<言葉では誰も活動家にはならない>。あくまで活動家でありたいと宣言して、「庶民」であるところの自身にまず刃を向けてでも「庶民」と敵対した詩人、谷川雁と、「庶民」に居直って「前衛」を批判し<軽々としたもの>である吉本隆明を対比的に取り上げている最後は特に面白かった。むろん吉本批判であり、谷川称揚である。
戦争の現実そのものが描かれているというより、真珠湾攻撃中に軍艦上で起きた殺人事件を発端にしてその謎の解明の進行とともに、太平洋戦争を戦った日本という社会と時代が背景として浮かび上がるという仕組みだ。とにかく読んでいる間は夢中になれた。長かったが。
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戦争の現実そのものが描かれているというより、真珠湾攻撃中に軍艦上で起きた殺人事件を発端にしてその謎の解明の進行とともに、太平洋戦争を戦った日本という社会と時代が背景として浮かび上がるという仕組みだ。とにかく読んでいる間は夢中になれた。長かったが。