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2024年8月の読書メーターまとめ

scarecrow
読んだ本
9
読んだページ
3021ページ
感想・レビュー
9
ナイス
93ナイス

2024年8月に読んだ本
9

2024年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

scarecrow
ネタバレ再掲 実に面白いノンフィクションでした。2020年4月に尼崎市のアパートで孤独死をした女性の半生を追った記者たちの物語である。地道な調査の元に,女性の身元が判明する前半部分と彼女の謎を解き明かそうとする後半部分に分かれている。結局、アパートに残された現金3400万円、星形マークのペンダント、アパートの契約者である田中竜次の正体など謎のまま終わってしまった。貫井敏郎さんや塩田武士さんなどが小説にしたら、グリコ森永事件や拉致事件などと絡めて謎を解き明かしていくのだろうが、現実にはすべての謎を解くことはできない
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2024年8月にナイスが最も多かったつぶやき

scarecrow

ある行旅死亡人の物語 検索してもヒットしなかったので、つぶやきます。 実に面白いノンフィクションでした。2020年4月に尼崎市のアパートで孤独死をした女性の半生を追った記者たちの物語である。地道な調査の元に,女性の身元が判明する前半部分と彼女の謎を解き明かそうとする後半部分に分かれている。結局のところ、アパートに残された現金3400万円、星形マークのペンダント、アパートの契約者である田中竜次の正体など謎のまま終わってしまった。貫井敏郎さんや塩田武士さんなどが小説にしたら、

scarecrow
2024/08/28 11:43

グリコ森永事件や拉致事件などと絡めて謎を解き明かしていくのだろうが、現実にはすべての謎を解くことはできない。  しかし、戦後の混乱を経て高度経済成長へと向かう日本の中で、ふるさとを離れ都会の渦の中で個人としての存在を忘れ去られてしまう人は少なくなかったのではないだろうか。指を職場の事故で失ってしまったのに、補償金を受け取ることを拒み、人目を忍んでいるかのような生活をしていた沖宗千津子さんがささやかではあるが,幸せな人生を送っていたことを願わずにはいられない。

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2024年8月の感想・レビュー一覧
9

scarecrow
ネタバレ再掲 実に面白いノンフィクションでした。2020年4月に尼崎市のアパートで孤独死をした女性の半生を追った記者たちの物語である。地道な調査の元に,女性の身元が判明する前半部分と彼女の謎を解き明かそうとする後半部分に分かれている。結局、アパートに残された現金3400万円、星形マークのペンダント、アパートの契約者である田中竜次の正体など謎のまま終わってしまった。貫井敏郎さんや塩田武士さんなどが小説にしたら、グリコ森永事件や拉致事件などと絡めて謎を解き明かしていくのだろうが、現実にはすべての謎を解くことはできない
が「ナイス!」と言っています。
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ネタバレ大勢の孫や子どもたちが、祖母の人生最後の旅行としてみんなでお金を出しあい、ファーストクラスや一流ホテルでのロンドン豪華旅行を計画する。この前に読んだ「ある行旅死亡人の物語」の主人公と同じ年くらいであると考えると、その人生の振れ幅に驚いてしまう。本人の努力もあるだろうが、人生とは如何に運に左右されるものかと考えさせられる。お嬢様気質の祖母に振り回される孫のエピソードより、一流ホテルのスタッフのホスピタリティやプロ意識に圧倒される。同じ頃、ロンドンに行ったことがあり懐かしさもある。当然,貧乏旅行であったが・・
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「ホモ・サピエンス全史」に匹敵する名著であると思う。「自己家畜化」とは厳しい自然を生き抜く野生性を失い、恵まれた環境下になったことで、自ら穏やかに暮らしていくように変化していくことである。生物学的には、原人時代には沢山分泌されていたHPA系の攻撃性が低下し、セロトニン系が優位になってきた。掠奪、戦闘、狩猟が当たり前の中世社会までは、HPA系の生物学的特質がまだまだ幅を利かしていたが、近代国家(人間の暴力性を個人から取り上げ、法による支配を重要視する)になると、生きる上でその特質はかえって障害になってきた。
scarecrow
2024/08/26 17:09

文化的家畜化によって、争いをせず、周りの人と波風を起こさず、上手く付き合っていくことが重要視されると、HPA系の「男らしさ」といったものはますます不要になってくる。最近の男女平等を訴えるジェンダー論や生物学的に男性のひげが薄くなり、骨格も顔も女性のようになっていることも文化的自己家畜化の進行が一因となっているかもしれない。さらに、先進国では不可避である少子化問題も文化的自己家畜化によって説明が出来るかもしれない。穏やかに暮らしていくためには、どう育っていくか予想もつかない子育てはリスクが大きい行動である。

