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2024年10月の読書メーターまとめ

竹園和明
読んだ本
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2214ページ
感想・レビュー
8
ナイス
579ナイス

2024年10月に読んだ本
8

2024年10月のお気に入られ登録
1

  • ぶぶ ひこ

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

竹園和明
ガチな山岳小説ではなく、仕事小説と山岳小説が同居した作品だった。業績悪化に傾きかけているリフォーム会社に身を置く波多は、先輩社員・妻鹿の、会社の業容を気にも止めず毎週末単独バリ登山を繰り返す姿に興味を持つ。業容が悪化し、会社の迷走する方針に振り回される社員の様子や顧客からのクレームに東奔西走する営業マンの姿が生々しい。オンとオフの対比が鮮明で、工期に追われ夜も休日も仕事に捧げる事になる建築業界の舞台裏をよくご存知で。妻鹿の信念と行動に何かを気付かされた波多の今後は、きっと暗いものではないはずよ。
ミエル
2024/10/30 06:21

この作品は登山だけじゃなくてお仕事小説でもあるんですねー!読んでみたくなってきた😁

竹園和明
2024/10/30 06:56

ミエルさん、コメントありがとうございます。おカタい文学賞の感じはしないので読みやすいです!

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2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

竹園和明

冊数は少なかったけど、面白い作品が続いた9月でした。『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』は文句なくお薦め出来る作品。『オオサンショウウオの四十九日』はテーマと料理の仕方が素晴らしく、読み始めと読み終えてからの印象がガラリと変わる力作でした!。:2024年9月の読書メーター 読んだ本の数:6冊 読んだページ数:1704ページ ナイス数:650ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/316487/summary/monthly/2024/9

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
8

竹園和明
ガチな山岳小説ではなく、仕事小説と山岳小説が同居した作品だった。業績悪化に傾きかけているリフォーム会社に身を置く波多は、先輩社員・妻鹿の、会社の業容を気にも止めず毎週末単独バリ登山を繰り返す姿に興味を持つ。業容が悪化し、会社の迷走する方針に振り回される社員の様子や顧客からのクレームに東奔西走する営業マンの姿が生々しい。オンとオフの対比が鮮明で、工期に追われ夜も休日も仕事に捧げる事になる建築業界の舞台裏をよくご存知で。妻鹿の信念と行動に何かを気付かされた波多の今後は、きっと暗いものではないはずよ。
ミエル
2024/10/30 06:21

この作品は登山だけじゃなくてお仕事小説でもあるんですねー!読んでみたくなってきた😁

竹園和明
2024/10/30 06:56

ミエルさん、コメントありがとうございます。おカタい文学賞の感じはしないので読みやすいです!

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竹園和明
ペンション経営兼漫画家の音村綾と彼女の心の恋人とも言える祥川涼に起こった出来事が冒頭に描かれ、章が進むごとに一年前、四年前、八年前…と遡って経緯を逆に読んで行くという作り。読み進めるにつれ2人の関係性が解って来て、今により近い年数の辺りに記されている綾の辛い心持ちの理由が解ってくる。綾の辛さと心細い想いの記述が非常に巧みで、前作『猛獣ども』の停滞した不穏な世界ともまた違う空気感の仕上がり。最終話で再び現在に戻る本作。綾は涼と自分の気持ちにどう決着を着けるのだろうか。大人の恋愛は残酷だ。
竹園和明
2024/10/26 15:47

【追記】敢えて言えば“恋愛小説“の括りなのだろうが、これぞ井上流。何かの折にスッと気持ちが靡き、心ごと持って行かれるのが大人の恋愛。そして現実との板挟みにもがき苦しみ、ハッピーエンドにはなり得ない苦行のようなもの。そんな顛末も井上荒野にかかると、このように的を射た小説になるのだ。

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竹園和明
読み初めは、マジメな顔でボケるようなパロディの作品なのかと思った。特に前半、とぼけたような一文一文が可笑しくてニヤニヤしながら読み進めたけれど、途中からどうやらそうではない事に気付く。主人公柳田は、他人の為にいつも自分が身を引くお人好し。この上ない交際相手の夕子からも身を引く。世の中にはこういう生きる事に不器用な人もきっといるのだろう。笑って誤魔化し刹那的日常を繰り返して来た自分が恥ずかしくなる。柳田を通して自らを切り付けるような鋭利な作風は、太宰治賞受賞作家らしい太宰的仕上がりだった。
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竹園和明
直感が当たった。タイトルだけで面白そうな気がするもんね。著名な脚本家らしい軽妙で読み易い作風ながら、女子高時代からの同級生4人による騙し騙されの人間模様、そして大人になってから起こるある事故をきっかけに25年振りに関わる彼女らと周辺の者達の物語。読み手をグイグイ引き込む可読性が素晴らしい。詩文、美波、満希子、ネリそれぞれのキャラの強さが際立つ面白い作品だった。後半また別の事件が起こり、物語は更なる佳境へ。フィクションとはいえ、本作みたいにいろいろ起こるのが人生。でも、だから生きる事は面白いんだよね。
竹園和明
2024/10/20 11:04

