ネタバレ釧路に近く太平洋に面する白糠町の山奥に、一人住む猟師・熊爪。穴持たず熊と赤毛熊との対決、熊爪と穴持たずの戦いに汗握る！腰の骨を折った熊爪の救出に、白糠の商店・良輔へ知らせた番犬の活躍はお見事！痛みが減じ山に戻り、赤毛との決着を夢見る熊爪。己の生死を賭けた赤毛との死闘は、臨場感一杯！九死に一生を得て白糠に下り、身重で片目の陽子を掠う。３人の暮らしで、山の獣の感覚が鈍った。雌熊とまぐわうために子熊を殺す雄熊のような挙動をした熊爪。死の間際でも獣のような死に様を望んでいた熊爪。人と熊を同化する男の話？一気読み！

ネタバレ2億円の商品取引の交渉人の仕事が謎の資産家・正岡から、ヤクザ探偵・矢能に飛び込んできた。が、取引現場で意味不明の殺人が発生。さらに、人質となっていた資産家の孫を解放して一件落着？その孫から父親の捜索を依頼した探偵・村井の捜索を依頼される。村井を尾行していたのは祖父・正岡の部下・田崎。田崎から正岡に金の請求。何か、きな臭くなってきた！田崎の上司・大垣と田崎探しを競うことに。矢能は裏を読み、予想的中！イタリアレストランへ栞と3人で行ったときの美容室のお姉さんとの言葉「幸せな状況にいる人は変化を恐れる」確かに！

ネタバレまたもや、一気読み！人気俳優とカリスマ歌姫が惨殺され、ドラッグの売人が逮捕されるも、冤罪を主張。弁護人から協力を請われた元ヤクザ探偵・矢能は、売人の無実を証明する証人探しを高額報酬で請け負うが…。これまた、一筋縄で行く話ではなく、冤罪でも何でも犯人に仕立てようという腐れ刑事らともいざこざというか、邪魔ばかり！腹立つ～。栞は美容師のお姉さんとの別れの危機を迎え、矢能に助けを求める。普段は、栞の前では不格好な矢能だが、美容師お姉さん救出作戦はスマートに片づいた！ドキハラが、ほっとして終わったよ！ふう～

ネタバレ私は、1926年に急死した古文碑文字の権威で大伯父の遺品類を整理している際「クトゥルフ教」の研究記録を発見。怪物めいた像と都市風景、謎の文字が浮き彫りにされた小さな粘土板は、若き彫刻が悪夢で見たものと、17年前学会の場に刑事が持ち込んできた謎の怪物像に同一？！25年、南太平洋で難破船に乗った人々は、海に出ている巨大な石造建築物を発見。上陸すると巨大な蛸と竜と人の合体した粘液まみれの謎の怪物に襲われ生存者はたった一人。ここの場面の画は凄い迫力だ！知りすぎた私は、身の危険を感じ、記録の処分を願う。恐怖の一冊！

ネタバレ僕・亮介はドッグランのある喫茶店を経営していたが、婚約者・千絵が失踪、父の末期ガンが発覚。父に会うため実家を訪れ、父の書斎で「美沙子」の黒い髪束と4冊のノート「ユリゴコロ」を発見。それは殺人にとりつかれた女＝実母の生々しい告白文だった。実母・美沙子は幼少の頃、楽しさ幸せを感じる心が欠落した「ユリゴコロがない」子と言われた。亮介は殺人犯の子供で、その殺人犯と結婚した父親の過去は？告白文の内容に、グングン引きつけられる！母は妹の英実子、千絵を発見し救護、義父の手で殺された実母は何と！息つけぬ面白さだった！

ネタバレ日光で本郷康秀を誅殺し百蔵と天松を連れ、越後・越中を経て加賀に入り、海路より金沢入りしていた信一郎らと合流し前田家と交易を行う。イマサカ号と大黒丸で津軽海峡を通って江戸に戻る。一方、日本橋大黒屋では、ちゅう吉の掴んだ本郷家老女と薩摩藩用人の密談が大番頭光蔵に報告されていた。帰参した総兵衛は八百善で、南町奉行・根岸と秘かに対面。帰途、闇祈祷の李黒の妖術が…。それにしても、ちゅう吉の何と隙のない大人びた振る舞いか！先代の一周忌を終えた総兵衛は”女影様”と対面。その後、イマサカ号に桜子を乗せ南に舵を切った！

ネタバレ御側衆本郷康秀が将軍家斉の代参として、日光に向かった。極秘の出立、何故かかげま歌児の同行、余りに不審な点が目に付き、総兵衛は百蔵と天松を伴って一行を追う。歌児の安否を心配したちゅう吉は、訳も分からない日光街道をひた走る。途中、ちゅう吉は公儀御庭番衆に捕まり風前の灯火というところで松吉に救われ、一行の助っ人？になる。この代参に関わる秘密の言葉「シゲヒメ、サツマ、ヨーニン」を歌児からちゅう吉は、厠で受け取る。本郷の恐るべき野望…薩摩と影様との同盟で、大黒屋を潰す！ことが明らかに。十代目総兵衛が決断を！

