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2024年6月の読書メーターまとめ

竹園和明
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感想・レビュー
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2024年6月に読んだ本
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2024年6月のお気に入り登録
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2024年6月にナイスが最も多かった感想・レビュー

竹園和明
秋田連続児童殺害事件をモチーフに、犯人の心の動きや背景を深掘りして作り上げた本作。実際の事件や出来事を忠実になぞり著者の推理を加えるノンフィクションに近い作品もあるが、本作は実際の事件を題材にして展開や登場人物らの造形を全く架空物語として組み立てて行った作品だ。古くからの因習や血筋など、本人の努力ではどうにもならない宿命を抱え、慎ましく生きている人は今もきっといる。本作はその悪しき因習の犠牲となった親子三代を描いたものだが、あまりに哀しい宿命に読み終え絶句してしまった。こういう悲劇は絶対あってはならない。
葵
2024/06/19 12:45

しんどくなる気しかしませんが、読んでみたいと思いました。いただいていきます。

竹園和明
2024/06/19 13:17

葵さん、しばらくですね!。実は違う面ではもう少しスポットを当ててもいいのでは?というところもありますが、概ね重たい内容ではあります。でも不思議と読み易いという一面も!。レビュー待ってます!

が「ナイス!」と言っています。

2024年6月にナイスが最も多かったつぶやき

竹園和明

苦難続きの5月でしたが本に気持ちを支えてもらいました。衝撃の『小山さんノート』が印象深かった。 2024年5月の読書メーター 読んだ本の数:6冊 読んだページ数:1841ページ ナイス数:589ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/316487/summary/monthly/2024/5

すだち
2024/06/01 05:20

小山さんノートは予約中です。なかなか重そうな内容ですが。苦難の月から好転するといいですね。今月もよろしくお願いします♪

竹園和明
2024/06/01 05:44

すだちさん、いつもありがとうございます。『小山さんノート』は何とも言えない重たい余韻を残しました。イズムを貫いた小山さんへの賞賛の念と、人が世間と折り合う事の難しさ…。レビュー待ってます。

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2024年6月の感想・レビュー一覧
12

竹園和明
おひとりさまライフの人達を描いた6編。東京の山奥の一軒家で、叔父の後を継ぎ染物をしながら日々を送る48歳の女性を描いた「永遠語り」が白眉。8歳下の彼氏は月に一度訪ねて来るが、ある時別れを切り出され…。辛い思いをしながらも彼女が家を離れられない理由とは。…中学教師の頼子は週末に映画館で独り映画を観るのが愉しみ。同僚の教師らとの飲み会があれば出席するが、先生方が自分をどう見ているかも知っている。自分の中の“何か”を整理する時間は絶対必要で、孤独とは違う“独り”の時間は贅沢だと思った「週末の夜に」も出色の出来。
竹園和明
2024/06/30 14:44

【追記】6作品どれも穏やかな筆致の秀作揃い。新津きよみ「サードライフ」は、終の棲家として中古住宅を購入し入居した1ヶ月後に夫が急死してしまった66歳女性の物語。娘夫婦との紆余曲折があったものの、地域の人達との交流も出来始め、セカンドライフの次のステージ「サードライフ」が始まるところ。…サードライフか。いいですね!。

が「ナイス!」と言っています。
竹園和明
【「イエスタデイ」を再読】東京生まれ東京育ちの木樽は、後天的に学んだ関西弁を完璧に話す。そして彼は「イエスタデイ」を日本語の替え歌にして歌う二浪のヘンなヤツ。幼なじみの栗谷えりかと付き合っているが、上智大にストレート合格した彼女に対し気後れがあるためか踏み込む事を良しとしない。一方その栗谷えりかは木樽との進展を望む一方で、サークルの先輩と付き合い出したばかり。彼女はもっと違う何かを見てみたい欲求を抱えている。彼女の言う「好奇心、探究心、可能性」が2人をどう変えるのか。燦めくような素晴らしい作品だった。
が「ナイス!」と言っています。
竹園和明
作中の「カルネアデスの板」とは紀元前2世紀頃ギリシャで論ぜられた緊急避難の際の理論との事。海で遭難した際、1枚の板にすがり浮かんだ2人の男が、2人では板が沈んでしまうため片方を溺死させ自分を救う事は正当か…。教科書原稿の採用を巡り、ライバルとなった相手を蹴落とす為に男が仕組んだ罠とその結末は…。犯罪者だがお人好しの男が己の鼾に運命を左右されるユーモラスな「いびき」、教養高い夫人が夫を罠に陥れ公権力で死に至らしめる「一年半待て」など、珠玉の短編集。やはり短編の名作と名高い「一年半待て」は完璧な作りだと思った
竹園和明
2024/06/26 12:54