【追記】会社に来ている市の出張図書館から借りた本。当社は大正6年創業の旧い会社で、昔は敷地内に男子寮と女子寮があったため、そのなごりで今でも出張図書館が来るのです。本作は冒頭に起きる海難事故がその後の展開に及ぼす影響…という部分がやや弱く、人目を引く題材なのに勿体ない感じはする。しかし弱点はそこだけ。あとはパーフェクトな作りと面白さだった。出張図書館、見直したよ笑

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竹園和明
兄が起こした集団リンチ殺人事件と姉の轢死(虐めに遭って自殺?)。自分が背負う過去と全く同じ題材、展開の小説の謎を追う週刊誌記者柊志。その覆面作家の正体は誰で、目的は何なのか。…虐め問題を題材にしたミステリーを出し続ける著者ならではの作品。二重三重に重なったプロットに加え、被害者家族と加害者家族それぞれの苦悩までも描いている点が、「面白い!」となるか「凝りすぎでは?」となるか。誰もが加害者にも被害者にもなりうる事、それが人間の怖さでもある事は確実に伝わって来る作品ではある。でも虐め問題の作品はしんどい💦
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竹園和明
20世紀初頭、欧州ドイツ語圏のクロン村にムッソリーニのイタリア軍とヒトラーのドイツ軍が立て続けに侵攻し平穏に暮らす人々を制圧。主人公トリーナは教職の道を諦め友と別れ、夫を兵役にとられ地獄の日々を送る。夫が帰還してからは反戦の意思を固め、村を守るためダム建設計画にも反対するが…。暴走した国の施策はいつも横暴で、民の声は藻屑と消える。その民の視点から世の不条理を浮かび上がらせた本作が湛える静かな怒りの表現は見事。過酷な運命のもとでも反戦を貫き生き延び、故郷の村を守る為に権力に抗った2人の姿は神々しかった。
竹園和明
2024/10/13 12:18

【追記】ダム建設の噂が立ち上がった際、危機感を募らせたトリーナの夫エーリヒは声を嗄らして村人達に危機を説く。しかし村人は平然と酒を飲みカードゲームに興じるのみ。為政者はいつも、危機を危機だと解らせないように事を進める。そして政治に無関心で享楽を追い求める庶民は、いつもそれで不幸に陥るのだ。庶民が知らないところで好戦家は軍備の拡張を進め、それを知った諸外国は叩き潰そうとする。古今東西の歴史に学ばない愚かな政治家が国を滅ぼし、監視を怠った国民は涙を流す事になるのだ。さて日本はどうだ。

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竹園和明
出版社の労務課で働く自称「何もない」浜野文乃45歳。変化のないルーティンを毎日無機的にこなす。ある日、脚の怪我を理由に在宅ワークを続ける同僚の平木直理の様子を見に行かされた事がきっかけで、ぶっ飛びの平木ワールドに引き込まれて行く。新たな友らと共に文乃が辿り着いた世界とは。前半の文乃と平木のやり取りはコントのような可笑しさで、最近続く陽キャラ路線かと思ったがそうではない。後半は、無理解な夫と離婚に至った辛い過去、ミュージシャンまさかクンと共に前向きになる文乃が描かれる。ひと回りして得た文乃の世界は尊い。
竹園和明
2024/10/08 22:40

【追記】離婚して旧姓に戻ったから平木直理(ひらきなおり…開き直り)だけど、離婚前は中 直理(なかなおり…仲直り)だった…って、よく考えるよ笑。本作のテーマはさしずめ「人生を放り投げるな。あきらめるな」かな。著者が“中年版『君たちはどう生きるか』”と表現したに値する一作だった。尖ったツノも重苦しさもない、新・金原ひとみの誕生を告げるいい作品です。

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竹園和明
スムーズ&ライトな短編6編。赤川次郎作品はひねり過ぎていないところがいいですね。ただし表題作「素直な狂気」は何となく松本清張を思わせる作風でした。駅で見ず知らずの人が貸してくれた300円を返す為に家や会社にまで訪ねる男の異常性。その貸した側の人がその日その駅にいた事がバレては困る事情があるとしたら…。そこからの題材の料理の仕方が、松本清張ならどす黒い方向へ向かうのでしょうが、赤川次郎は明るく軽い。超万人向け。移動時間などにどうでしょうか。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/02/03(4316日経過)
記録初日
2013/02/03(4316日経過)
読んだ本
1369冊(1日平均0.32冊)
読んだページ
422961ページ(1日平均97ページ)
感想・レビュー
1139件(投稿率83.2%)
本棚
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性別
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