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2025年1月の読書メーターまとめ

rou
読んだ本
5
読んだページ
1732ページ
感想・レビュー
4
ナイス
53ナイス

2025年1月に読んだ本
5

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2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

rou
桐壺の巻のみ。紫式部の文章では語り手の情報が宮中という共同体全体から下される判断を伝えている場合が多くあり、その際「冷ややか」な視線も散見される。(例えば桐壺更衣の母が娘を亡くした後取り乱し過ぎて周囲の女房がそれに辟易する場面など。)その一方で個人の内面に切り込む筆力が同時に備わっているあたりが紫式部の魅力でもある。が、その紫式部の視点を時に意図して操作(削除)した与謝野晶子の文章は複眼的な幅を作品から削るものに結果としてなってしまうのかな、と思うと、読み進める気力が失せてしまった。
rou
2025/01/12 08:10

与謝野晶子は浪漫派という特質からすれば美文がその生命線になるはずだが、しかし翻訳は直訳が多く、滑らかさに欠ける。

が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
4

rou
老いがさまざまな断片から語られる。彼の人生を追い越して行った人たち。思い出。或いは、若き日の自分。少し苦く、甘く。私はだから永遠に遺されたまま生を歩き続けている。戸惑いや嘆息、愛情。いろいろなものを譲り受けながら、やはり歩いていくしかない。作家の声や言葉ひとつひとつの間に横たわる「間」は、この短い断片に奥行きを与えてくれる。その辺の役者には勝てないものがいつもこの作家の身体にはある。だから、なぜかラジオを聴く方が素晴らしく身に響く。本で読んだが、どうしてもそうなのだ。結局またラジオを聴いている。
が「ナイス!」と言っています。
rou
その土地にあって土地の作家を理解することや、鳥を、様々な芸術作品中の表象として表出された鳥を実際のその土地に生きる鳥と像を重ねることは、語り手の異国の生活の中心となり、自覚的でないにせよ生きづらさから解き放つものだ。そしてそこで生活すること。その人たちと結びつくこと。何よりも、その土地の言葉を身に着け、思考や感慨を苦労しながら丹念に表現を獲得していくこと。伝えること。ひょっとしたら我々が異国に身を置かなかったとしても、これらのひとつひとつは、意識的に向き合うはずのことだった。
rou
2025/01/16 12:23

この日記めいた小説に書いてあることの全ては、私たちの生活の、日々の新たな目で紡がれた一つひとつである。愛おしい日々の一コマ一コマである。読むのを止めたくないな、と思いながら読みました。

が「ナイス!」と言っています。
rou
桐壺の巻のみ。紫式部の文章では語り手の情報が宮中という共同体全体から下される判断を伝えている場合が多くあり、その際「冷ややか」な視線も散見される。(例えば桐壺更衣の母が娘を亡くした後取り乱し過ぎて周囲の女房がそれに辟易する場面など。)その一方で個人の内面に切り込む筆力が同時に備わっているあたりが紫式部の魅力でもある。が、その紫式部の視点を時に意図して操作(削除)した与謝野晶子の文章は複眼的な幅を作品から削るものに結果としてなってしまうのかな、と思うと、読み進める気力が失せてしまった。
rou
2025/01/12 08:10

与謝野晶子は浪漫派という特質からすれば美文がその生命線になるはずだが、しかし翻訳は直訳が多く、滑らかさに欠ける。

が「ナイス!」と言っています。
rou
年末、ダムタイプ名義の「TIME TIME」を見たため、読んでみた。ダムタイプの古橋は、人間とは何か、従来の演劇とは全く違うアジテーションを通して作品を作り続けた。冒頭にある通り、それは知ではなく文字通り「血」を通しての表現であり、だからこそ作品自体に死と性・生の境界が創出されている。要は生半可ない作品群を、自身の生命を感知するために再び見たい、と思った。本作は、それを裏付ける言葉の数々。また時々、手に取りたい。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/06/02(4643日経過)
記録初日
2012/06/02(4643日経過)
読んだ本
251冊(1日平均0.05冊)
読んだページ
61949ページ(1日平均13ページ)
感想・レビュー
187件(投稿率74.5%)
本棚
4棚
自己紹介

積読って、例えばティルダスウィントンの隣で見切れてるシャーロットランプリングみたいなもので、見えてる彼女と同じかそれ以上に想像力を掻き立てるものだと思う。

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