【追記】表題作は、姉妹の姉の方と結婚した男が、妹が自分に恋心を抱いている事に気付くも倫理を重んじ距離を置くが、叶わぬ想いを封じ込め他の男と結婚・離婚を繰り返し幸を手放して行く妹を不憫に思うという物語。流転して行く妹を想い、かつて霧の立ちこめる湖畔で「おにいさまー」と呼んだ彼女の声がいつまでも耳にこだまするという、何とも切ない物語だった。

が「ナイス!」と言っています。
竹園和明
この分野の作品となると、どうしても井上荒野や一時期の小池真理子らの作品と比較してしまう。中途半端にアートを絡ませない方がよかったのでは。
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竹園和明
立て続けに両親(しかも毒の強い強烈な)を喪った著者の、「空っぽを満たす」ための対談集。15人の著名人が名を連ねる。印象的だったのはまず小泉今日子。樹木希林が彼女を認めていた事は知っていたが、なるほど腹の座り方が似てるわ。中野信子とは脳科学の面から夫婦関係について。とても興味深い内容だった。詩人の谷川俊太郎は両親への想いを軸に詩を綴る意味を。本作は也哉子さんにとって、散らかった両親への想いをパズルのピースを埋めるように整頓して行く作業だったのでは。一話一話、読者にも必ず何かが残る。すごくいい。お薦めです。
tosca
2024/06/22 15:43

興味深いですね。内田也哉子の書いた物は読んだ事が無いのですが、竹園さんのお薦めとあらば読んでみたいです!

竹園和明
2024/06/22 16:12

toscaさん、内田也哉子さんは自分も初めて読みましたが、偉大な両親をもった事のいろんな想いが伝わって来ます。でも彼女は“樹木希林の娘”でも“内田裕也の娘”でもない確固たるオリジナリティを既に持ってますね。

が「ナイス!」と言っています。
竹園和明
秋田連続児童殺害事件をモチーフに、犯人の心の動きや背景を深掘りして作り上げた本作。実際の事件や出来事を忠実になぞり著者の推理を加えるノンフィクションに近い作品もあるが、本作は実際の事件を題材にして展開や登場人物らの造形を全く架空物語として組み立てて行った作品だ。古くからの因習や血筋など、本人の努力ではどうにもならない宿命を抱え、慎ましく生きている人は今もきっといる。本作はその悪しき因習の犠牲となった親子三代を描いたものだが、あまりに哀しい宿命に読み終え絶句してしまった。こういう悲劇は絶対あってはならない。
葵
2024/06/19 12:45

しんどくなる気しかしませんが、読んでみたいと思いました。いただいていきます。

竹園和明
2024/06/19 13:17

葵さん、しばらくですね!。実は違う面ではもう少しスポットを当ててもいいのでは?というところもありますが、概ね重たい内容ではあります。でも不思議と読み易いという一面も!。レビュー待ってます!

が「ナイス!」と言っています。
竹園和明
著者の今までを真っ直ぐに晒したエッセイ。猫ちゃん達との穏やかな日々と並行して、母親との確執も綴られている。幼少期の著者に対するアクの強い母親の一方的な考えの押し付けが、幼い著者の心をどれだけ痛めつけたことか。母との写真の横に記された「もっと愛させてほしかった」というメモ書きが切なすぎる。なぜか主張の強い男に惹かれ2度の結婚と離婚を経て三度目を過ごす現夫が、5歳下の従弟という事も驚き!。きれい事ばかりではない女性心理、どろどろした一面を描くに長ける著書の背景を知り、期待値が益々高まる読書となった。
竹園和明
2024/06/15 06:29

【蛇足】本作を読むに、自分は著者にあらゆる面で似ていると思った次第。さすがに三度の結婚どころか今のところ離婚の経験もなく、子供達とも友達のような関係性を築けてはいる(と思って)いるが、幼少期からの背景やそれに由来すると思われる自己肯定感の低さ、居直ると急に強くなるところとか、まるで生き写しではないかと感じ急に親近感が増したのだった。一度お目にかかってみたいなぁ…。

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竹園和明
書評等でしっかりした論理を展開し、ユーミン本では的確な音楽分析と関係者の声を入念に拾っていた著者。本作はマリリンモンローを題材に、イメージで人を判断する事の危うさ、性差別の罪深さを説く。主人公杏奈はマリリンの不遇時代からスターになるまでを調べる過程で、商品として扱われる事に不満を抱いていた事を知る。その気付きが、コロナ禍でダルい毎日を送る杏奈の意識を変えていく。能天気な会話や呟きが可笑しい一方で、伝えたいメッセージを詰め込み過ぎな印象も。だが本作は、著者の今後の方向性を示唆する分水嶺的作品かも知れない
竹園和明
2024/06/13 23:23

