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2024年5月の読書メーターまとめ

とみやん📖
読んだ本
11
読んだページ
3760ページ
感想・レビュー
11
ナイス
202ナイス

2024年5月に読んだ本
11

2024年5月のお気に入り登録
1

  • のん

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

とみやん📖
ネタバレ上巻で物足りないと感想を書いたが、下巻は完全に打ち消してくれた。 大徳寺山門、智積院(祥雲寺)、そして松林図。それぞれが誕生したとき、どのような心持ちで等伯が絵と対峙したのか、さもありなん、と思わせる描写だった。 絵画の鑑賞眼のない自分には到底覚束ないが、絵心のある人はこうして一つひとつの絵を味わっているのかなと思えた。 利休と春屋宗園の生き様が格好いい。覚りの世界にまで昇華した気高い松林図を前に、秀吉以下の武家の頂きに立つ者達のすべてが思わず人としての原点に立ち返えらされるクライマックスが特に良い。
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2024年5月にナイスが最も多かったつぶやき

とみやん📖

2024年4月の読書まとめ 読んだ本:8冊 読んだページ:2260ページ ナイス:127ナイス #読書メーター https://bookmeter.com/users/316862/summary/monthly/2024/4

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2024年5月の感想・レビュー一覧
11

とみやん📖
ネタバレ鉄道マニア向けの小説と思いきや、展開に富んだ短編集だった。電車が誕生してから廃車されるまでの長年月の間に起きたことを軸に物語は進む。 必ず最後に実はこうでした、という落ちを用意してくれていて読後感が良い。 路面電車が暮らしの中で根付いていて、決して押し付けがましくなく、ひかえめに、安心や愛着をもたらしてくれていることが伝わってくる作品。
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とみやん📖
先月28日、とても尊敬していた佐々木常夫さんが亡くなった。79才尿管がんだった。 私自身も10年近く前に家庭が壊滅的な状況に陥ったが、この方の本や講演で希望の糸口を得た経験がある。 久しぶりに佐々木さんの本を読んだが、綺麗事では済まされない大変な境遇を乗り越えられ、仕事も大変な実績を残されていることもさることながら、紆余曲折を経て深まった家族の絆に何よりも感動し、そして自分の経験と重ね、涙が止まらなくなった。 仕事においても佐々木さんの教えは私の指針にもなっている。心よりご冥福をお祈りしたい。
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とみやん📖
ネタバレ長かった。チャンと和恵の告白が大半だが、結局それぞれが自分の都合の良いように語る。 学校での階級社会、会社での男性優位の世界、そして、そこでの女たちのさまざまな生きざまが暗く、悲しく、惨めに描かれる。歪んだ承認欲求の物語。かなり胸やけした。 東電OL殺人事件とオウム真理教の事件、90年代後半を代表するような二つ事件を取り上げているが、関係者の人は辛くて読めないだろうな。表現の自由もここまでくるとどうなんだろうと疑問さえ感じる作品だった。
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とみやん📖
ネタバレタイトルがこんなにもぴったりくる本も珍しい。底意地の悪い女を書かせたら桐野夏生の右に出る人はいないのではなかろうか。そう思わせる本。 悪意、美貌、知性、そして努力。それぞれの家庭環境などの違いから価値観の異なる女を描く。ただ共通しているのは愛に飢えていること。彼女達が交わり、影響し合うと修羅場が出現する。 登場する人物の大半がずるく、自分勝手で、醜悪であり、読むほどに怖気が増すのだが、桐野夏生の匠な文章に蟻地獄のようにはまってしまう。それこそが他人の不幸を喜ぶ醜悪さを心に抱えている何よりの証拠だろう。
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とみやん📖
ネタバレ上巻で物足りないと感想を書いたが、下巻は完全に打ち消してくれた。 大徳寺山門、智積院(祥雲寺)、そして松林図。それぞれが誕生したとき、どのような心持ちで等伯が絵と対峙したのか、さもありなん、と思わせる描写だった。 絵画の鑑賞眼のない自分には到底覚束ないが、絵心のある人はこうして一つひとつの絵を味わっているのかなと思えた。 利休と春屋宗園の生き様が格好いい。覚りの世界にまで昇華した気高い松林図を前に、秀吉以下の武家の頂きに立つ者達のすべてが思わず人としての原点に立ち返えらされるクライマックスが特に良い。
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とみやん📖
ネタバレイランで孤児になり、日本に渡り、とても苦労をされた方とあるきっかけで知り、関心を持った。 久しぶりにエッセーを読みましたが、タイトルのとおり、沢山の言葉の花束をいただいた。特に、サヘルの母、フローラの言葉が心に染みる。 「本当に美しい人は、一緒にいればいるほど、美しさが溢れ出す」「自分さえよければ、では、結局、自分すら幸せではない」「憎む感情を捨てなさい。人を許すことを学びなさい」「人の素敵なところを見つけていきなさい」「人というのは叱られるから変われるのではなく、信じてもらえるから、変わろうとする」
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とみやん📖
ネタバレ日経新聞の朝刊で連載されていた長谷川等伯主人公の時代小説。 舞台を安土桃山時代としているが、現代人がそこで会話している雰囲気。司馬遼太郎を読んだばかりなのでどうしても比べてしまって物足りなさを感じるのかもしれない。 たった一代で狩野派とならび立つ長谷川派を興した等伯は小説の主人公としてうってつけ。運だけではどうにもらなず、絵師としての力量と政治的な活動の両面を満たしていたのだと思う。 京都本法寺の日とう上人の肖像画を仕上げるところが特に印象に残った。それと、七尾、敦賀、京都、堺を訪れたくなった。
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とみやん📖
著者の久保田勇夫(くぼたいさお)さんは、元大蔵省のキャリア官僚で2000年に国交省の事務次官で退官された方。国家の礎を担う官僚の役割は極めて重要でありながら軽んじられていることを心配されて書かれた本。残念ながらその傾向は20年が経過し益々強まっていると思う。しかもそれは世界的な傾向のようだ。 文章、交渉、組織、人事、健康(+世界の公務員比較)について丁寧に後進へ助言するように知見を披瀝されている。恐らくこの方は文章の技術や国際交渉は達人なのだろうと思った。とても常人が真似できるレベルではない。
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とみやん📖
新聞の書評を見て気になった。TBSプロデューサーの西野智彦さんによる綿密な取材に基づくドキュメント。黒田総裁の下で進められた異次元緩和の舞台裏を知ることが出来る良書。 安倍政権によるデフレ脱却の公約を一手に背負わされ、リフレ派を審議委員や副総裁に送り込まれた日銀が、企画ラインを中心に悪戦苦闘する様が伝わり、手に汗握りながら読んだ。 黒田総裁に対する私のイメージは日経新聞の私の履歴書で変わっていたが、各国中央銀行を向こうに回して対等に駆け引きができる人と再認識した。それと麻生太郎のイメージも良くなった。
とみやん📖
2024/05/05 22:07

