「最強」から受け継ぐ者達が命を燃やす総力戦。虎杖をはじめ文字通り死力を尽くす高専勢に、五条との戦闘によるダメージの蓄積をものともしない両面宿儺の呪いの王たる所以が、新宿にて爆ぜ轟きます。現代の異能、乙骨が領域展開をするさまは鮮やかで見応えがありました。奇襲を重ねに重ね、それぞれが持つ特性を繋げてぶつけるものの、変わらず宿儺の刃は鋭く拳は重く…。沈んだままの伏黒の意識に想定外の助っ人登場と、まだまだ気になる要素は膨らむばかりで、辺り一面に噴き出したこの「呪い」の物語がどのように終結するのか気になります。

カイザーの今までを壊しての進化により、更に熾烈となっていく今回の激戦。負けじと加速する潔に反して、劣勢の中燻り続けていた凛でしたがようやく反撃の咆哮がフィールドに響き渡ります。以前示された自分型・世界型エゴに加えて自由志向・不自由志向という分類が新たにあり、また興味深い部分が増えたなと。主人公の潔が分析タイプなのがこの作品を面白く感じる要素だなと改めて感じました。湧き上がる本質が、士道は生命活動で凛は破壊衝動だとしっかり描かれたのも印象的で。最後には一層激しさを増す展開もあり、今後が楽しみです。

持てる者としての驕りゆえの苦い経験を積んだ過去編を経て物語は現在へ。菩薺観にて引き取った子供達とかつての従兄弟である青鬼・戚容との生活が始まる中、変わらず太子殿下・謝憐は天上と地下を駆け巡ります。今回は鬼王・花城との距離が一気に縮まる瞬間が多く、以前は花城が謝憐を一途に想うさまが印象的でしたが、この度はかなり謝憐が意識している様子が増えて微笑ましかったです。反して水師風師兄弟の凄絶な罪過も描かれており、満を持して登場な玄鬼の執念深さと驚愕の真実が強烈でした。撒かれた謎も多くあり、行き着く先が気になります。

この物語が解る人はきっと心が柔らかく脆く、そして読みながら深く傷つくのだと勝手に思いました。数多の創作という行為の中で、詩は特に輪郭が曖昧で自身を絞り出して産まれるようなものである気がします。かろうじてその日を生きているような「僕」が十年ぶりにかつて集い、語り合った同志と再会し、そしてなぜ全員この場にいることが出来なかったのかについて「探偵」として理由を知るべく、静かに墓を掘り起こすことから始まります。作品として全てが記された後、たびたび描かれていた死ぬこととは、生きることは、について考えさせられました。

「最強」から受け継ぐ者達が命を燃やす総力戦。虎杖をはじめ文字通り死力を尽くす高専勢に、五条との戦闘によるダメージの蓄積をものともしない両面宿儺の呪いの王たる所以が、新宿にて爆ぜ轟きます。現代の異能、乙骨が領域展開をするさまは鮮やかで見応えがありました。奇襲を重ねに重ね、それぞれが持つ特性を繋げてぶつけるものの、変わらず宿儺の刃は鋭く拳は重く…。沈んだままの伏黒の意識に想定外の助っ人登場と、まだまだ気になる要素は膨らむばかりで、辺り一面に噴き出したこの「呪い」の物語がどのように終結するのか気になります。