母を殺し死体遺棄した娘と、娘に医学部受験を強制した母。なんでこんな事になるの？というエピソードの連続で読んでいて大変疲れました。娘を支配し、自分の希望通り医師にさせるため9浪もさせるなんてあり得ないし、2人がそんな生活を続けるためのお金を出した周囲にも驚いてしまう。母親の年齢的に子どもの成長に自己実現の道を託すことは珍しくない世代なのかもしれないけど度がすぎる。

以前から気になっていた作品。地下鉄サリン事件の被害者やその家族60人に村上春樹がインタビューしています。あの日、どの駅から何両目に乗車したかという話しの前に、語り手が幾つでどこ出身で何の仕事をしているかなどプロフィールも紹介されているため、一人一人の人生がより深く感じられます。突然、異常事態に巻き込まれてしまった時、人はどんな行動を取るのか。思いもよらない事実も多くページを捲る手が止まりませんでした。とても衝撃的で辛い気持ちになりましたが読んで良かったです。

母を殺し死体遺棄した娘と、娘に医学部受験を強制した母。なんでこんな事になるの？というエピソードの連続で読んでいて大変疲れました。娘を支配し、自分の希望通り医師にさせるため9浪もさせるなんてあり得ないし、2人がそんな生活を続けるためのお金を出した周囲にも驚いてしまう。母親の年齢的に子どもの成長に自己実現の道を託すことは珍しくない世代なのかもしれないけど度がすぎる。

『同志少女よ、敵を撃て』を読んでから気になっていました。独ソ戦に従軍した女性達の生の声がまとめられています。狙撃兵、軍医、看護婦、パルチザン…様々な立場で戦場にいた彼女達は考え方もその後の人生も千差万別。淡々と事実を語る人もいれば、涙が止まらず言葉にならない人もいる。共通するのは戦争の悲惨さ。そしてそれはどの国、地域でも同じこと。目を覆いたくなる惨状や、許せない行為を忘れたふりをし、従軍したことを隠す人の何と多いことか。生きて帰れても彼女達の中で戦争はずっと存在し続け苦しめ続けていた。恐ろしい事です。