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2022年5月の読書メーターまとめ

大泉
読んだ本
17
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4877ページ
感想・レビュー
17
ナイス
137ナイス

2022年5月に読んだ本
17

2022年5月のお気に入られ登録
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  • satoshi
  • カルメ焼き

2022年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

大泉
エンゲルスがもしマルクスに協力できなかったら、ソヴィエト連邦は誕生しなかったのではないか?というイフの歴史への想像力をモチーフに、冷戦期のスパイと歴史改変のドラマを描く表題作、「タイムマシンを開発した」というマジシャンをめぐる「魔術師」、歴史への介入を可能にするらしい扉をめぐる「時の扉」などなど、過去と現在の緊張関係を主題とした短編がとりわけ印象に残る。趣味をめぐる差異化のゲームの終わりとその先を描く「最後の不良」も構図がきまっていてよかった。SF的想像力とはこういうもんやという横綱相撲!
が「ナイス!」と言っています。

2022年5月の感想・レビュー一覧
17

大泉
昭和『ウルトラマン』にかかわった四人の脚本家に焦点を当て、インタビューや準備稿なども駆使してその作家性を探る試み。増補版が手に入らず旧版のこちらを読みましたが、『ウルトラマン』のルーツとしての沖縄という主題を考えるにあたっては基本文献の一つでしょう。宮崎勤による少女連続殺人を同時代の出来事として経験した書き手が、いかに自身のおたく性と向き合うかという試みでもあり、大変おもしろく読みました。
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大泉
残った食材をどう使い切るかを書いた第4章が特に有益。特段変わったことが書いてあるわけではなく、余った野菜は味噌汁やスープに入れろという話なんだがディテールが勉強になりました。また、テレビの料理番組をみて調理の動きやメニューの発想力を増やすのが吉というのは、書籍でそれいうか!という感じでよかったです。まあ結局できる範囲で試行錯誤、反復しろということに尽きるんですかね。
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大泉
生活がデザインを決定するのではなくデザインが生活を決定するのだという思想が生まれた19世紀中頃から20世紀末までの、デザイン史上の画期を点描する試み。大量生産を可能にする企画化されたデザインが全世界的に影響力を拡大していく歴史とみてよいだろうか。おもしろく読んだんですが簡単に大きな絵を描くことを拒否するような本でもあった気がするのよな。
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大泉
エンゲルスがもしマルクスに協力できなかったら、ソヴィエト連邦は誕生しなかったのではないか?というイフの歴史への想像力をモチーフに、冷戦期のスパイと歴史改変のドラマを描く表題作、「タイムマシンを開発した」というマジシャンをめぐる「魔術師」、歴史への介入を可能にするらしい扉をめぐる「時の扉」などなど、過去と現在の緊張関係を主題とした短編がとりわけ印象に残る。趣味をめぐる差異化のゲームの終わりとその先を描く「最後の不良」も構図がきまっていてよかった。SF的想像力とはこういうもんやという横綱相撲!
が「ナイス!」と言っています。
大泉
漫画家である著者が、さしせまった締め切りから逃避するために仕事場の台所でつくったメシの記録。ありあわせの材料でそれなりに食べられる…むしろ美味そうなメシをつくってしまう、素人料理人としての吉田戦車に脱帽です。しょっつるが常備してあるのは三子の魂…というのを感じますわね。おもしろかった!
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大泉
ぺらぺらめくった程度ですが、平成ウルトラマンに関する証言集としてめちゃくちゃ意義ある仕事だと思いました。リアルタイムでみてはいた記憶がぼんやりあるんだけど、最早ディテールまでは憶えていないこれらの作品群、いつか見返してみたいところですが…。
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大泉
東京オリンピックで金メダルを獲得した「東洋の魔女」こと日紡貝塚のバレーボールチームに、戦後日本の女性のあり方の変容を見とる。労働者の気晴らしの手段であるレクリエーションとして始まった企業におけるバレーボールが、やがて一部で先鋭化して競技スポーツへと変容する。指導の中で女性性を抑圧された彼女たちは、一方で主婦という場所を採集目的地ともしていた。日本の近代において女性とは、あるいは身体とはという問いをある対象にみる、すぐれた近代論です。
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大泉
映画『ローマの休日』、あるいは女優オードリー・ヘップバーンの魅力について、映画論などの知見をもとに論じる。映画批評、映画評論の入門としても結構気が利いていて、ブックガイドもあるし研究史上の古典的な著作の案内もあるし、単に『ローマの休日』論にとどまらない、啓蒙的なよい本でした。
