ケアの倫理のパンフレット。書きたいことを書いているので、議論が深まらない。結論が先にあるタイプの本。ケアの倫理の話はなんでこうも全部一緒なんだろう。この「私はわかっています」とでもいうような、せき立てられるような語り口。まるで信仰告白だ。バトラーはそのあたりを敏感に避けている気がする。著者はバトラーを引用してはいるものの、加害性を反省しようと述べるだけ。あのー、それって強い責任論ではないの？

びくびくしながら読んだが、なんとか読み通すことができた。マザリングについて語ることが難しい現状を認めつつ、批判覚悟で人びとから声を聴き取る本。専門用語でいえば、ヴァナキュラーな領域を扱うエッセイ。もちろん、いろいろと限界がある。インテリしか出てこないのも問題。こんな陳腐な副題にするなら、いっそなくしてしまったほうがよかったとも思う。だが、ただそこに投げ出された言葉の中には、触発するものがたくさんふくまれているのもほんとうだ。

ケアの倫理のパンフレット。書きたいことを書いているので、議論が深まらない。結論が先にあるタイプの本。ケアの倫理の話はなんでこうも全部一緒なんだろう。この「私はわかっています」とでもいうような、せき立てられるような語り口。まるで信仰告白だ。バトラーはそのあたりを敏感に避けている気がする。著者はバトラーを引用してはいるものの、加害性を反省しようと述べるだけ。あのー、それって強い責任論ではないの？