hinakamo?の文章の中で私的さが出ていて秀逸だなと思った箇所を引用しておく。「プロという道とは別に彼らもまた、限られた環境で可能な限り自らを鍛え自転車競技に挑む人々。まあカッコよく書いたけど単なる自転車莫迦の集まりなのかも知れない。でも私はそういう人たちが好きだ」(p.38)。この文章があるからこそこの本も成り立っているんだろうと感じる。
先行研究を踏まえた上で「我が世の望月」の和歌の解釈も行っており、道長の性格や和歌の特性をふまえると著者の解釈はなるほど、と唸ることができた。もちろん一案であり、絶対の解釈ではないと思いつつ。
物語って小説って本当に面白いよなあ、ということと1000年前の古語と出会った100年前の英語話者を通して現代日本語を操る姉妹が語り下ろすという構図を見ていると、人間の自然言語っていうものも本当にすごい。言語が時代を超えていく力を持つからこそ、物語がこうやって継承されていくんだ、と思うのである。
現在は東京での大学生活を終えて高松でおしごと中。最近ガイブンとSFが熱いです。
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