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大泉
冷戦以後、「保守」と「革新」との対立が後景に退き、「改革保守」と「守旧保守」との対立が前景化したと見立て、「改革」をめぐるゲームを軸に現代までの日本政治の歩みを跡付ける。全体の構図が明快であるがゆえに通史的な叙述が極めて説得的に提示されていると感じ、ポスト冷戦から小泉登場、民主党政権交代を経てからの長い悪夢の道筋が、なんとなくクリアになった気がします。
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大泉
『孤独のグルメ』みたいな佇まいを期待して読むと、ちょっと、なにこれ、となる饒舌さ。おいしくないラーメン食べさせられたりとか、井の頭公園の喫茶店(いつでも入れると思っていたのについぞ入ることがなかったよわたくしは)とか、印象に残っています。エッセイとしては『野武士、西へ』のマゾヒスティックな感じがより好みだったんよな。そんなにマゾくないからな、グルメだから。
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大泉
タイトルが内容を表してなくて、単身者向けのレシピ本。形容がいちいちおおげさでいかにも近年のインターネットっぽい。各レシピで少しだけ野菜とかを使うわけだけどわたくしが苦慮してるのはそのあと余ったやつをどう使うかなんだよな。味付けが食べるラー油だけだったりするのはおお!これありか!となったんだけど、そもそも材料がスーパーのカット野菜とか、単身者向けの使い切りのやつだとさらにありがたかった。
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大泉
障害のある人を助けるためにできること、社会のあるべき姿とその背景にある思想など諸々について語る。どこでどう鍛えられればこういう文体を装備できるかわからない著者の文体は新書でもそう変わらないのだが、それでも他の著作よりはごつごつ具合が和らいでいて、これが編集者の力量かと推測する。考えている過程を生のままに紡いでいくような本書の語りをどう要約したらよいかわからないが、新書という媒体の制約あってなお、立岩真也ここにあり!という佇まいの本です。
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大泉
『ゴールデンカムイ』だけ読んでアイヌについてわかったような気になるのはあかんやろと思って、ある種の借りを返すために読みました。古来より交易によって周囲の集団と接点を持ってきたアイヌは、言うまでもなくそのなかでさまざまな文化を受容し、自身の文化を変容させてきたという当たり前のことを改めて実感。「黄金」をめぐる謎解きになっている章はとりわけおもしろく読みました。
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大泉
いわゆる文系と理系の学問はどのようにして分かれたのか、歴史的な文脈や欧米諸国の状況などを概観し、学問という営みの今後を展望する。おおよそどの国でも日本と多少の差はあれ、ある程度の区分けはなされていて、また学際的な研究の必要性が叫ばれる昨今ではあれ、ある程度の区分は残っていくのではないか、というのがおおよその見取り図だろうか。文理の分割のみならず、学問をめぐるさまざまな問題にも目配せがきいていて勉強になりました。
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大泉
東京から大阪まで、断続的に徒歩で向かった散歩の記録。10年後の今も健在な飲食店とそうでないところ、娯楽惑星コンコルドなどなど、ふと知らない街に散歩に出かけたくなるディテールにあふれた一冊でした。2011年3月に向けて時が進んでいくのでいま読むと奇妙な緊張感があります。
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大泉
ドゥルーズ『シネマ』が提起するものとは何か。それを丁寧に辿っていく。ベルクソンを継承したドゥルーズが、映画というメディアになにをみていたか…というのを実際の映画作品への言及することなしに探っていく語り口がすごい。わかったかわからなかったかといえばよくわからなかったが、むしろ『シネマ』を経て本書に再び戻ってくるべきなのかも。
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大泉
梅棹忠夫の「文明の生態史観」を手がかりに新しい世界史像を提起しようという試み。冒頭の西洋中心主義批判、グローバルヒストリー批判は舌鋒鋭く、特におもしろく読む。梅棹を援用して通史的叙述を試みる…というだけで稀有な気がするが、それがなにか新しいものを生み出し得ているかは、ううむ、ちょっとわからん…。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/12/24(3991日経過)
記録初日
2013/11/07(4038日経過)
読んだ本
2211冊(1日平均0.55冊)
読んだページ
665228ページ(1日平均164ページ)
感想・レビュー
2201件(投稿率99.5%)
本棚
2棚
性別
職業
大学生
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