5冊はキツいですね!。でも、かんらんしゃ🎡さんはきっと5冊とも読んでまた面白レビュー上げると思います!😄

かんらんしゃ🎡
2024/06/14 00:20

うす~いレビュー待ってて下さい

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竹園和明
70年代初頭、女性解放とピル解禁を訴え団体を興し、その後忽然と姿を消した活動家の塙玲衣子を追うライターが、当時の関係者の言葉を綴る…という構成。望まぬ妊娠から女性を守る為に中絶禁止法に反対し、女性の社会的地位を底上げせんが為に蜂起したはずの塙はなぜ消えたのか。本作は科学者でかつての中ピ連代表だった榎美沙子の歩んだ道を辿った作品。女性の地位向上の為に奮闘した彼女の活動は世間には「暴走」と認識されているが、最後の2話を読めばそうではなかった事が理解出来る。男社会に抹殺された活動家の記録として大変価値ある作品だ
おかむら
2024/06/29 13:33

抱く女と夜の谷を行くを読み返したくなりました!

竹園和明
2024/06/29 13:49

おかむらさんの「読み返したくなりました!」を読んだら、自分も読み返したくなりました!

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竹園和明
じっとりとした霧雨が身体にまとわり付くような短編5編。それぞれ主人公の心に引っ掛かる悩ましい事々を描いた短編集だ。「記録的短時間大雨情報」は、日常に疲れた主婦がパート先のアルバイト学生に妄想を抱く物語。認知症の義母を抱え、夫は浮気に走り…。閉塞感に打ちひしがれた主人公タミコの妄想を非難は出来ない。そして輪を掛けて絶望的なラストに暗澹たる気分になった。ポジティブ思考で強気に生きる人ではなく、日常が暗転する紙一重感に怯え生きる人を拾う著者の目が鋭い。短編作品でも著者の実力が随所に光る強力な一冊。
竹園和明
2024/06/06 07:05

【追記】これまた絶望的な気分に突き落とされる「ゆきひら」の容赦なさも特筆すべきもの。中学生にして心に深い傷を負った子どもの再生は容易ではないが、その少女を救おうとした教師に彼女がした仕業で冤罪を被るとは…。短編ながら、その構成の巧みさと強烈なインパクトに唖然とさせられた。

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竹園和明
正座した膝の上に乗せられた白く小さな産着の写真。そのモノクロ写真が本作の装丁だ。これが、生まれて2時間ほどで亡くなってしまったという著者の姉に母が着せた産着なのだろう。8か月で人里離れた官舎にて破水し、誰もいない家で母が急いで縫った産着。…白にまつわるものを紡いだエッセイ。重く哀しいエピソードの数々に、人間の悲哀や儚さを思う。しかし同時に、行間には凛とした空気も漂う。人は喪失の連続に生きている。そのことに気付いてからが人間の本当の歩みが始まるのでは。そして再び襲う喪失に抗い、再びまた歩みを始めるのだろう。
竹園和明
2024/06/02 21:11

【追記】きっと著者は、自分の中に沈み込んでいるものと向き合う意図で各話を綴って行ったのだろう。題材を書き出す事から始めたというこれらのエッセイは、完成予定時期をずらしてもらって書き上げたとの記述がある。著者48歳の時の作品。窮屈な社会に囲まれながら、そして哀しみを抱いた自分の心と渡りをつけながら、みんなそれぞれに生きて行く。

が「ナイス!」と言っています。
竹園和明
傑出した短編作10編が並ぶ。表題作は惚れた女を落とそうと必死になる線の細い気弱な男が、弄ばれている事に気付き第三者に復讐行為を依頼。しかしその男への感情が嫉妬となり、果ては憎悪に変化していく姿を描く。「女囚」は母親を助ける為に酒浸りで家庭の破壊者たる父親を殺害し刑に服する女を通し、正義の意味を問う。著者の代表作「点と線」を彷彿とさせる「すずらん」。巧妙なアリバイ作りが推理小説の王道。懐かしい質感が逆に新鮮だった。夢と現実の落差が主人公を打ちのめす「絵はがきの少女」「大臣の恋」など、多彩な色合いの短編集だ。
竹園和明
2024/06/01 15:16

【追記】アメリカの占領下、金環食の観測においてその優れた分析に基づき見事観測に成功した日本の科学者陣の優秀さを報道した記者が、占領軍の圧力で左遷されるという不条理を描いた「金環食」。我々には見えない所でアメリカの主張に屈する日本の姿は、遠い昔の話はをかりではないだろう。その現実は今もって存在しているのだ。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/02/03(4193日経過)
記録初日
2013/02/03(4193日経過)
読んだ本
1341冊(1日平均0.32冊)
読んだページ
414931ページ(1日平均98ページ)
感想・レビュー
1111件(投稿率82.8%)
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