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2024年3月の読書メーターまとめ

チョコろん
読んだ本
19
読んだページ
3658ページ
感想・レビュー
9
ナイス
69ナイス

2024年3月に読んだ本
19

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

チョコろん
ネタバレ環と周という名前を持つ人物たちのオムニバスと見せかけて。---エピローグで腑に落ちた。「また会ったね」て……。すごい構成力。現代、明治時代、70年代半ば、戦後、江戸時代。時代も立場も性別も何もかも変わっても、何度でも会えばお互いを助け合う二人。各々のエピソード単体でも心の機微の描写が細やかで美しい。現代パートの娘の恋が成就したのを小さく祝う父とかさ。戦後パートの班長の寂しさとかさ。明治パートの子を授からない周の苦悩とか。最後に一気にいろんなものが収束する1巻完結もの。とても良い漫画を読んだ。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
9

チョコろん
ネタバレ女の子が亡き父へと思いを綴る。---映画『エル・スール』の原作小説。映画の字幕監修が翻訳してる。映画で絵力を感じつつ、心情描写と時事問題を小説で補うのが良いか。とはいえ、設定や人物名など映画との差分が多く、特に父に対する視線が異なる。父を探すことで主人公が成長する映画と、旅をすることで主人公が成長する小説。アドリアナちゃん(映画のエストレリャ)は物騒な子だねぇ。子どもらしい際限の無い判断かと考えもしたけど、翻訳者は「未必の故意だ」という趣旨の解説をしている。著者の他作品も読みたいが、本作しか邦訳無さそう。
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チョコろん
『赤いろうそく… (https://bookmeter.com/books/5598759 ) 』と、タイトルで漢字が開いている以外で何が違うのか気になって。底本が異なり、総ルビか難読文字のみルビ付きかの違いがあった。難読文字のみルビ付きのこちらの方が読みやすかった。事実上6年ぶりの再読。当時と感想が変わってて驚いた。序盤の母人魚の思い込みが切ない。人間はそう良いものではない。期待を裏切られた後の対応も思い込みで、直接関係ない人を含む町全体に及ぶ。同情はする。でも、最後まで思い込みで話を進めるのが怖い。
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チョコろん
楽劇『トリスタンとイゾルデ』を節ごとに対訳したもの。---観劇の予習。書籍の中でAmazon評価が一番高ったので読んでみたが、とても分かりやすかった。場面に合わせたサイズでト書きも含めて切り取って対訳を付け、文化的・歴史的背景は注釈で解説してくれる。対訳だけでは理解しづらいものも補足できて良い。あと、第3幕でイゾルデの名前聞いて超回復して独語で韻を踏みまくる下りは、注釈無いと分からなかったな。わりと長尺で韻を踏むパートが続く。第1幕等で愛を歌い合っているくらい繋がりがあるから、超回復にも納得感がある……。
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チョコろん
ネタバレ映画『PERFECT DAYS』で主人公が読んで姪に勧め、姪が「ヴィクターみたいになっちゃうかも」と感想を述べた『すっぽん』を含む短篇集。『すっぽん』のヴィクターて極致に至る選択をしてるわけで、やるやらはともかく、姪っ子ちゃんかなり追い詰められていたようだ。全体的に読者を徹底的に不安にさせる話が続く。それが面白いのがすごい。人物と情景の描写が豊かなのも魅力的。あとかたつむり小説w『クレイヴァリング教授の新発見』子どもがよくやる終わらない冒険譚を、大人の構成力でやり切っている。希望が見い出せたと思いきや。
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チョコろん
ネタバレ環と周という名前を持つ人物たちのオムニバスと見せかけて。---エピローグで腑に落ちた。「また会ったね」て……。すごい構成力。現代、明治時代、70年代半ば、戦後、江戸時代。時代も立場も性別も何もかも変わっても、何度でも会えばお互いを助け合う二人。各々のエピソード単体でも心の機微の描写が細やかで美しい。現代パートの娘の恋が成就したのを小さく祝う父とかさ。戦後パートの班長の寂しさとかさ。明治パートの子を授からない周の苦悩とか。最後に一気にいろんなものが収束する1巻完結もの。とても良い漫画を読んだ。
が「ナイス!」と言っています。
チョコろん
ネタバレ13世紀、当時世界最高レベルの医療技術や科学知識を誇るイランで奴隷身分だったシタラ。主人と死に別れモンゴル帝国の捕虜となるが……。---面白い。めちゃくちゃ史実に詳しいけど、監修は無し? 著者は何者なんだろ。本巻は生き抜くために成り上がるのを決意するまで。手段を選ばなそうな雰囲気さえあるし、史実を考えるとそのような展開をしそう。主人公だけじゃなく敵の価値観も緻密に描かれていて、だからこそシタラが悔しい思いをするのに納得感があって辛い。通訳の子は仲間足りえないようなので、別に理解者が現れるのを望むが……。
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チョコろん
27歳で早世した韓国人作家の短篇集。---言語の横断、文体の変化、前衛的な挿絵に計算式……。表現したいものに合わせて自由に記述方法を選択していく作風が面白いし、他で読めないように思う。解説によると韓国語の文字密度まで利用して表現している作品もあるらしい。原書が見たい(読めない)。韓国語では自由で飄々とした印象を、日本語作品では硬質な印象を受ける。収録作だけかも。他の作品だとまた違うかもしれない。やや長めな解説が日本語訳では受け取れない韓国語表現を補足してくれる。読んでて飽きない。未収録作品も読んでみたい。
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チョコろん
時代や地域、芸術のカテゴリを包括的に関連付けて展開する絵画論。---『はじめての絵画の歴史(https://bookmeter.com/books/12934471 )』は読了済み。DHとMGの対話形式で『はじめての~』ではカットされた技術や絵画作品を読むことができる。カットされてない技術も大人向けの記述でより詳しく。図書館で借りたが、アルバムサイズで分厚くて図書館から持ち出せず、ガガガっと読み切った。『増補版(https://bookmeter.com/books/17034868 )』も読みたい。
チョコろん
雑誌『レコード芸術』の連載を加筆修正してまとめた作品。---気軽な印象から始まる、骨太な音楽批評。音楽と、主に視覚表現を伴う芸術作品を比較することで音楽の在り方を探っていく。序盤の章では音楽以外の芸術に関するライトな話題で間口を広げ、中盤以降から他ジャンルとぶつけながら音楽を詳細に解説する。音楽と他ジャンルの掛け合わせ、音楽単体での良さを再発見できる。参考作品が一般ユーザの接触しやすい媒体から選ばれているのが良い。作品を聴きながら読める。クルマの描写で執筆箇所の表現スタンスを提示してくるのも面白いなぁ。
チョコろん
2024/03/15 00:57

チケットの高額な音楽ジャンルでの「カノン構造」は納得。私も仕組みづくりに加担してしまっている。まずは正道な作品を押さえたいじゃん。マイナー作品は演奏する機会がないからオケもうまくならないって指摘は重い。音楽に視覚情報がかなり影響するという話も本書を読んで改めて実感。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/11/04(4193日経過)
記録初日
2012/11/01(4196日経過)
読んだ本
3261冊(1日平均0.78冊)
読んだページ
484967ページ(1日平均115ページ)
感想・レビュー
2952件(投稿率90.5%)
本棚
0棚
性別
自己紹介

本を読んだら、何かしらの感想を抱くものではないでしょうか。
100%レビューを目指していましたが、近年は宿題をためております。
そして、書くの逃したらもう書かない説濃厚。できるだけすぐ書こう。

【既読】:読メ登録前に読んでいる本
【再読】:読メ登録後、再読で登録した本

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