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2022年8月の読書メーターまとめ

大泉
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15
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感想・レビュー
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2022年8月に読んだ本
15

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2022年8月のお気に入られ登録
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  • Seirēn

2022年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

大泉
日本共産党の結成から現在までを辿る通史。400ページ超で脚注もきちんと付され、かなりいかつい新書である。大日本帝国憲法下での弾圧、戦後の武装闘争路線とその放棄、宮本顕治のリーダーシップと躍進…と、100年余りの紆余曲折が丹念に書かれていて、日本共産党について通史的に理解するためにはまず本書を紐解けばよいだろう、と思わせる。序章の各国共産党の国際比較は、日本共産党が解体もせずしかし決して主流になることなく現在まで活動を続けているか、その立ち位置がすっとわかった気になり勉強になりました。
が「ナイス!」と言っています。

2022年8月の感想・レビュー一覧
15

大泉
かつて共に精神病院を脱走した友人と、なぜか富山で再会し、家族ぐるみで奇妙な友情が始まるが、そうこうしているうちにコロナ禍がやってきて…。『逃亡くそたわけ』の主要人物が富山で過ごす日常を描くこの小説は、同時代の出来事を大胆に取り込み、わたしたちの現在と地続きの場所で確かに生きられる生活が描かれる。随所に書き込まれたアフォリズム的な現状認識にはっとさせられるが、なによりこの災いの下のリアリティ感覚が克明に記されていることがえらい。いま読んでよかったと心から思います。
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大泉
この頃はまだ相対的にアナーキー文体を抑制してたのかしら。大杉栄の現代性を再評価し、生きのびさせようとするやつらの暴力に抗え!というアジテーション。原発およびその稼働反対のデモの現場の話なんかは既に時代の刻印を感じさせますが、おもしろく読みました。
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大泉
センター試験の倫理の問題を取り上げて、西洋哲学史を簡単にさらってみようという試み。試験問題がまず提示され、扱われている哲学者の思想について簡潔な解説がなされていく、予備校の授業みたいな本。哲学者のバイオグラフィとかはほとんどないのもそういう印象を強めている。それが悪いとかではないけど…。巻末に付されたブックガイドは俗っぽい本も照れずに紹介していてえらい。
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大泉
Kindle Unlimitedで流し読み。信用スコアなどのシステムは必ずしも徹底的に機能しているわけではなく(上下の基準が不明確なので行動を変えようがないみたいな地域もある)、オーウェル的なディストピアと重ねて考えるのは不適当であること、一方で新疆ウイグル自治区などはまさにそのような監視体制が敷かれつつあることなど印象的。中国国内を超えて、監視のテクノロジーが功利主義的な統治を遂行する強力な道具になりうるということを考えるヒントになる、大変おもしろい本でした。
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大泉
1950年代、高校に進学できなかった、しかし向学心に燃える若者たちは、思想や文学にかかわる読書によって人格を向上させるという教養主義を共有していた。学校空間の外で、彼・彼女らがそれをいかに涵養したのか。それは著者が「人生雑誌」と名指す一群の雑誌、そしてそれが形成する「想像の読者共同体」であった。人生雑誌とその共同体の栄枯盛衰を描く本書は、竹内洋『教養主義の没落』の裏面史。ノン・エリートたちの「反知性主義的知性主義」にある種の可能性をみてとる著者のまなざしが、とりわけ印象に残ります。
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大泉
東浩紀、伊東豊雄、平野啓一郎のあたりを拾い読み。まあインタビュアーにきちんとした専門性がないからそんなに面白いインタビューにはならんわな。その点東浩紀はたぶん聞き手の力量関係なしにマシンガンのように喋るので相対的に面白くなっていて、偶然性をめぐる話なんかは近年の問題意識が直裁に出てる感じはした。しかしNewsPicksのちんぴらに聞いてなんかおもろいことある?ないんちゃうかな〜。
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大泉
