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2025年11月の読書メーターまとめ

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読んだ本
20
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5262ページ
感想・レビュー
5
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66ナイス
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2025年11月に読んだ本
20

2025年11月のお気に入られ登録
2

  • オカピー
  • 学生

2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

belier
長らく積読してた本。たしかに聞き書きの傑作だった。日本の周縁部で生きた古老たちが語る人生は味わい深い。エロ話、笑い話も楽しめた。「女の世間」では庶民の女性たちのたくましい生きざまが語られ、「土佐源氏」では裕福な女性の不幸な境遇に気づいた老人の視点があった。これらは女性への宮本の見方を反映しているのだろう。少し登場しただけだが、芸人、ハンセン病の人などへの言及も差別的ではない。そうした点で、現代でも抵抗なく読める古典となっていると思う。
が「ナイス!」と言っています。

2025年11月の感想・レビュー一覧
5

belier
ツキノワグマの基本的な生態、また近年の変化について書かれている。印象的だったのは、米の減反政策で転作が奨励されているソバを食べるクマが現れているということ。ソバは消化がよく、習性として広がっている可能性もあるらしい。母グマを駆除された子グマが森林に行くと雄がいるため、市街地に現れる場合もあるという。また母グマがいなくなった子グマは冬眠ができない場合があり、それを性質が変化したクマとみなされたのではないかともいう。2024年時点での著者の見立てだ。この問題は進行中のため、さらに新しい知見が出て来るだろう。
が「ナイス!」と言っています。
belier
日本史の本を読んでいても「琉球処分」という一言で済まされてしまう史実だが、実に複雑な経緯があったことが理解できた。琉球王国は、日本と異なる国家だという認識を明確に持っており、琉球併合に抵抗した。日本(薩摩)と清の両方の属国という弱い立場でバランスをとってきたためか、交渉が巧みで、明治政府の高官をやりこめるくだりは痛快ですらあった。しかし結局、大国の日本が強引に自国の領土に組み込みやり方を押しつけ、都合よく利用し続けている。沖縄の歴史に興味を持ってからこんな本があればいいなと思っていた。期待通りの本だった。
が「ナイス!」と言っています。
belier
ネタバレ1938年に刊行。どちらもプロレタリアの作家である夫婦の危機が描かれる。二人の子どもがあったが、夫に愛人ができ、別れることになるが最後は元の鞘に収まる。しかし不穏な空気はそのまま残る。主人公は妻の明子。別れを告げられてからの明子の心理描写は微細で見事。とはいうものの、作家同士の夫婦なのに家事や子育てを全くやらない夫が我儘し放題で、そんな男ときっぱり別れられない心理は理解できなかった。進歩的な作家の世界でも、当時は女性の立場がそれほど弱かったということなのか、夫の魅力の虜になっていたのか、不可解だった。
が「ナイス!」と言っています。
belier
長らく積読してた本。たしかに聞き書きの傑作だった。日本の周縁部で生きた古老たちが語る人生は味わい深い。エロ話、笑い話も楽しめた。「女の世間」では庶民の女性たちのたくましい生きざまが語られ、「土佐源氏」では裕福な女性の不幸な境遇に気づいた老人の視点があった。これらは女性への宮本の見方を反映しているのだろう。少し登場しただけだが、芸人、ハンセン病の人などへの言及も差別的ではない。そうした点で、現代でも抵抗なく読める古典となっていると思う。
が「ナイス!」と言っています。
belier
ネタバレ71歳になって、往年の大長編と変わらぬ堂々たる作品を完成させたのはさすが。後期の作品らしく思想を前面に出しすぎの感があるものの、小説として楽しめるよう盛りあげ、見事な落とし前をつけていて巧い。チフスが出たとき、これは伏線かと思いきやそうではなかった。だが解説によるとモデルとなった女性はチフスで死んだという。アンナ・カレーニナの場合と違い、ヒロインを死なせなかったのは、この時の思想のためだろうかと思ったりする。また左翼の政治犯たちに同情的ながら、支配欲の塊のような革命家を登場させていたのは後知恵だが予言的。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/03/23(4648日経過)
記録初日
2013/03/05(4666日経過)
読んだ本
2184冊(1日平均0.47冊)
読んだページ
655789ページ(1日平均140ページ)
感想・レビュー
1246件(投稿率57.1%)
本棚
0棚
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