長編かと思ったら連作短編風で、全てが牢中の官兵衛の手中。歴史物と見るとミステリー色が入ってこず、ミステリーと見ると時代色が入ってこず、私にはオチまでなかなか入り込めなかった。でも村重がどんどん追い詰められて憔悴していく様は痛快。

人が殺されたというのにみんなで推理合戦。しかも誰もが我こそは名探偵と息巻いて自信たっぷりに。次々に疑わしき人物がコロコロと変化する様はエンタメ色濃い。が、私には少々翻訳が読みにくく中盤まで内容がなかなか入ってこなかった。終わり方がその年代の推理小説らしい感じで、オシャレーっと思う。

いつまでも地獄から抜け出せない少女のままの大人の女の子たち。救われたいと願いながら、ずっと地獄に浸っていたいとも願っている、そんな印象が強く残る。

人のほんの一部を知っただけでそれがその人の全てかのように人物像を勝手に作り上げて、嫌悪して。まさに自分の悪いところが働いて序盤からモヤモヤ。就活ってほとんど経験なかったけど、みんな引くくらい嘘というか、盛ってて面白いと思ったのだがホント？私ならより壮大なスケールの嘘で笑わせてくれたら採用。

長編かと思ったら連作短編風で、全てが牢中の官兵衛の手中。歴史物と見るとミステリー色が入ってこず、ミステリーと見ると時代色が入ってこず、私にはオチまでなかなか入り込めなかった。でも村重がどんどん追い詰められて憔悴していく様は痛快。

動物達がわんさか出てくる面白い特殊設定ミステリー。国王にこの動物を持ってくるとは意外、とか動物にも明らかなヒエラルキーがある、とかメルヘンかと思いきや思い切り社会派な課題を突きつけられたり、なかなか引き込まれる世界だった。