日本共産党の結成から現在までを辿る通史。400ページ超で脚注もきちんと付され、かなりいかつい新書である。大日本帝国憲法下での弾圧、戦後の武装闘争路線とその放棄、宮本顕治のリーダーシップと躍進…と、100年余りの紆余曲折が丹念に書かれていて、日本共産党について通史的に理解するためにはまず本書を紐解けばよいだろう、と思わせる。序章の各国共産党の国際比較は、日本共産党が解体もせずしかし決して主流になることなく現在まで活動を続けているか、その立ち位置がすっとわかった気になり勉強になりました。
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大泉
日本の100メートル以上のビルを網羅したるという趣旨の写真集。続巻と比べると判型が小さいので、どちらか一冊を選ぶなら4巻の方がいいのかも…とも思う。でも街歩きがちょっと楽しくなるよい本です。
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大泉
山田風太郎の代表作にして、異能バトルものの古典中の古典。『マルドゥック・スクランブル』にしても『NARUTO』にしても、この作品抜きにはあり得なかっただろうと再読して強く感じた次第。忍者たちの恐るべき異能の説明を、医学的知識を背景にしたハッタリで説明しきっているあたりは山田のバックボーンが強く出ていたのだなと感じた。しかし、まだ活躍させられそうなキャラクターをあっさり退場させていくその手際、ある意味アンチキャラクター小説ですわね。
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大泉
戦後、日本はアメリカやソビエト連邦に分割占領されていたかもしれない…あるいはどこかのタイミングで、ソビエト連邦が侵略を試みたかもしれない…あるいは北海道独立の試みが実行されたかもしれない…そうしたイフの歴史への想像力から描かれたフィクションを題材に、戦後の記憶をめぐる共同体の可能性を探る。ポスト「敗戦後論」としての論旨に必ずしも同意できないが、ゲームのノベライズまで俎上にのせる網羅ぶりで、分断もののフィクションについての書誌学的な興味は満たされました。
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大泉
安倍政権による新型コロナウイルス対応と、菅直人政権における東日本大震災における原発事故対応とを対比し、それぞれの政権のありようを摘出する。菅直人を再評価し、安倍晋三を批判する、という構図は明快だが、菅政権の瑕疵(原発に乗り込んだことは本当に適切だったか、議事録未作成問題など)についてはきちんと指摘しており、誠実な書きぶりがなされていると感じる。安倍政権こそが政治のありようを破壊していったのだということを示すドキュメントとして、今後も読み継がれるにたるテクストだと思います。
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大泉
100メートル以上の超高層ビルをカメラに収めた写真集。本書と前の巻で、日本の100メートル以上のビルは網羅しているというのかだから驚く。あとがきまで意識しなかったんですが、きれいな晴天を背景にしているのは著者の涙ぐましい努力の結果だったんですね。見知った名前の知らないビルたちの名前や竣工年が知れて、大変おもしろく読みました。
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大泉
ある事象について、それが語られるようになった歴史的経緯を過去の新聞や雑誌から探る…という、この著者の得意とする方法論で、氷河期到来説や夫婦別姓の問題、「反日」というレッテル貼りなどを紐解く。温暖化が自明のものとみなされる昨今からすると、氷河期が来るかもという不安は隔世の感ありよなー。
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大泉
20世紀前半の満州で理想の都市を夢見たものたち。彼らの描く地図、それを実現するための拳、それらが刻印しやがて消えゆく、そのようなあり得たかもしれない歴史。『百年の孤独』に目配せしつつ、書くことの意味を記した結部がえらい。https://amberfeb.hatenablog.com/entry/2022/08/05/213110
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大泉
金持ちの嫌味な旅行記!これを読んでむかつきを覚えるのも著者の狙いどおりという感じで癪だが、むかつくものはむかつく。このレベルの金持ち自慢をありがたがってくれるのは蓮實重彦ばりの権威と実績とがないとダメだと思うんだけど、ある種の人にとっては許光俊ってそういう人なの?なんか不思議だわー。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/12/24(3869日経過)
記録初日
2013/11/07(3916日経過)
読んだ本
2179冊(1日平均0.56冊)
読んだページ
655275ページ(1日平均167ページ)
感想・レビュー
2169件(投稿率99.5%)
本棚
2棚
性別
職業
大学生
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