【メモ】日銀の仕事がよく理解できた。それとともに、とても複雑になっている我が国の金融政策も分かりやすく解説されている。正直庶民からすると、当時は、インフレターゲット自体もよく分からなかったが、金利政策が正常に機能しうる長期金利に戻すことや、景気や消費の拡大による健全な成長をもたらすことなどが目的なのがようやく府に落ちた。それにしても、短期金利のコントロールが古典的な金融政策なのに対し、量的緩和やYCCは追い詰められた経済下での選択肢なのだろう。肥大化した日銀の資産をどう正常化するのかこれからが棘の道。

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とみやん📖
「峠」の次はこちらの対談集。タイトルとは少しずれていて、司馬遼太郎を慕う人たちが、登場人物を論評したものとなっている。 真田信幸、山本権兵衛、大村益次郎、小栗忠順は非常に気になる人物。それぞれが登場する作品を読んでみたいと思った。手元に「花神」はあるので、大村益次郎からか。 それと、「竜馬がゆく」と「「明治」という国家」はいつか読まねばなるまい。
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とみやん📖
ネタバレGWにまた一つ名作を読み終えた。閉じるときの感動は坂の上の雲に匹敵する。素晴らしい作品。 あとがきで、河井継之助を、日本もしくは世界においてさえ特殊な、武士道、サムライの美意識の結晶として描き出したものと知り、継之助の不可解な選択にも少し理解が及んだ気がする。 ただ、陽明学を信奉し護民官を任ずる者が、なぜ主君や譜代の立場を守ったのか。当時随一の開明論者がなぜ佐幕に傾斜したのか。長岡藩の執政として武士の美意識を貫いたと著者は解釈しているが、長岡の人たちのその後の辛酸を思うとどうしてもやりきれない。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/02/04(4161日経過)
記録初日
2013/02/06(4159日経過)
読んだ本
882冊(1日平均0.21冊)
読んだページ
257526ページ(1日平均61ページ)
感想・レビュー
879件(投稿率99.7%)
本棚
16棚
性別
自己紹介

本をこよなく愛するアラフォーです。

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