ネタバレ帰りのバスが故障で、町に泊まることになるのだが…。ギルマンホテル内の荒廃した廊下や、黴臭さと生臭さの混じり合った部屋に何者かが押し寄せてくる。恐怖の場面が見事に、表現！必死の思いで港町インスマスを脱出。その後も「私」はウイリアムス家の家系を調べ続け、祖母や自殺した叔父の写真を見て目の大きさに気になる。夢にいつも出てくる海の怪物と似ていると！部屋に閉じこもった「私」は「インスマス顔」になっていく！「新たなる仲間達と共に、奇蹟と栄光に囲まれて、永遠に生き続けるのだ」どっぷりと、田辺ワールドに浸ってしまった！

ネタバレ米国ホラー作家ハワード・ラヴクラフトが1936年に発表したものを、完全漫画化。「暴いてはいけない。呪われた港町の忌まわしき秘密を」。1927年7月、ニューイングランドを周遊していた「私」は、周りの町の人々から嫌われ、地図にも載っていない頽廃した港町インスマスを訪れた。飲兵衛老人から聞いた町の悍ましい歴史。オーベット船長と南洋の島民との約束。海の神は人間との交配を望み、人間は不死を望んだ！奇妙な装飾品の数々、荒れた街並、悪魔の岩礁など緻密で繊細な画面で世界が表現される“田辺版ラヴクラフト”に圧倒された！

ネタバレ映画「アウト＆アウト」のキャスト；矢能政男（遠藤憲一）と小２少女・栞（白鳥玉季）を思い出しながら読了。日本最大の暴力団の二次団体・燦宮会の理事長になる予定だった佐村組組長が突然、失踪？燦宮会会長・二木は、探偵・矢能に調査を依頼。容疑者は全員アリバイなし、動機ありのヤクザたち。だが同じ頃、佐村と関わる主婦も行方不明になり、姉が調査依頼に矢能の事務所へ。「謎解きはどうでもいい、犯人は俺が決める」とは言ったが、栞の身に危険を感じ…六番町の婆さんの所で世話になることに。あり得ない組み合わせが、面白い！

ネタバレ「トラップハンド」という名の隠れ家的バーに、訪れる訳あり女子の面々。マジシャンでメンタリストのマスター・神尾武史と姪の真世が難問を解決？「トラップハンド」「査定する女」マッチングアプリで知り合った男は本物？結婚か夢を追うか選択せよ！「リノベの女」真世にリフォームを依頼した上松和美は偽物？「続・リノベの女」末永母は介護付き有料公人ホームで、娘の死を信じない…。憎しみと涙。「相続人を宿す女」遺産相続は胎児でも可、医療ものを絡めた話。いずれも、手の込んでいて簡単に結論に到着しない２段３段飛びの展開！流石…です。

ネタバレ居間の妻の前で、表紙を広げて読んだ。予想した「悪妻」は出てこなかった。「オールドボーイズ」亡夫の上司だった男が妻を亡くし、その妻を思って書いた自費出版が送られてきた。それを読んで内省する彼女に、「気に入って下さったらお振込を」の手紙！似た経験があり、苦笑。「もっと悪い妻」夫公認のもと、元恋人と自由な時間を過ごす妻。「男でも親友になれるよ」と言い張る。妻の本当の貌を、男たちは知らないのだ！西加奈子氏の言葉”不幸な「悪い妻」は許されるが、満たされた「もっと悪い妻」は断罪される”彼らの数年後を見てみたい！

ネタバレ「レビュー投稿キャンペーン」で、B☆Wコインプレゼントに当選！早速、購入したのが本書。三ツ矢&田所刑事シリーズに接する。マンションの一室で若い女が意識不明の状態で発見され、生後十ヵ月の娘が連れ去られた。「私は人殺しです」と書かれた便箋が残されていた。時は遡り、90年代初頭、北海道の離島での巨大リゾート建設計画に翻弄された人々。島を愛する者、脱出を夢見る者の間で事件が色々と起こる。当時、中１で父が消え母を亡くした少女・結唯と高校生・陽介との点と線。殺意の動機を詰めていく三ツ矢刑事は流石！チト、長かった。

