冊数は少なかったけど、面白い作品が続いた9月でした。『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』は文句なくお薦め出来る作品。『オオサンショウウオの四十九日』はテーマと料理の仕方が素晴らしく、読み始めと読み終えてからの印象がガラリと変わる力作でした!。:2024年9月の読書メーター 読んだ本の数:6冊 読んだページ数:1704ページ ナイス数:650ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/316487/summary/monthly/2024/9
【追記】敢えて言えば“恋愛小説“の括りなのだろうが、これぞ井上流。何かの折にスッと気持ちが靡き、心ごと持って行かれるのが大人の恋愛。そして現実との板挟みにもがき苦しみ、ハッピーエンドにはなり得ない苦行のようなもの。そんな顛末も井上荒野にかかると、このように的を射た小説になるのだ。
【追記】会社に来ている市の出張図書館から借りた本。当社は大正6年創業の旧い会社で、昔は敷地内に男子寮と女子寮があったため、そのなごりで今でも出張図書館が来るのです。本作は冒頭に起きる海難事故がその後の展開に及ぼす影響…という部分がやや弱く、人目を引く題材なのに勿体ない感じはする。しかし弱点はそこだけ。あとはパーフェクトな作りと面白さだった。出張図書館、見直したよ笑
【追記】ダム建設の噂が立ち上がった際、危機感を募らせたトリーナの夫エーリヒは声を嗄らして村人達に危機を説く。しかし村人は平然と酒を飲みカードゲームに興じるのみ。為政者はいつも、危機を危機だと解らせないように事を進める。そして政治に無関心で享楽を追い求める庶民は、いつもそれで不幸に陥るのだ。庶民が知らないところで好戦家は軍備の拡張を進め、それを知った諸外国は叩き潰そうとする。古今東西の歴史に学ばない愚かな政治家が国を滅ぼし、監視を怠った国民は涙を流す事になるのだ。さて日本はどうだ。
【追記】離婚して旧姓に戻ったから平木直理(ひらきなおり…開き直り)だけど、離婚前は中 直理(なかなおり…仲直り)だった…って、よく考えるよ笑。本作のテーマはさしずめ「人生を放り投げるな。あきらめるな」かな。著者が“中年版『君たちはどう生きるか』”と表現したに値する一作だった。尖ったツノも重苦しさもない、新・金原ひとみの誕生を告げるいい作品です。
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この作品は登山だけじゃなくてお仕事小説でもあるんですねー!読んでみたくなってきた😁
ミエルさん、コメントありがとうございます。おカタい文学賞の感じはしないので読みやすいです!