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生きづらさを感じていたカフカの超ネガティブ発言集である。「いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」というように、現代社会だったら完全にひきこもり人生を歩んでいたであろう。彼は3回婚約して3回婚約破棄したんようで、結局生涯独身で、子どももなかった。結婚はしたいが、その後が不安で一線を越えることを躊躇してしまったのだろう。なんでも悪い方にしか考えることができない。彼のそんな一面を知ると彼の作品「変身」もさらに味わい深くなるのかもしれない。
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scarecrow
副大統領候補のバンス氏の作品ということで手に取った。現代アメリカの一面を的確に描いたすばらしい本だと思う。アメリカの白人労働者階級の人間性について、その当事者が赤裸々に語っている。彼らは産業経済が落ち込む中で、社会の衰退ををますます助長する文化を持っている。多くの白人労働者が重労働から逃れようとし、良い仕事であっても長続きしない。支えるべき結婚相手がいても、条件の良い仕事を簡単に捨ててしまう。そして、そんな行動をとりつつ、周囲の人が何とかしてくれるべきだと考えて、なんでも他人のせいにしようとする。
scarecrow
2024/08/14 11:30

しかし、アメリカは強い!こんなとんでもない人々がたくさんいることも事実だが、その一方で1万人に一人くらいは、そこから抜け出して、アメリカンドリームを勝ち取る人が出てくるからだ。本書の著者もその一人だろう。地頭が良いことは当然であるが、このような夢を描きづらい環境にいながら、イェール大学(奨学金制度が素晴らしい)まで行き、副大統領候補になる。そういったアメリカンドリームを生み出す社会システムがあるかぎり、アメリカの没落はないのかもしれない。 ある限り、アメリカは強いのかもしれない。

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文字通り、発達障害についてかなり広範囲に分かりやすく書いている。最近巷でもよく言われるようになった「発達障害」であるが、分かったような分からないようなあいまいな知識だけで今まで過ごしてきた。発達障害と知的障害の違い。ASDとADHDの違い。障害者手帳(身体)、療育手帳(知能)、精神障害者保健福祉手帳(発達障害)の違いなども全く理解していなかった。そして、自ら発達障害とカミングアウトしている漫画家の沖田×華氏のインタビューがよかった。当事者の発達障害に対する見方や考え方は外部からは思いもよらないものだった。
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大英博物館の天才修復士であるスギモトと助手見習の晴香によるアートミステリーである。一話完結型なので読みやすいが、どちらかというとコミックに感覚が近い。著者は美大卒でアートに造詣が深いようだが、もう少しうんちくを披露してもいいかもしれない。修復場面も少ない。どちらかというとミステリーに力点があるが、その割に短編なのでミステリーとしては物足りない。コミックの「ギャラリーフェイク」あたりのほうが、うんちくもあり、何といっても視覚的に分かりやすい。原作者としてコミック化をしてほうが断然売れると思う。
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scarecrow
ネタバレ不思議な物語である。記憶狩りによって一つ一つ消滅していくデストピア。人は何をなくしたのかさえ思い出せない。物から始まり、主人公の生業である小説、しまいには体の一部も消滅していく。そして、物語と並行して、主人公の作った小説も展開されていく。なんとなく村上春樹さんの作風を思い出した。記憶を無くすというより、その概念を失うといったほうが正しい。50年前の人々にスマホを見せても理解できず、ただの金属ととらえられるだろう。概念を認識できないものは存在していないと同じことだ。密やかな結晶とは概念を明確にする言葉なのか
が「ナイス!」と言っています。
scarecrow
祖父の突然の死で、「夏木書店」という小さな古書店に残された林太郎が人間の言葉を話すトラネコによって、本を守るために4つの迷宮に入り込み、本を守るという物語。読書離れが進む昨今の状況を憂いている作者の思いが伝わってくるが、中高生向けの課題図書といった趣だろうか。ファンタジーの形をとってはいるが、林太郎の口から出てくる言葉が著者の代弁と思えるほど明確である。売れる本しかない。刺激と癒しの本しかない。箇条書きにしたようなタイパのいい本しかない。等々 確かに分かるが、いまどきガルシアマルケスやオースティンはなあ。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/06/27(4450日経過)
記録初日
2012/06/14(4463日経過)
読んだ本
483冊(1日平均0.11冊)
読んだページ
140605ページ(1日平均31ページ)
感想・レビュー
478件(投稿率99.0%)
本棚
6棚
性別
外部サイト
自己紹介

 小さい頃から読書が好きで、若い頃には村上春樹に傾倒し、最近ではいろいろなジャンルを乱読しています。いろいろな本の情報を交換しあえたらいいと思っています。

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