ネタバレ今坂一族の卜師・梅香林は、鳶沢一族に張り巡らされた闇祈祷を看破。徳川五代将軍・徳川綱吉の側用人・柳沢吉保が、幾重にも仕掛けた百年の呪いに十代目総兵衛勝臣は敢然と立ち向かう。柳沢吉保が長年に渡り手入れをしていない廃園同様の六義園に、家斉御側衆本郷康秀が足を運び、その後、入らずの森での陰陽師一団に鳶沢一族が攻める！正月七日を過ぎて、根岸の坊城麻子、桜子親子と総兵衛が初顔合わせ。何やら、総兵衛閃くものが？坊城親子の危機を救い、女刺客を退治。沢村元牢屋同心と大黒屋大番頭・光蔵の鞘当てが面白かった。

ネタバレ人間ドックでのストレッチャーの上で、このタイトルが浮かんだという作者の弁。話の内容は、出てきた船「イマサカ号」の大きさも含め、スケールが大きい！表は古着屋だが、影旗本として密かに徳川家を護持する事を命じられた鳶沢一族。前回の六代目総兵衛が活躍した時から90余年。子のいない九代目総兵衛勝典は瀕死の床にあり、後継者について長老や一番番頭が頭を抱えていた。直系は望まずとも、「血に非ず」と九代目は言ったが…。突然、六代目の孫と称する安南王朝の公子・今坂勝臣が大黒屋に訪れる。真実を確認し、大黒屋10代目が決まった！

ネタバレ釧路に近く太平洋に面する白糠町の山奥に、一人住む猟師・熊爪。穴持たず熊と赤毛熊との対決、熊爪と穴持たずの戦いに汗握る！腰の骨を折った熊爪の救出に、白糠の商店・良輔へ知らせた番犬の活躍はお見事！痛みが減じ山に戻り、赤毛との決着を夢見る熊爪。己の生死を賭けた赤毛との死闘は、臨場感一杯！九死に一生を得て白糠に下り、身重で片目の陽子を掠う。３人の暮らしで、山の獣の感覚が鈍った。雌熊とまぐわうために子熊を殺す雄熊のような挙動をした熊爪。死の間際でも獣のような死に様を望んでいた熊爪。人と熊を同化する男の話？一気読み！

ネタバレ悪魔の解体作業に手を染めてしまった３人。そして、危うく犯人にされそうになった佐竹。彼の夜の城は、留置された間に見事に崩れた。十文字は、雅子たちの弱みを握り、新ビジネス解体屋を提案。復讐に佐竹が動き出す！２つ目の仕事は、共犯者だった邦子の死体。「同じ磁場」を持つ佐竹は、雅子を追う。怪物を起こしてしまった！雅子が佐竹に捕まった終盤の場面は、鳥肌が立ち塩辛い血の味がする。憎しみと共感が彷徨う不思議な時間。互いの言動を、固唾を飲みながら読む！そして…女は、女への閉鎖的な社会から自由になるために、出口を目指した。

ネタバレ深夜のコンビニ弁当工場で働くパートの４人の女達。主婦・弥生の夫殺害の事件をきっかけに、平凡な主婦たち4人が自由を求めて日常を離脱・脱社会化してゆく物語。バブル経済崩壊後の人々の日常生活、 家庭の崩壊やパートタイム、新宿のヤクザ、日系ブラジル人や中国からの出稼ぎ労働者などに対する視線と洞察が様々に絡み合って、話の厚さを増す。登場人物の思惑や心の奥底をさらけ出す文体で、息が詰まりそうになるが面白い！犯罪とは無縁と思われる平凡な主婦たちの言動が、大胆で自分なりに計算し、時に冷静なのが凄い！この後は、どうなるの？

ネタバレ頭の何処かで、自分の娘を殺めた秋田児童連続殺害事件がかすめた。子を持ち、育てた母親の最期の言葉は「約束は守ったよ、褒めて」。死刑囚・響子の遺骨を親戚の誰もが受け取らず、遠縁の吉沢静江が身柄引受人となり、娘の香純が東京拘置所で受け取った。親戚や知人の住む故郷は、響子には余りにも冷たかった。何故、あのような言葉を残して逝ったのか。香純は、その真意を探るため、事件を知る関係者と面会を重ねてゆく。「あの子がいなければ、苦しまなかったのか」「殺しを仕向けたのは、身内と住人だ」「事実と真実は違う」。心の奥底は、深い！

ネタバレ早押しクイズ大会の決勝戦。優勝のかかる最後の一問。相手は、問題も聞かず正解して優勝！何故、答えがわかったのか？ヤラセなのか？クイズ界の闇に迫る！と思ったが…それほどの迫力も、インチキもなかったような…。クイズとは、クイズの強さを競うもの。クイズの強さとは、知識の量ではなく相手に先んじて正答を積み上げる強さだ。某TVの演出家は、クイズ番組を生放送でやるのは、「クイズはスポーツ」だからだと言った。番組はどう構成していくのか？その流れを考えたときに、僕は何か見えてきたような気がした。答を事前に予想するテクとは？

