男性がここまで女性の立場を真摯に考えて、ありとあらゆる立場の視点からの意見を語るというのはとても貴重なことだと思った反面、蜘蛛の巣というテーマに忠実に書かれているせいか、物語の読み方がとても難しかった。男尊女卑の思想が比較的最近に形成されたものだという説には驚いた、人物の名前、舞台が多い上に、すべてが同時進行で起きている。登場人物と同じように、頭を抱えながら読んだ。最後のシーンは最初のシーンと照らし合わせながら読んで、見事に惹き付けられた。個人的に伊佐間と今川が好きなので、わりとメインで嬉しかった。

男性がここまで女性の立場を真摯に考えて、ありとあらゆる立場の視点からの意見を語るというのはとても貴重なことだと思った反面、蜘蛛の巣というテーマに忠実に書かれているせいか、物語の読み方がとても難しかった。男尊女卑の思想が比較的最近に形成されたものだという説には驚いた、人物の名前、舞台が多い上に、すべてが同時進行で起きている。登場人物と同じように、頭を抱えながら読んだ。最後のシーンは最初のシーンと照らし合わせながら読んで、見事に惹き付けられた。個人的に伊佐間と今川が好きなので、わりとメインで嬉しかった。

超常現象をできる限り理屈に基づいて紐解いていく、という方針で、アプローチの仕方が面白いなと思った反面、やけに理屈っぽいなと思ってしまった部分も少しある。とはいえ全体的には文章も読みやすく、タイトルも含めいくつも敷かれた伏線がすべて鮮やかに回収されていくのは見事だった。終始いろいろな出来事が起こるので、中だるみもほぼなかった。葬儀場をセレモニーホールと呼ぶ〜のくだりは個人的には新鮮な観点だった。

参考用に。読みやすかった。一番怖かったのは、飛び降り自殺した女の人が〜という話。かぐや姫のコンサートの話はテレビで見た気がするなあ。心霊現象だけではなく、色々なジャンルの怪談がまとめられていて興味深かった。

『やおよろず〜』文体も相まって可愛らしい話。メイさんの解決法が理に叶っていて素晴らしい。『七十人の〜』壮大な話。こんなループがあるとは。『ジェリーウォーカー』パニック小説はわくわくする。『まず牛を〜』新人類の生活様式が独特で面白い。『お前のこったから〜』格闘ゲームをこんな形でSFにするとは。『クラリッサ〜』凄い。予想がつかない展開。『母の法律〜』描写が凄くてのめり込んだ。文章が一番すらすら読めた。『流下の日』壮大な話だとは思うが、最後のほうで時間や空間が次々に飛ぶので、少し読みづらかった。