凪良作品はぐいぐい読ませるのに感想がひどく難しいです。誰かに助けてほしい、だけど誰にもさわられたくない。そんな心の内が生々しく響きます。ふたりがかけ違えたものをどこでやり直せたら良かったのか。あの人がこの人がと、こじれた糸を触るほど絡まっていく。心まで絡め取られるような苦しさのなか、不思議と綺麗なものが待っていてくれそうな希望もおぼえます。残された物語が彼の生の証となって周囲の心を慰め、きっとどこかで苦しむ誰かにとって救いのような存在になると信じます。

ふたりの物語が心が沁みます。読み進めれば染み込んだものがにじみ出て、ついには涙になって溢れ出ます。仕事のこと、家族のこと。気のおけない友との旅が励みになり、癒しになる様子に、私も元気を貰いました。そして歳を重ね、親との関係や働き方。変わりゆく暮らしを慰め心の内をさらせるのもまたお互いであって。丁寧な描写に私自身思うところがたくさんありました。重ねていく日々のこと。しっかり立ちながら、大事な人を思いやれる自分でありたい。まだまだ私も足掻きたい。ふたりの物語の続きを熱望します。

世之介にまた会える幸せ。生まれてきたことをご褒美と思い、良く笑ったよく生きた、と生きていけたらいい。そんな言葉たちが沁みます。図書室本なので、下巻が届くまで少しお預け。続きが待ち遠しいです。

凪良作品はぐいぐい読ませるのに感想がひどく難しいです。誰かに助けてほしい、だけど誰にもさわられたくない。そんな心の内が生々しく響きます。ふたりがかけ違えたものをどこでやり直せたら良かったのか。あの人がこの人がと、こじれた糸を触るほど絡まっていく。心まで絡め取られるような苦しさのなか、不思議と綺麗なものが待っていてくれそうな希望もおぼえます。残された物語が彼の生の証となって周囲の心を慰め、きっとどこかで苦しむ誰かにとって救いのような存在になると信じます。

やっと読めました。天道虫さん、お久しぶりです。天性の運なさ、なんてものがあるとするなら彼のことかもしれません。ある意味、諦観の域でどんな事態にも対応できるメンタルと判断力、行動に舌を巻くばかり。出てくる登場人物たちが登り下り、すれ違い騙し合う様子に、いつの間にか物語が集まってきての爽快感。面白かったです。また再会できることを期待して。