ネタバレ群馬県警・葛警部が主人公の警察小説。余計なことは喋らない。が、卓越した捜査能力を発揮して、予想外の事件解決を試みる。「命の恩」榛名山麓の〈きすげ回廊〉で右上腕を発見。被害者、加害者との関係を調べるうちに見えてきたものは…。命の恩人に、どこまで礼を尽くせば良いのか？「本物か」レストランで起こった立てこもり事件。店内には店長、男とその子供、退勤予定のウエイトレス。犯人が手にしていたものは拳銃？本物なのか？そして、この事件の正体を暴いてみせたのには、驚く！事件は、些細なきっかけで起こるものなのか！

ネタバレ亡くなった探偵の後を継いだ探偵は、元ヤクザの矢能政男。一緒に住む小２の栞は、しっかり者で時々、矢能に「仕事は最後までやるべきだと思います」などと説教をする。死体となった依頼主とクリントンのお面を被り銃を持った若い男と出くわしたのが、始まり。空手道場主と中学時から師弟関係となった若い男。空手道場主の過去と国会議員との関係。国会議員の貧困国視察で起きた事件と依頼主。国会議員と矢能の駆け引きに若い男が絡む。後半、栞が若い男に接した時はハラハラドキドキ。あ～、今回も一気に読めてしまった！映画があるんだね。

ネタバレ「ゾウさん」こと西岡恭蔵が亡くなり、まもなく25年。恭蔵氏の幼少から50歳までの流れを、色々な人の声を聞き書いた本格評伝。昭和時代の若者による「歌波」の流れを、自分の体験と重ね懐かしく読む。関西フォーク、フォークゲリラ、ＵＲＣレコード、フォーク界の懐かしきスターの名前と曲名。「プカプカ」に出てくる相合い傘のあの子、喫茶店「ディラン」、最愛の伴侶ＫＵＲＯの存在の大きさ、矢沢永吉と作詞家恭蔵夫妻との関係、世界旅行しながらの創作活動、心の病に悩んだ時期、ＫＵＲＯの癌闘病と別れ、苦悩と哀しみと愛に溢れた一冊だ！

ネタバレ漫画家から小説家・木内一裕の衣替えの２作だという。すでに２作ほど読んだが、テンポの良い話が並んだ。が、今回は「探偵」の話だが、血生臭い話に、あちらこちらボキボキ折れる痛い話。時に、目を覆うほどの場面も２箇所登場。勘弁してくれよお～と叫びながら読み続けた！救いのない３話の物語。邪魔になった女をどう始末するのか。兄の捜索依頼の話と誘拐された男の子の最期が悲しい。「娘への殺害の手紙」なのか？差出人を探しての依頼。いつの間にか、探偵の側にいる中年ヤクザ。え！探偵は死んだ？続編を必ず読め！との解説者の弁に頷く。

ネタバレ「慰謝料」を手にして人々は揺れる。配送元を必死に調べようとする三郎。ついに、配送主を探り当て、加害者の過去が明らかに。STの流れから、洗脳され騙すだけでなく、洗脳する側を育ててきた。被害者が、いつの間にか加害者になるという巧妙な罠。後半の展開は、ことごとく予想を裏切られた！２回目のバスジャック。森閣下の最期。菜穂子との別れ。タイトルにある「ペテロの葬列」は、「聖ペテロの否認」から閃いたものだろう。人間誰もがつく嘘に絡んだ「悪徳商法」や「不倫」をテーマに描こうとしたのだろうか？

ネタバレ今多コンツェルンの娘婿で会長室直属広報室に勤める杉村三郎は、編集長・園田瑛子らと広報誌の取材の帰り、乗り合わせたバスでバスジャックに遭遇。加害者は、人質全員に「慰謝料を払う」と謎の提案し自決。事件後、三郎の周りにはセクハラや、以前に知り合った私立探偵の昔の依頼人・足立則生が容疑者となる殺人事件が発生。元人質たちに「慰謝料」が届く。辞職届を胸に義父との会話で、60-70年代に企業向けの社員教育として導入されたSTやその流れを汲む豊田商事事件などの話が出てきて興味深かった。日本国の、人間の本質に潜む闇が…。

ネタバレ凡人の中から、頭ひとつ抜け出す方法とは？プロとして、ビジネス界で活躍を維持するには「バランス」が必要。令和は「超バランス型人材の時代」。つんく流「人生バランスチャート」が面白い！凡人にとって大事なことは、「好き」を追求・継続すること。「地道な努力」が天才に勝つ最短距離。売れるアイデアを生み出すには、数をこなすことも重要。流行の「裏側」から分析・攻めもあり。「ニッチ」な趣味や得意技は、印象付けに最適。プロデューサー（組織リーダー）に必要なものは、①想像力②判断力③適応力④指示力⑤カリスマ力⑥バランス力。