何かしら小さな不幸せが散りばめられている。嗅ぎとれるかどうかのモティーフが置かれている。マジョリティのくくりに生きているのは楽かもしれないけど。探そうと思えば誰でもどこかしらマイノリテｨなんじゃ。妙齢な女ふたりで暮らすことを「普通じゃない」と断じる主人公。時代だなぁと思う。そういうことにはなっている、が自分の判断を覆い隠す。最初の一文—-リビングで、菅沼が死んだ犬を作っている。—-「死んだ犬」とは3Dプリンター製であり、物語の最後には3Dの別モティーフにて物語は締めくくられる。なかなかなブラックだね。

見方が斜めすぎ？趣旨は、無垢な女の子が森にいるうさぎにお母さんへのプレゼント相談をする流れなんだけど。うさぎは「男」にしか見えないし赤い洋服を着ている女の子は世を知り尽くした「女」にしか見えない。うさぎのポーズや表情には自信過剰気味なナルシストさがしたたり女の子からはうさぎを惹きつけ優位に持っていこうとする下心が見え隠れする。プレゼントはさしずめ自分へのご褒美で気に入らない選択肢を告げるうさぎに次から次へと注文をつけ畳み込んでいく。夜の帳が下りた別れのシーン。うさぎの後ろ姿・振り返る表情、そうとしか（笑）

何かしら小さな不幸せが散りばめられている。嗅ぎとれるかどうかのモティーフが置かれている。マジョリティのくくりに生きているのは楽かもしれないけど。探そうと思えば誰でもどこかしらマイノリテｨなんじゃ。妙齢な女ふたりで暮らすことを「普通じゃない」と断じる主人公。時代だなぁと思う。そういうことにはなっている、が自分の判断を覆い隠す。最初の一文—-リビングで、菅沼が死んだ犬を作っている。—-「死んだ犬」とは3Dプリンター製であり、物語の最後には3Dの別モティーフにて物語は締めくくられる。なかなかなブラックだね。

中学生の頃『夢判断』は愛読書だった。フロイトは神経症の患者を寝椅子に横たわらせ脇の椅子で会話をした。患者は知らず知らず夢の話をしたという。夢とは無意識の宝庫らしい。我が読書歴を振り返ると無意識の要素を物語に注入したものに強く惹かれている。無意識とは影のようなものであり日常生活が綻びぬよう意識が番をしているのだという。村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』では影を剥がされた人間のみが壁の内側で暮らすことができた。安部公房は自分の見た夢を詳細にメモしていたという。無意識は自分の裏側を知れる。