このシリーズは以前１作目の紅蓮館の殺人を読んだが、シリーズ３作目となる本作の方が断然面白い。館のギミックに加え、意外な犯人の設定など、王道の新本格推理として非常に読み応えがある。

柳下氏の恒例の日本映画時評本。メジャーどころの作品は３本くらいで、後は全然知らない映画ばかりだが、誰が見てるんだか知らないが、人知れず映画って勝手に作られて公開されているんだなあ・・・と妙に感慨深くなるラインナップである。

このシリーズは以前１作目の紅蓮館の殺人を読んだが、シリーズ３作目となる本作の方が断然面白い。館のギミックに加え、意外な犯人の設定など、王道の新本格推理として非常に読み応えがある。

斉藤氏の７８年発表の推理長編。国会議事堂の地下道の秘密を巡る殺人事件が発生する。アリバイトリックや密室トリックも取り入れており、最後まで楽しめる。オチも印象的だ。

90年代初期に週刊朝日に連載されていた松尾氏の時事雑記コラムを書籍化したもの。イラストはひさうちみちおと、推薦文を寄せている中島らもに似たテイストの独特の視点が効いた内容になっている。

９０年代の懐かしアイテムである８センチCDを集めて紹介。いわゆるメジャーどころでなく、徒花的なものとマニアックなものが殆どなのが面白い。

神様の罠とよく分からないテーマのアンソロジー。人気推理作家の最新短編が読めるということでそれぞれに作家の個性が出て楽しめる質の高い作品が揃っている。

ロクな作品がないこのミス大賞の作品。本作も酷い。高評価が多いが、よっぽど他に小説を読んだことがない人ばかりが読んでいるのだろうか。これを面白いと思えるのは中学生が限度だろう。大人が読むレベルに達していない。主人公の作家の言葉使いがバカ中学生みたいで、その時点で読む気が失せる。この著者、文章力と語彙力に乏しくとてもプロとしてやっていけるとは思えない。内容も、よくあるサイコ系映画の使い古されたネタを適当に盛り込んだだけで、全く深みにかけ、恐怖感もない。サイコもので入れ替わりオチってどんだけ発想力ないんだか。

松野氏が三谷氏にインタビューしたシリーズの2作目。今回は真田丸から現在までの創作の秘話と、プライベートなどの話題を対談形式で綴っている。

斉藤氏の初期の長編。劇中小説の一部とその後の殺人事件という二重構造という意欲作だが、まだ初期のためあまりうまく相互に関連しているようには思えない。サブタイトルで勝海舟の殺人とあるが、歴史推理ではなく、やや内容の誤解を招く。

密室ネタの短編を集めたアンソロジー。気鋭の作家達による作品のため質が高い。麻耶氏のだけは、密室ものへのアンチテーゼともいうべき人を喰った作品。青柳氏の作品だけは、すぐトリックが分かってしまったが・・。

江口氏の歴代の女性を描いた作品を集めたイラストレーション作品集。どれも素晴らしい出来だが、一冊の画集としては女性だけというのははっきり言って飽きてしまい、江口イラストを堪能すには、他から出ている作品集の方がいいと思う。

密室トリック、特に物理密室トリックに拘ったシリーズの３作目。今回も密室トリックが次々登場しては解かれていき、本格推理好きにはたまらない内容。特に監視カメラのある迷路での密室殺人はトリックの発想が秀逸である。あまりにも簡単に人が殺され、犯人の動機も簡単過ぎるが、この世界観なら十分成立しており、欠点とはなっていない。

時効事件を再度検証して解決する赤い博物館シリーズの２作目で今回は文庫オリジナル。どの作品もコンパクトながらトリックが秀逸で、さすが大山氏だと納得のクオリティの高い短編ばかりで、本格ミステリーファンには必読の作品集である。

横溝ホラー大賞受賞作。内臓グチャグチャ系と錆色の濃厚な幻想譚的趣向の作品。独特の世界観で展開するが、全然怖くないのと、こじんまりと箱庭的な世界観で収束してしまうのが賛否の分かれるところ。個人的にはつまらなくはないが、イマイチという印象。

お馴染みのシリーズの１８作目。鎌倉殿のエピソードが主。巻末は古畑の小説版の第二段が付いている。まさかの叙述トリック・・・。