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2024年10月の読書メーターまとめ

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5482ページ
感想・レビュー
15
ナイス
196ナイス

2024年10月に読んだ本
15

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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9/10 東野圭吾ヒロイン史上、最も賢く恐ろしい魔力的な魅力を持つ雪穂。長編をうまく活かす作者の手腕が発揮されている。多人数&長尺だとダレてしまったり焦点がぼやける危険生物を孕んでいる。が、「桐原と雪穂」をあくまで中心に「それを眺める周囲」立ち位置で個性をわからせつつも下手に全て広げすぎないところがうまい。
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2024年10月の感想・レビュー一覧
15

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ネタバレ7/10 「あの人はいた筈なのに、もはや過去となりその事実そのものが無かったことのようだ」人生の中で既視感ある経験を文学として体現した目論見かと推測した。が、実は不思議な力を持つ黒幕が本当に影響を及ぼしていたんだよファンタジーへ後半は正直「ウーム」となった。ハッカ飴のくだりなどはゾクゾクして良い。
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10/10 表紙の三人の男の写真が読書の道しるべとなり、何度も見直した。停止し切り取られた枠組みは、単なる対象物ではなく遺伝子が流れる。時間を置くとまた変化し、史実を踏まえ“自ら”創造する。その写真の見方を試されているかのようだ。舞踏会≒戦争へ向かう暗示か。 しかしこれがデビュー作なのだから才能とはこういうものだと眼前に叩きつけられた。 (写真家アウグスト・ザンダー・ アドルフ、ペーター、フーベルト ・女優サラ・ベルナール・自動車王フォード)
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9/10 初めのうち枝葉にばかり注目していると分かれたパートと時系列に混乱し一体どこに向かっているのか把握できない。次第にそれが全て一枚の写真へと帰結していく。そこに映し出されるのはザンダーが撮影した写真のように、ポーズを取らないそのままの人生だ。
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9/10 東野圭吾ヒロイン史上、最も賢く恐ろしい魔力的な魅力を持つ雪穂。長編をうまく活かす作者の手腕が発揮されている。多人数&長尺だとダレてしまったり焦点がぼやける危険生物を孕んでいる。が、「桐原と雪穂」をあくまで中心に「それを眺める周囲」立ち位置で個性をわからせつつも下手に全て広げすぎないところがうまい。
が「ナイス!」と言っています。
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8/10 純文学とSFはマッチングアプリならば90%を越える親和性を持っている。 例えば『オーガニックスープ』におけるお風呂の描写力や、秘められた暗喩は全て読み取れたとは言い難く、求む読者意見状態だ。勿論深読みなどせずとも、ウィットに満ちた“小坂松崎ペア”による宇宙人たちとのドッキングシリーズ等は純粋に面白く延々と見ていられる。 『パティの出てくる日』 『シネマハウスの夜』 『バルカローレ』『オーガニックスープ』 『プロンプター』『食卓に愛を』『アレルギーの彼方に』 『神の糧』
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9/10 「クセの強い書記2人に疲れたので新人雇ったらそいつが一番奇妙だった」“I would prefer not to.”“I prefer not to.”強い言葉や明確な意思による拒否ではなく《○○しない方が、よい》で全てを回避する。彼の経歴から察するに法律事務所に来た時には既に疲れ果て心が壊れた後であり、働く(≒生きる)機能を放棄している状態だ。恐ろしいことに周囲に感染する力が示唆されている。バートルビーは決して理解不能の人間ではなく、我々もある日突然ぷつんと無気力になり得る可能性を秘めている。
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ネタバレ8/10 機関車や動物が入り交じり遊ぶ光景は、実は子どものおもちゃたちの夜の出来事である結論に感心した。まさしく夢ある風景だ。しずかに、しずかに、ねえおやすみ。
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ネタバレ8/10 “なぜ傷つけられた側が、いまだに血を流している側が、許す責任まで背負わされるのだろう? ”暴力的な父、家(自分)から立ち去ってしまった母親、兄たち、恋人のテイト、チェイスの裏切り。常に孤独に身を晒されたカイアが、湿地で自然と共存し『許すのではなく理解する』ことを悟ったのだと思う。子狐を見捨てる母狐、傷ついた一匹を排除する七面鳥、交尾後雄を喰らう雌。生存本能の前に、罪は本来存在しない。皆の仕打ちもカイアの選択した行動もすべては ”いつかはそれも生まれる前の場所へ戻っていく”。
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7/10 単純化した一本道不幸の図であった前巻に対してかなり良くなった。松子の基準が『男への愛を注ぐ』で献身的でいじらしい分、対象物がいなくなるとすぐにやる気を無くすところだけはどうもいただけない。松子の哀しい人生を調べて知り、怒る甥の存在がせめてもの救いだ。
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6/10 次から次へと降りかかる不幸に対して、松子の選択が一番まずい最低の物を選ぶものだから自業自得で転落していく一方である。場当たり的で考えなしの為展開が陳腐化している。タイトルが『可愛そう』でも『不運』でもなく『嫌われ松子』のところから狙いであろうが、果たしてそれが後半で活かされるのかどうか。
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7/10 「ああ、ダンチュラ・デオね。知ってる知ってる、実はCIAのスパイのジャパメタバンドで、冷戦の終結に粛清されちゃったんだよね。聴いてたよ。」 架空バンドの物語を皆で共通し作り上げていく。万が一に居た場合はきっと著作権侵害で名乗り出てくるはずである。ファンは『同意』し共有する『物語』を見る。きなくさい連中に脅されメンバーアルルは偽者にすり替わり国や政府が介入する。抜き差しならない状況にいつの間にか追い込まれている。喜三郎の思わぬ真も飛び出すわ滅茶苦茶である。嘘を付くなら最後まで、の覚悟が必要なのだ。
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ネタバレ8/10 出てくる人物がほぼ頭おかしい(いつものことである)。時間遡行を軸に思考し謎を解いていく。振り返ると多重推理が途中展開されるのだが読者にとって反則ギリギリでは?(別軸で同時に矛盾した為世界が許さず死亡)説も飛び出す。よって本格ミステリー感覚値よりも“SFの理屈とロジック”頭に切り替えて読むべきだろう。特に最後の賭けに挑み続ける無限ループはよくできた地獄だ。
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『☆もふとん』酉島伝法/人を駄目にするお布団 『☆或ルチュパカブラ』吉羽善/ 或いはUMAとも座敷わらしとも呼ばれるふしぎな存在 『進化し損ねた猿たち』高木ケイ/ 退廃した世界を足跡からなぞる 『☆神の豚』溝渕久美子/中国設定が異国文化とケレン味ある雰囲気作りに成功、豚ちゃんは兄でなくともずっと大切にされるだろう (続)
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2024/10/15 21:34

