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2024年11月の読書メーターまとめ

toriaez
読んだ本
9
読んだページ
2055ページ
感想・レビュー
9
ナイス
49ナイス

2024年11月に読んだ本
9

2024年11月のお気に入られ登録
1

  • もってぃ

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

toriaez
ネタバレたいへん烏滸がましいが芥川に親近感も感じた。神経質で、自分の世界に篭りがちで、世の中を軽蔑しがちなところに。だから「蜜柑」に一番深く頷かされた。汚らしさや浅ましさばかりが目について、ちょっと列車に乗るだけでもへとへとに疲れてしまう類の人間にとって、不意に見かける素朴や誠実や親切といったものが、どれだけ救いになることか。まあ、幸か不幸か私には芥川ほどの才能はないので、人生観がゆえに破滅へと向かうことなどひとまずなさそうだが、それでも意識しておきたい。世の中を見直し続けるほかに、高踏家に生存の道はないのだと。
が「ナイス!」と言っています。

2024年11月の感想・レビュー一覧
9

toriaez
ネタバレ「なぜか読んじゃう」という読み味。やはり注釈の豊富さゆえか。pixiv百科とかニコニコ百科とかまとめwikiとか読むタイプの人間なので、やたらフィットしてしまった。/それだけでなく、地の文もセリフも口達者。見事なほどだ。俗かつ通。下品だけど粋。美意識って、時空を超えて結晶化していくような、不変で硬質なもののイメージだったけど、時代を乗りこなして、流暢に変わっていく美もあるんだな。変わり続ける若者たち、という意味では、現代と変わらないね。最前線の奴らの活き活きしたノリ。ま、私はパリピ苦手だけど。面白かった。
toriaez
ネタバレホラー読み過ぎでだんだん怖さが麻痺してきてたんだけどこれはかなり怖かった。なんといっても屋敷で起こる霊現象のリアリティよ。足音やすりガラス越しの人影ってよくあるけど、真に迫る表現だった。とくに音の描写。「聞こえてしまった」瞬間の戦慄がありありと伝わってきた。そして、怪異の増長・状況の悪化・真相の露呈、ペース配分がそれぞれ絶妙。このずぶずぶ沈んでいく感じが本当にホラーで、「一度に書きすぎない」って大事なんだなあと思わされた。時間軸に関するギミック、設定やキャラの魅力、事態のえげつなさなど含めて、貴重な良作。
が「ナイス!」と言っています。
toriaez
ネタバレ怖いもの好きが短歌にも興味を持ち始めたならうってつけ、著者が「怖さ」タグをつけてくれた作品をざっと読めるので、自力で濫読して好みの一首を探すより捗る。が、著者と解釈が異なることもしばしば。気にするなと言われればそれまでだし、興味深い記述も多かったのだが、どうも水を差される思い。でもそれは、濫読もせず教養っぽいものを手に入れたいな〜と本書を買ったモノグサな自分のモードのせいだから仕方なし。本当は誰も介さず、むしろ詩に見つけられてしまうかのように、不意にその一片に刺されるのが理想。/とはいえ良い短歌を知れた。
toriaez
ネタバレ途中で一度、別の本を経由して読んだ。筆力自体はしっかりしていると思う。複雑なものを細やかに組み立てているし、語彙は豊かで文章も綺麗。探偵コンビも刑事もキャラ立ちしてたし。多分、単に自分がミステリに飽きているせいで一気読みにならなかったんだろうな。/目玉のトリックが「実は部屋もそこに至る道も二つあった」というアクロバティックな発想なのが良かった。しかし細かい謎が多すぎて集中力を維持できず。水路とか鍵とか。「瞼の裏の色」「豆腐小僧の制約」「川赤子の錯覚」など中々興味深いのだがそこも十分に味わえなかったかなあ。
が「ナイス!」と言っています。
toriaez
ネタバレやはり修験道は面白い。新しもの好きですぐ流行を取り込み、しかし正統な縁起を主張して霊験アラタカと謳い、山林抖擻に明け暮れ悟りを求めていたかと思えば、がっつりビジネスに食い込んで……。修行僧から山岳ガイドを経て南極探検隊へ、という系譜などはユニークさ極まれり。山も里も自在に駈けるが如く、聖と俗、観念と現実をひらり行き来する。統制のために権力者が定めた信仰ではない。それらをすり抜け復活した民衆の集合知。真摯な祈り、医療や教育、芸能にメイクマネー、地域の繋がり。この柔軟な自我のあり方、今こそ学ぶべきではないか。
が「ナイス!」と言っています。
toriaez
良い時間だった。
が「ナイス!」と言っています。
toriaez
ネタバレ「救われたい」と思えた時点で救われている、みたいな教えがあったかと思うが、そうだよな。そう思えるまでが長い。そう思えたら、もうほぼ勝ち。「本当の弱者は助けたい姿をしていない」って言説通り、底の自分って醜いし、別にほっときゃいいやってなる。最近増えてるセルフネグレクトってそういう心理だろう。本書の出家者たちも、清貧と自棄の境界みたいな、そのギリギリの世界観を生きているよう。さて、仏教だって宗教なんだからそこに漬け込んで増殖するミームなわけだけど、「現世で仏の教えと出会ったお前、この縁ができたのもお前の前世の
toriaez
ネタバレ「子どものかたちをしているもの」は、間橋が人生で求めているものだと言及されていた。それは、親たちや好きな男を喜ばせるもの。愛するひとたちに幸せをもたらすものらしい。子どもが欲しいわけではないけど、たぶんまともな人生、のパッケージは、子どものかたちをしている。たぶんまとも、はセックスのかたちもしている。合ってる、よね、を演じる儀式。一方の「犬のかたちをしているもの」は? 安らかであれ、という祈り。心許なさなどない、確信を持てる愛。どうして、ズレてしまう。動物を大事にするみたいに、互いを思い合えたらいいのに。
が「ナイス!」と言っています。
toriaez
ネタバレたいへん烏滸がましいが芥川に親近感も感じた。神経質で、自分の世界に篭りがちで、世の中を軽蔑しがちなところに。だから「蜜柑」に一番深く頷かされた。汚らしさや浅ましさばかりが目について、ちょっと列車に乗るだけでもへとへとに疲れてしまう類の人間にとって、不意に見かける素朴や誠実や親切といったものが、どれだけ救いになることか。まあ、幸か不幸か私には芥川ほどの才能はないので、人生観がゆえに破滅へと向かうことなどひとまずなさそうだが、それでも意識しておきたい。世の中を見直し続けるほかに、高踏家に生存の道はないのだと。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/14(4145日経過)
記録初日
2014/03/02(3945日経過)
読んだ本
586冊(1日平均0.15冊)
読んだページ
168252ページ(1日平均42ページ)
感想・レビュー
546件(投稿率93.2%)
本棚
6棚
性別
年齢
36歳
血液型
AB型
職業
サービス業
現住所
三重県
自己紹介

ジャンル関係なく、のんびり本を読んでます。

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