作中に出てくる曲を検索しては聴きながらイメージを膨らませる。そうでなくても主人公の狂気なまでのピアノへの執念と執着が響いてくるようで、終盤なるほどな、な解明。ただ、ミステリーとして早く真相を知りたい自分としてはコンクールのくだりがやや長くてダレた。

好んで読むファンタジー作家。世界観と人物を理解するのに苦労し集中しきれないまま１巻終了。生き神少女とそれを超える才ある少女となんか企む貴族青年、その他どこまで味方で敵か‥な人たちとの出会い。今後の展開が楽しみ。

作中に出てくる曲を検索しては聴きながらイメージを膨らませる。そうでなくても主人公の狂気なまでのピアノへの執念と執着が響いてくるようで、終盤なるほどな、な解明。ただ、ミステリーとして早く真相を知りたい自分としてはコンクールのくだりがやや長くてダレた。

日本滅亡を前に街からは人が消え、至る所に自殺死体がゴロゴロ。そんなディストピアの中で今日も自動車教習を受け、殺人事件の謎を追う。平凡なんだか非凡なんだかナゾな設定がとても良い。そんな極限でも笑って泣いて想い合う優しさを持てる人でありたい。そしてジタバタせずに日常を過ごせる図太い神経を持ちたい。

長い、というのは苦にならない。むしろこれだけ人物一人一人の心理を丁寧に描くなら長くなるのは致し方がない。丁寧さ故にみんな暗い過去を背負いすぎてるのを読み込むのが苦しかった。読了の達成感はデカい。でもミステリーとしての意外性は小さい。

みんな何かしらの闇を抱えていて、でも何でもないように繕っている部分もあるから、誰もが自死を選んでいてもおかしくない。人物各自の視点で心の内を深掘りしていくだけにボリューミーになるのは致し方がないが、上巻で結構疲れが。下巻もペースを落とさず読めるかな？でも「メフィスト賞」の期待は大きい。

ホラーとミステリーが交互に進行する。果たしてそれぞれの関係性は？怪奇なのかトリックなのか？凄く読書欲をくすぐる面白い構成で、長編でもないから一気読みでした。ただ選考委員から評価が挙がっていたようにオチがちょっと‥。