西川美和のエッセイが良かった。次は是非また小説を!。角田光代『方舟を燃やす』は圧巻。:2024年4月の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:2176ページ ナイス数:537ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/316487/summary/monthly/2024/4
【追記】1997年発表の短編集。比較的穏やかな短編集だが、後に『グロテスク』や『ポリティコン』を生み、そして近年の大作を連発する事になる著者の慧眼が静かに冴える短編集だった。
【追記】小山さんは他人に迷惑をかける「自分勝手」や「わがまま」な人種とは全く違うステージにいた人だ。私のような凡人にはない鋭い感性と高い教養を持ち、喫茶店で一人静かに本を読み日記を書く事をこよなく愛した小山さんのような人が、平穏に暮らせる仕組みを作れないものか。政治が国民の暮らしに無関心であり続けた結果、日本は不寛容社会に変貌してしまったが、小山さんはその犠牲者だったのではないか。
【追記】「閉じた海」「汚れた虹」ともに巧みな汚職の構造が妙に詳細に描かれており、これは著者が取材した実話を筆に起こしたものなのではないかと考えても勘ぐりすぎではないだろう。前のめりになって勢いづいた筆致が、勇んで題材を並べたようなゴツゴツした質感を生んでいる気がする。この2作品が今まで発表されていなかった理由はその辺りの事情を汲んでのものなのではないか。とても興味深い作品だった。
【追記】森友学園、加計学園、桜を観る会、赤木俊夫氏の自殺、杉田水脈の醜悪な差別発言など、身内を庇うために得意の詭弁を弄し批判を遮断するやり口は汚くて不快。経団連の下請と化し、また逃げ道を辿って脱税し放題の自民党に国民目線を求めるのはもはや無理な注文だろう。巨大な脱税集団に従来からの慣習のままに票を投じる事は、国を滅ぼすことに加担する事になる。変化を怖がっては何も変わらない。
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