言っています。
桜もち 太郎
よく似たテーマの作品を連続に読んだ。本作品はアセクシャル(無性愛)がテーマ。女王様のデリバリーの電話番である女子・志川いわく「他人に対して、性欲を持たないの。男にも、女にも」とのこと。こんなセクシャリティがあるなんて初めて知った。彼女自身がそれに対して向き合う姿勢に若干のイラつきがあったが、それは偏見になるのかな。失踪した女王様を探し出す執念、なぜそこまでしてと感じたが、それも最後に繋がった。スーパーセックスワールドに生きる人間たちは、繁殖の範疇を越えて励んでいる。何か滑稽さを感じた終わり方だった。
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桜もち 太郎
夫婦としての在り方はそれぞれでいいと思う。性交渉も、恋愛感情も持っていない関係。しかし二人には共に過ごす時が必要だった。奈穂と尊の交互に物語は進む。マイノリティの中にも多様性がある。男は男らしく、女は女らしくと謳った政党があったけれど、それはあまりにも無慈悲だ。「男女が一緒にいる理由は、恋愛や性愛じゃなくてたっていいのだと。誰に説明する義務もないのだと」、二人が最後にそう気づけたのは物語の締めくくりとしてはよかった。マリアージュ・ブランとはフランス語で偽装結婚というらしい。彼らの結婚はそうではなかった。
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桜もち 太郎
1983年生まれの男女が夏休みの宿題で、身近な人から戦争体験を聞き作文を書こう、との課題を与えられる。二人の作文はクラスでの発表時に賞賛されるが、担任から嘘を疑われる。確かに慶輔は祖父に頑なに拒まれ、近所のマルミツの話を祖父の話とした。飯盒が鉄砲の弾から守ってくれた。家族も自分たちのウソのファミリーストーリーを知り感動する。そして祖父の葬儀の時に、お棺に作文を入れられる。時は2024年、パレスチナ問題に飛ぶ。「原子爆弾の投下は市民の虐殺」である。確かにそうだ。最後は何かバタバタした文章で終わってしまった。
が「ナイス!」と言っています。
桜もち 太郎
久しぶりの湊かなえ。15年前に起きた「笹塚町一家殺害事件」について、脚本家の卵である千尋と新鋭映画監督の香とともに真実を追求していく物語。一人の人間の傲慢な嘘が全てを狂わせていく結果に到達するまで読みごたえがあった。二人の生い立ち、関係性が見えてきたときには少しぞくりとした。イヤミスの作家という印象が強かったが、最後の一つまで究明できてほっとした。しかし、この物語を読んでどのように捉えたらよいのか、自分の中で若干の疑問が残る作品だった。北川景子さんでドラマ化されている物語。
が「ナイス!」と言っています。
桜もち 太郎
何故か定期的に読みたくなる西村寛太が描く北町貫多。今回初挑戦、長編の私小説だ。相変わらずのクズの頂点を行く貫多。しかし「今までの自身の生活を根本から立て直す」という目標を持ち、横浜の造園業にアルバイトとして働くことに。そこで出会った新しく入った女の事務員に恋をする。自意識過剰、自称高等遊民、プライドばかり高く気が小さいと自認する貫多は恋の成就のために働き続ける。が、決定的な破滅に自信を追い込んでしまう。何と間抜けなんだろう、アホなのか。とこトンというやつだ。でも憎めないんだよなぁ。→
桜もち 太郎
2025/09/05 19:04

→解説は「苦役列車」映画監督の山下さん。彼がいいこと言っていた。「貫多の濃度を100倍くらい薄めて見てみると、十代のころの自分が透けて見えてくる」まさしくこれなんだよなぁ。そうじゃないんだけれど、どこかで共感している自分がある。物語は自業自得のえげつない結末になっているが、読んでいてどこかで安心してしまう。安定のクズさ加減は最高だ。本当に残念なのは作者が若くして死んでしまったこと。新しい貫多がもう読めないのは少し寂しい。西村作品はプレミアがついて高くなっているし・・・。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/05/22(4953日経過)
記録初日
2003/05/22(8241日経過)
読んだ本
3254冊(1日平均0.39冊)
読んだページ
892311ページ(1日平均108ページ)
感想・レビュー
2965件(投稿率91.1%)
本棚
14棚
性別
職業
専門職
自己紹介

読書が好きです。でも読んだ内容はすぐに忘れてしまいます。致命的です。だから附箋をはりながら読んでいます。いろんな作家を幅広く読もうと思うのですが、結構、偏ってしまいます・・・・。一応司書教諭の資格は持っていますが、全くいかせてません。
人生最高の書籍は、夏目漱石の「こころ」、遠藤周作の「沈黙」です。べたですね。

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