『カタル、ハナル、キュ』津原泰水/いわゆる一つの後味悪い寓話伝説 『☆絶笑世界』 十三不塔/笑わせない為の芸人なんてよ! 『墓の書』 円城塔/作中人物の為のお墓はそこにある 『無断と土』鈴木一平+山本浩貴(いぬのせなか座)もっともらしく嘘を真面目に弁論する 『電信柱より』坂崎かおる/きっとある人にとっては特別な電信柱 『☆百年文通』伴名練/ディスタンスは時間と空間を隔てる二重の意。読み易さとエンタメ具合は外さないお墨付き

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9/10 海炭市を訪れたことはなく、そもそもここは架空の町であるが、わたしはこの風景と感覚を知っている。決して裕福とは言えない人々もきっと知っている。青少年ものよりもこちらの方が断然作者の力量が稼働している。別の視点で他の人のエピソードが重なる点がふと訪れる。やろうと思えば全住人続けることが可能な短編集だが、作者が亡くなっていることが返す返すも残念である。
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10/10 前作が侍女の一人称から語られていた(じっくりと心情と世界に没入させる)のに対し、語り手が複数人物へ。多層的となり、一気に行動範囲が広がる。一視点では分からなかった裏側が見える。それぞれの立場からの思惑、権力が絡み合いうねりとなる非常に読み応えのある物語になった。また前作を読んだ人なら誰もが反応する《あの人》視点(それに伴う違和感)等、続編だからこそやれたサプライズもある。2作目で更に大きく羽ばたき大成功を収めた。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/01/05(3977日経過)
記録初日
2014/01/05(3977日経過)
読んだ本
1631冊(1日平均0.41冊)
読んだページ
491580ページ(1日平均123ページ)
感想・レビュー
1562件(投稿率95.8%)
本棚
10棚
性別
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